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菜翁が旨さんの事上磨錬の糧(7.)
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菜翁が旨さん の 事上磨錬 の 糧 7.
増補字源 簡野道明編集 角川書店発行(昭和44年2月20日150版)より
合従連衡
〔史,孟軻傳〕
「ガツシシヨウレンカウ」
【春秋戦国の時,韓・魏・趙・燕・楚・斎の六国同盟して秦に対抗する策を合従といふ,蘇秦の説。又六国を皆秦に服従せしむるを連衡といふ,張儀の説。従は縱,六国の地形は縦に長し。衡は横、七国の地形は横に長し,縦に合し横に連なる義。】
卜吉
〔欧陽修,瀧岡阡表〕
「キツヲボクス」
【墓地としてよろしき地をうらなひ定める。】
向火乞児
〔開天遺事〕
「カウクワキツジ」
【勢利に走る小人を誚ソシる。】
同悪相助
〔史,呉王濞傳〕
「ドウアクアヒタスク」
【悪人も悪事を成し遂ぐる為には,互ひに助け合ふをいふ。】
同帰而殊塗
〔易,繋辞〕
「ドウキニシテシユト」
【天下の理,帰する所は同じけれども,其の道は異なるをいふ。】
同業相仇
〔素書〕
「ヅウゲフアヒアダス」
【同じ業をなし者は,互に相敵視す。俗にいふ商売がたき。】
同工異曲
〔韓愈,進学解〕
「ドウコウイキヨク」
【楽工は類を同じくして,其の調子を異にす。以て同等の文才ある作家も,體によりて,其の文章に異彩を放つに喩ふ。】
同舟相救
〔孫子,九地〕
「ドウシウアヒスクフ」
【利害を同じくする者は知ると知らざるとの別なく,期せずして互に相救ふ。】
同而不和
〔論,子路〕
「ドウジテワセズ」
【表面は阿比して心を同じくする如く見ゆれども,内心はうちとけざる義。】
同声異俗
〔荀,勧楽〕
「ドウセイイゾク」
【人の性は本来同じけれども,習慣によりて風俗を異にするに至る。】
同明相照
〔史,白夷傳〕
「ドウメイハアヒテラス」
【物は類を以て相従ふをいふ。】
名花十二客
〔-〕
「メイクワジフニカク」
【牡丹(貴客)梅(清客)菊(壽客)瑞香(佳客)丁香(素客)蘭(幽客)蓮(静客)茶蘼(雅客)桂(仙客)薔薇(野客)茉莉(遠客)芍薬(近客)の称。宋の張景修に始まる。貴一に賞に作る。】
名物
〔周禮,大司徒〕
「メイブツ」
【土地にある物と其の名と。】
名詮自性
〔唯識論〕
「ミャウセンジシャウ」
【名は其のものの性をいひあらわす義。】
名者実之賓
〔荘,逍遥遊〕
「ナハジツノヒン」
【名誉は実際の徳ありて,はじめて来るををいふ。】
君子避三端
〔韓詩外傳〕
「クンシサンタンヲサク」
【君子は人と争はず,以て身を全うするをいふ。】
君子之徳風
〔論,顔淵〕
「クンシノトクハカゼ」
【上たる人の徳は風の如く,下たる者皆其の風化を受くるをいふ。】
君子之交淡若水
〔荘,山木〕
「クンシノマジハリハアハクシテミズノゴトシ」
【君子の交は淡泊なること水の如くにして永久変らざる義。】
君子不愧干屋漏
〔詩,大雅,抑〕
「クンシハヲクロウニハヂズ」
【君子は人に見ざる堂奥に在りても,恥づることを為さず。】
君子労心小人労力
〔左,襄,九〕
「クンシハココロヲラウシセウジンハチカラヲラウス」
【治者と被治者とは其の労する所を異にするをいふ。】
君子成人美
〔論,顔淵〕
「クンシハヒトノビヲナス」
【君子は人を誘い勧めて,其の善事を成就せしむ。】
君子交絶不出悪声
〔史,楽毅傳〕
「クンシハマジハリタユルモアクセイヲイダサズ」
【君子絶交せし後にも,其の人の悪口をいはず。】
君子憂道不憂貧
〔論,衝霊公〕
「クンシハミチヲウレヘテヒンヲウレヘズ」
