ようこそ、ももちやん旅の部屋へ

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もう一度働きたい(1)~(3)



厳しい条件、
でも「なせばなる」再挑戦

 結婚や出産で一度仕事をやめたけれど、もう一度、就職したい……と考えている女性は多い。しかし、現実には「不景気だし、仕事はないのでは」「しばらく家庭にいたし、特に技能もないから自信がない」「家庭と両立できるかしら?」「仕事はどこで探せばよいの?」……こんな不安や疑問でいっぱいになってしまうだろう。上手に再就職するには、どんな準備や心構えがいるのか……。今回から、専門家のアドバイスなどで、再就職を実現するための方法を、連載する。


 「働きたいけれど、仕事がない」。そう思っている専業主婦の人は多いのではないだろうか。

 よく「M字型カーブ」という言葉であらわされる、女性労働力のグラフがある。

 これは、女性の労働力を年齢別に見た場合、20代から30代前半にかけて、低下し、40代後半まで上昇するというもの。結婚や出産で一時仕事を中断し、子供が大きくなったら、また働くという現状を示している。「他の先進国に比べて、こうした状況が顕著」といわれるが、これは、現状で育児と仕事の両立が極めて難しい状況にあるからだ。

 だが、現在働いていない人のうち、就業を希望している人を労働力人口に加えて、「潜在的な労働力率」として年齢別に見ると、M字型カーブはほとんどなくなり、先進諸国と同じようになる(平成13年版「働く女性の実情」による)。

 「体制、条件さえ整えば、働きたい」と願っている25歳から39歳の女性は、多いということがいえる。

 これからの社会は「男女が仕事と子育てをバランスよく両立しながら、安心して子供を生み育て、生涯を通じて就業することが可能になる」ことだ。

 だが、現実には雇用者サイドの企業側が、年齢制限を設けたり、ブランクのある女性を採用したがらない姿勢、子どもがいる女性にとっては預け先が少ないこと、男性の子育て参加意識の低さや、30代男性の長時間労働など、女性が家庭から仕事へ踏み出すまでの壁は多い。

 「それでも」と再就職アドバイザーの原田静枝さんは言う。

 「社会は、男女共同参画という方向に向かっていて、パート法改正、税金や年金などの社会保障が、個人単位へと見直されている今、専業主婦でいられない社会になることは必至です。誰もが働く時代がきます。ぜひ一歩を踏み出して」とエールを送る。

 女性の再就職への講演なども行っているハナマルキャリアコンサルタントの上田晶美さんは「不況などで男性もリストラなどでいつ仕事がなくなるか分からない。仕事を持つのは大事なこと。でも現実にはすぐによい条件の仕事が見つかることはめったにありません。せっかく再就職するのですから、十分に、準備することです。いつから働くのか、それまでに何をしておけばよいのか。生涯にわたって自分はどう働きたいのか。戦略を作ることも大切です」と話す。

 次回からは、何をどう準備するのか、という具体的アドバイスにはいる。

☆ワンポイントmemo☆

 全国には12か所の「両立支援ハローワーク」(旧レディスハローワーク)がある。両立支援とは、育児・介護と仕事の両立だ。  昨年10月にオープンした「しぶやワークプラザ」では、今すぐには無理でも、1年以内に仕事に復帰したい人の「就業希望登録制度」がある。登録しておくと、再就職準備のための情報が送られてくる。現在400人ほどの登録者がいる。セミナー開催も。ほかに求職登録すると、ワード、エクセルなどパソコン教室スも無料で受講できる。  (電)03・5489・8609 、http://www.hw-shibuya.go.jp/workplaza.html

2002.5.6 ぴーぷる


-女性の再就職支援講座(2)-


長期的な戦略立て
何をしたいか見据えて挑戦!

 再就職をしようと思ったら、まずどういうアクションをとったらよいのか。
 再就職を志したら、それなりの準備が必要になる。学生時代の就職活動を思い出してみよう。やみくもに職探しをするのではなく、準備をしたはずだ。今回は、ハナマルキャリアコンサルタントの上田晶美さんに、「再就職のための戦略の立て方」を聞いた。


■戦略を立てる

 上田さんは、「一番大切なことは、戦略を立てること」だという。

 「女性の人生は80年といわれています。35歳で働き始めたとしてこの先、20年30年という長いスパンで仕事を考えなくてはならない。

 もし今仕事がしたいからと、身近なアルバイト、パートに飛びついたとしましょう。短期のバイトを繰り返していても、それでは毎年、同じことの繰り返しになってしまいます。長い目で見た自分の生涯が見えてこない。

 人生を切り売りするのではなく、長期的な人生の目標を立てて、仕事を探すことが大事です」

 上田さんが、勧めているのは「家族年表」だ。

 これから先、子供が何歳になり、そのとき自分はなにをしているか。いつお金が必要になるのか。書き込むことで、自分と家族の未来が見えてくる。

■はじめにやりたいことありき

 「よく、求人情報の条件に、自分をあてはめていく人が見られますが、これでは良い就職はできません」

 大事なのは「何をやりたいか」で、それを見極めるには、「キーワード」を書き出してみるとよい。

 「自分がどんな仕事をしたいのか、仕事の中身は?そんなことを書き出してみて、将来を見据えてどんな仕事に就くか考えて」

 ただ、知らない仕事には就けないので、情報収集して、選択肢を広げることも重要だ。

 したいことが見えてくると、何が足りないのかもわかる。事務職に就きたいけれど、パソコン技術が心配だったら、それを補う方法を考える。

■自分に自信を取り戻そう

 「私は何もできないから、と思わないで。過去に働いていたことは、十分な財産です。ブランクがあって自信がないならブラッシュアップすればよい。主婦でいるあいだにしてきたことで、役立つこともあるはず。何もできないと思わず挑戦してほしい」

