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2008年06月12日
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カテゴリ: ナースなつぶやき

昨日、半月ほど前に入院した患者さんが亡くなった。

その方は、70代後半の男性の方で

専門職として現役でお仕事をされていた方だった。

半月ほど前に、風邪のような症状があって

高熱が出て病院を受診。

お薬を処方されて帰宅されたが、

一向に症状が良くならず、かえってひどくなっていったそうです。

数日後、再度病院受診。すぐに入院となり、点滴などの治療が開始された。

それでも良くならずにうちの病院に転院されてきた方だった。

転院になってすぐに挿管(呼吸を助けるために口から気管まで管を入れること)され、

人工呼吸器が装着された。

これをすると、患者さんはお話しすることができず、

口を常に半開き・・・・。かなりつらいです。喉に異物感があるし。

なので、お薬を使って半分眠っている状態まで意識を落としてしまいます。

病名は、重症肺炎。

すぐに抗生剤とステロイドでの治療が開始された。

炎症反応の血液データが、非常に高値だったのが、

薬に反応して改善してきた。

ご家族には、入院時にとても危険な状態であることをお話している。

毎日御面会にやってきて、

心配そうに手を握ったり、お顔をなでたりしていた。

気持ちに余裕はなかったはずなのに、

いつも笑顔で患者さんに接し、看護師にまでその笑顔を向けてくれていた。

奥さまは、小柄な方でとてもお優しそうな人だった。

ちょっと頼りなさげで華奢なかわいい感じの方だった。

一時、データが良くなってきてこのまま乗り切れるかと思ったけど、

その後の経過は思わしくなかった。

それ以後、一向にデータは改善されず、

呼吸もいつも苦しそうだった。

それでも、「大丈夫?」の問いかけに笑顔でうなずいていた。

3日くらい前から、血圧が下がってきた。

少し高めだった血圧が、

少しずつ下がってきたのだ。

ご自分で体を動かすことができていたのに、

少しずつ動きが少なくなってきた。

そして、昨日、静かに息を引き取った。

奥さまは、ずっとそばについて、

御主人の手を握っていた。

倒れるんじゃないかと心配だった。

でも、娘さんに支えられ、最期をみとることができました。

その奥さまが、何度も言っていました。

「大好きだったよ。ずっと好きだったよ。ありがとう」

思わず、涙が出た。






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最終更新日  2008年06月12日 11時13分23秒
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