【君子は道に違ふことを憂ふるも,貧乏は憂へず。】
君射則臣決
〔荀子〕
「キミイレバシンケツス」
【上の好む所は下必ず倣ふをいふ。】
君以民為體
〔禮,緇衣〕
「キミハタミヲモツテタイトナス」
【君は人民の力を須って国を成す,故に體といふ。】
呉越之思
〔-〕
「ゴエツノオモヒ」
【戦国の時,呉王夫差と,越王句踐と久しく闘争せし故事によりて,互いに敵意を懐く義とす。】
吹肚魚
〔本草綱目〕
「スヰトギヨ」
【河豚フグの異名。】
呦呦
〔詩,小雅〕
「イウイウ」
【鹿の鳴くこゑ。「――鹿鳴,食野之苹」】
【詩経・小雅二・鹿鳴】
以和致和
〔漢書〕
「ワヲモチテワヲイタス」
【国民のやわらげる心によりて,自然に豊年などの幸福を招く。】
和気致祥
〔漢書,劉向傳〕
「ワキシヤウヲイタス」
【陰陽相和げば,其の気自ら瑞祥を出す。】
和光同塵
〔老子〕
「ワクワウドウジン」
【智恵の光りを深く隠して顕さざるを和光といひ,世の塵俗の中に混じているを同塵といふ。】
和而不同
〔論,子路〕
「ワシテドウセズ」
【人とやわらげどもおもねりて従ふことなし。】
和如瑟琴
〔詩,小雅〕
「ワスルコトシツキンノゴトシ」
【夫婦の仲よきをいふ。】
周燕
〔爾雅〕
「シウエン」
【ほととぎすの異名。】=杜鵑,不如帰
命縁義軽
〔後漢書,朱穆傳〕
「メイハギニヨリテカルシ」
【生命は至りて重けれども,義の為にはすてて顧みず。】
命長辱多
〔徒然草〕
「イノチナガケラバハヂオホシ」
【長生きすれば,はぢをうくることも多しとの義。】「多男子則多畏,富則多事,壽則多辱,是三者非所以養徳也」〔荘子〕に本づく。
哀糸豪竹
〔杜甫詩〕
「アイシガウチク」
【管弦の声の悲壮にして人を感動するをいふ。】
哀悼
〔蔡邕文〕
「アイタウ」
【かなしみいたむ。】「永懐哀悼」=悲悼,哀借,哀痛,哀傷
咬菜
〔呂氏師友雑誌〕
「カウサイ」
【野菜を食ふ。粗食する義。】
商羊鼓舞
〔家語,弁政〕
「シヤウヤウコブス」
【大雨水災のまへじらせ。】
好問則悠
〔書,仲虺之誥〕
「トヒヲコノメバユタカナリ」
【知らざることを人に問ふことを好めば,心広くゆたかなり。】
喜字齢
國
「キジノヨワヒ」
【七十七歳をいふ。喜の字の草書が七十七と読よまるによる。=喜壽】
喬松の壽
〔戦国秦策〕
「ケウシヨウニジユ」
【喬は王子喬、松は赤松子、共に長壽の仙人、よりて長壽の義にいふ。】
責善朋友之道也
〔孟,離婁〕
「ゼンヲセムルハホウイウノミチナリ」
【互に善事を責め勧むるは友人の道なり。】
作善降之百祥
〔書,伊訓〕
「ゼンヲナスコレニヒヤクシヨウヲクダス」
【人一善を作せば,天は之れに多くの幸福を賜ふ。】
善行無轍迹
〔老子〕
「ゼンカウハテツセキナシ」
【轍は,車輪のあと,迹は足あと,真の善行は,人に目立つことなきに喩ふ。】
善言煖於布帛
〔荀,榮辱〕
「ゼンゲンハフハクヨリモアタタカナリ」
【善言を人に與ふるは,布帛を被らしむるよりも暖かなり。】
善敗由己
〔左,僖,二十〕
「ゼンハイオノレニヨル」
【事の成敗は我おこなひの善悪によりて分かる。】
善以為寶
〔大学〕
「ゼンモッテタカラトナス」
【金玉を寶とせずして,善人を寶とす。】
器二不匱
〔左,哀六〕
「キニナレバトボシカラズ」
【同じ器を二つ備ふるときは,用ふるに,不自由なし。】
四維
〔菅,牧民〕
「シヰ」
【国家を維持するに必要なる四つのおほづな,禮・義・廉・恥の称。菅,牧民「四維不張,國逎滅亡」】
四友
〔-〕
「シイウ」
【雪中に咲く四種の花卉,玉梅・蝋梅ラフバイ・水仙・山茶花ツバキ】
四海兄弟
〔論語,顔淵〕
「シカイケイテイ」