■困難は覚悟の上

 大学を出ても就職難、一流企業に入ってもリストラ。仕事を見つけるのは困難なのはあたりまえ。

 「いい仕事だったらやりたい、という人は多い。でも、一歩踏み出さなくては仕事は見つからない。長い自分の人生を、どう生きるのか考えれば、仕事のあり方というのは見えてきます」

2002.5.20 ぴーぷる



-女性の再就職支援講座(3)-


自分のキーワード
時代のニーズと重ねてみよう


 東京・錦糸町の「アビリティガーデン」で5月末、21世紀職業財団の「ReBeワークセミナー」が開かれた。再就職したい女性のためのセミナーで、東京では今年度の第1回目だった。集まったのはほとんどが30歳代の若い主婦たち24人。なかには赤ちゃん連れで参加した人もいる。同財団東京事務所の杉口正子所長は、「セミナー参加者が回を重ねるごとに若くなっている傾向がありますね」。
 「子育てが一段落してから」ではなく、育児しながら仕事もしたいという女性は少しずつ増えているようだ。今回は、自分にふさわしい仕事は何か。『適職発見』の方法を探ってみよう。


■自分を知る

 この日のセミナーでは、渡辺美枝子・筑波大学教授が講師となり、『私の適職発見』をテーマに話をした。会場では、渡辺教授が開発した「適職発見」のワークテストをする時間もあった。

 簡単な問題に答えていき、最後に集計すると自分が「体を動かすのが好き」な傾向が強いのか、あるいは「人に奉仕する仕事向き」なのか、みえてくる。もちろん「あなたはこれ」と決めてくれるものではない。様々な適性のバランスのなかで『自分らしさ』がわかってくるということだ。

 「大切なのは、テストの結果ではなく、テストをしながら自分自身を見る眼を広げてみるということ。自分を多様にみることで、自分らしさを再発見できる」と渡辺教授はいう。

■どんな仕事をするのか

 ハナマルキャリアコンサルタントの上田晶美さんは「前回自分で書き出したキーワード(5月20日「ぴーぷる」掲載)のほかに『時代のニーズ』というキーワードを付け加えてみて」と話す。

 「自分のキーワードを時代のニーズを重ねあわせることで、選ぶ仕事の幅が広がる」というのだ。

 例えばパソコンが好きで、人に教えるのに向いている人は、『パソコンインストラクター』という仕事が思い浮かぶ。それに「小学生や高齢者がパソコンを学びたがっている」という時代のニーズを加味すると、教える対象が広がってくる。

■どんな働き方をするのか

 「長い人生のキャリアなのだから、きちんと仕事を見つけて」と上田さんはアドバイスする。

 自分の仕事が見えてきたら、「必要な資格があればそのための準備も始めます」。

 しかし時間をかけて準備し、正社員の道を模索するだけの時間的余裕のない人もいる。夫がリストラにあった、夫と死別した、離婚した……経済的理由ですぐにでも仕事が必要な場合もある。

 「パートしかない、パートでもよいか、ではなくパートがある、と考えられませんか?」と話すのは再就職アドバイザーの原田静枝さんだ。

 「一度下車した電車に再び乗ったら、もう二度と下車して欲しくない」と原田さんは言う。なぜなら「再就職に失敗したらその挫折感はとても大きいから」。

 だから肩に力を入れ過ぎないで、「まずは一区間から始めよう」というのが、原田さんのアドバイス。

 遠くの会社に通勤しなくても、まず一駅電車に乗っていけるところで仕事を探して見る。最初は張り紙を見て応募した、ちょっとしたパート。でも一度働き始めることで「自分の方向性が見えてくる」。もし、自分のやりたい方向で資格が必要だったら、そのとき学校に通うなどすればよい。

 「あれこれ考えるより、まず一歩踏み出して。自分に何ができるのか考えて行きましょう」

 『仕事に上下はない。あるのは向き不向きだけ』とは原田さんの持論だ。

■ライフ&キャリアのバランス

 キャリアネットワークの安藤博子さんは、「まず何のために働くのか見極めたら、どう働くかも考える。ライフとキャリアのバランスをどうするのか。それにより、正社員でバリバリいくのか派遣スタッフになるのかパートで働くのか、フリーランスになるのか変わってきます」。


■主婦モードにさようなら

 再就職を志したら、「主婦モード」から「社会人モード」へ切り替えよう、とはよく言われること。21世紀職業財団東京事務所の杉口正子所長によると「主婦モード」とは「今人が何を聞きたがっているのか、よりも自分が話したいことを話している状態」だそうだ。「何が求められているか察知する」。そんな感性が必要だ。

 さらに「待っていても仕事は降ってこない」ものである。「積極的に挑戦する」姿勢も必要だ。

2002.6.3 ぴーぷる



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