【互いに道を以って交われば、天下の人は皆兄弟の如しという義】
四海波静
〔楊萬里文〕
「シカイナミシズカ」
【天下泰平の象】
四患
〔法苑珠林〕
「シカン」
【生、老、病、死】人生の四つのうれへ
四器
〔-〕
「シキ」
【規(ぶんまわし,圓を作る器)矩(さしがね,方を作る器)準(みづもり,平を作る器)縄(すみなわ,直を作る器)】
四君子
〔〕
「シクンシ」
【蘭、菊、梅、竹】を気高き君子に喩えていう
四計
〔月令廣義〕
「シケイ」
【一日之計、一年之計、一生之計(一身之計)、一家之計】
四行
〔-〕
「シコウ」
【人の行うべき四つの道】孝、悌、忠、信
【女の四つの行い】婦徳、婦言、婦容、婦功〔曹大家・女誡〕
四書
〔-〕
「シシヨ」
【大學・中庸・論語・孟子。宋の程顥・程頤二子に始まる。=四子書】
四書五經
「シショゴキョウ」
論語、中庸、大學、孟子
易経、書経、詩経、春秋、禮記
四時之序成功者去
〔史,范雎・祭澤傅〕
「シジノジヨコウヲナスモノハサル」
【人の功成り名遂ぐれば,退くべきに喩ふ。】
四大奇書
〔-〕
「シダイキシヨ」
【明代小説の奇書四種。水滸伝・三国演義・西遊記・金瓶梅】
四通五達
〔史記,酈食其傳〕
「シツウゴタツ」
【四方へ往来すべき便利善き地】
四通八達
〔子華子,問黨〕
「シツウハッタツ」
【道の四方八方に通ずる便利の地】
四百四病
〔千金方〕
「シヒヤクシビヤウ」
【四百四種のやまひ。五臓に各八十一の病ありとし、四百五より死を除きし数。】
四不殺
〔崔瑗,座右銘〕
「シフサツ」
【修身治国の上に於ける四っの不殺。「無以嗜慾殺身,無以貨財殺身,無以政事殺民,無以学術殺天下」】
四宝
〔明一統志〕
「シホウ」
【筆・墨・紙・硯】
四面楚歌
〔史記,項羽紀〕
「シメンソカ」
【四方皆敵に囲まれたるをいう。】
史記,項羽紀「項王軍壁垓下兵少食盡,漢軍及諸侯兵,圍之數重,夜聞漢軍四面皆楚歌,項王乃大驚曰,漢皆己得楚乎,之何楚人多也」
明四目達四聰
〔書,舜典〕
「シモクヲアキラカニシシソウヲタッス」
【広く事物を見聞する義】
四禮
〔文中子〕
「シレイ」
【冠(元服)、婚、喪、祭の四大禮】
四霊
〔禮記,禮運〕
「シレイ」
四つの神霊なる動物
【麟、鳳、亀、龍】
因應
〔史,老子傳贊〕
「インオウ」
私意を用ひずして,自然のままにまかせる。
因明
〔大論〕
「インミャウ」
五明の一,印度に起りし論理学,宗(斷案)因(小前提)喩(大前提)の三支作法によりて事物を究む。
回雪袖
〔曹植,洛神賦〕
「クワイセツシウ」
舞容の軽妙なる形容。
回祿
〔左,昭十八〕
「クワイロク」
火の神。転じて,火災の義。
困獣猶鬭
〔左,定,四〕
「コンスレバジウナホタタカフ」
くるしむときはけものすら戦ふ。困獣は二字熟語としても讀む。
左,定,四「ーー,況國和乎,只無隆意」=窮鼠齧猫。
困敦
〔爾雅〕
「コントン」
十二支の子の異名。
圀
〔〕
「」
國(口部八畫)の古字,唐の則天武后の作。
圃翁
〔類苑〕
「ホヲウ」
はたけつくりのおやぢ。「一一,倚鋤睥睍」=老圃
圊溷
〔蜀志,注〕
「セイコン」
かはや,雪隱。=圊厠・厠所。
圓影
〔曹植詩〕
「エンエイ」
月の異名。
圓孔方木
〔傅燈録〕
「エンコウホウボク」
相合わざる貌=圓鑿方枘
圓鑿方枘
〔史,孟軻傅〕
「エンサクハイゼイ」
まりき穴に入るるに四角なる栓を以てす,相合わざるにいふ。
圓通居士
〔清異録〕
「エンツウコジ」
竹の異名
*
圓頭方足
〔淮南,人間〕
「エントウハウサク」
まろきあたま,四角なるあし。人間をいふ。=方趾圓顱
圓木警枕
〔范太史集〕
「エンボクケイチン」
宋の司馬光,まろき木にて枕を作り,少しく眠れば枕まろびて覚め,起きて書を讀む[范太史集]転じて苦学の義とす。
園蔬
〔後漢書,呉祐傅〕
「エンソ」
はたけのやさい。
後漢書,呉祐傅「自免帰家、不復仕躬灌、ーー以經書教授」=園菜
土宜
〔左,文,六〕
「ドギ」
その土地に宜しき農作物。
左,文,六「無使失其ーー」
土化
〔周禮,地官〕
「ドクワ」
農作する。
左,文,六「草人掌ーー之法」
土毛
〔周左,昭,七〕
「ドマウ」
土地に生ずる穀菜草木。
周左,昭,七「食土之毛誰非君臣」
圭璋
〔詩經〕
「ケイシャウ」
禮式の時に用ふる飾りの貴きたま。轉じて人品の高きに喩ふ。
詩經「如圭如璋」
圭田
〔孟,滕文公〕
「ケイデン」
圭は潔、其の収穫を以て祭りに奉ずる田。
孟,滕文公「卿以下必有ーー、ーー五十畝」
圭復
〔論,公冶長〕
「ケイフク」
人より寄せ来りたる手紙を再三くりかへして讀む義。
論,公冶長「南容三復白圭」注「白圭之玷、尚可磨也、斯言之玷、不可為す也」とあるに本づく。
在三之義
〔晉語〕
「ザイサンノギ」
人は君・父・師の三者によりて生ずるものなれば、其の身の在る所にて死を致すべき義あるをいふ。
晉語「欒共子曰、民生於三、事之如一、父生之、師教之、君食之。非父不生、非食不長、非教不知。生之族也、故一事之、唯其所在則致死焉、報生以死、報賜以力、人之道也」
桓温文「秉心矯跡、以敦在三之節」
在昔
〔詩,商頌〕
「ケイフク」
いにしへ、むかし。
詩,商頌「自古ーー、先民有作」=往昔
在野
〔孟,萬章〕
「ザイヤ」
官に仕へざるもの、野は朝の對。
孟,萬章「ーー曰草莽之臣」
易地皆然
〔孟,離婁〕
「チヲカフレバミナシカリ」
人其の地位を替ふれば皆同じ行をなす。
孟,離婁「禹・禝・顔子、易地則皆然」
落地
〔陶潜詩〕
「チニオツ」
人の初めて世に生れ出る儀。
陶潜詩「ーー為兄弟何必骨肉親」
地望
〔北夢瑣言〕
「チバウ」
よきいへがら。門地人望。
北夢瑣言「郎君籍如是ーー作如是行止」
坎井之蛙
〔荀子〕
「カンセイノア」
おちくぼみし井中に住める蛙、人の聞見の狭きに喩ふ。
荀子「ーー、不可與語東海之楽」=井底之蛙。
均霑
〔ーー〕
「キンテン」
ひとしくうるほふ。生物がひとしく雨露の惠にうるほふ如く、各国各人同等の利益を得る義。
坐不睡堂
〔司馬相如、諫獵疎〕
「ザスルニザウニスイヰセズ」
堂の端に坐するは危険なれば、坐せず、危うきに近よらざる義。
司馬相如、諫獵疎「鄙諺云、家纍千金、ーー」
坊店
〔陸游詩〕
「バウテン」
みせ。
陸游詩「近村ーー賣新醅 」醅はもろみざけ。
坩堝
〔*〕
「カンクワ、ルツボ」
金銀を溶かすに用ふる土製のつぼ。
坤輿
〔易經〕
「コンヨ」
地をいふ。輿は車の物を乗せる所。故に地に比す。
易經「坤爲大輿」=坤儀・地輿。
垂拱
〔*、*〕
「スヰキヨウ」
○衣を垂れ手をこまぬき何事をもせざる義。
書、武成「惇信明義、崇徳報功、ーー而天下治」
○衣を垂れ手をこまぬく敬禮。
禮、玉藻「凡侍於君ーー」
坦懷
〔宋書、張永傳〕
「タンクワイ」
ひろく平らかなる心。
宋書、張永傳「虚心ーー」
堯鼓舜木
〔舊唐書、褚亮傳〕
「ゲウコシュンボク」
堯は朝廷に鼓を置きて君を諫んとする者にこれを打たしめ、舜は木を立ててこれに戒めの語を書かしむ。堯舜二帝がよく人の善言を容れたることをほめし語。
舊唐書、褚亮傳「堯鼓納諫,舜木求箴」
堯齢
〔*、*〕
「ゲウレイ」
堯帝のよはひ、天子の長壽にいふ。
晏殊詩「金爐煖龍香遠、共祝ーー萬萬」
柳永詩「祝ーー北極齊尊、南山共久」=聖壽。
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