"菜翁が旨"さんのほほ~ぇむ健康ペ~ジ

小学生と一緒に注連縄の手作りに挑戦。半紙で御幣も切って…

小学生と一緒に作った注連縄

昨夜は クリスマス・イヴ
もらったプレゼントの話で賑やかな小学生達と一緒に
冬休み恒例の老人会・子供会の注連縄作りに挑戦。

講師は老人会の会長さん
めいめいが持参するものは
『はさみ』、『のり』、『ペンチ』の三種類。

H201224注連縄材料

会長さんや老人会のみんなで揃えた材料は
(1)稲刈りの時に細かく砕かず残した『稲わら』

F210903お米も黄金色
黄金色の稲穂

日記を読む
黄金色の稲穂の収穫を終えて乾燥中の稲藁。

(2)稲刈りの時に採っておいた穂先『稲穂』
(3)お宮の裏手など、あちこち山すそを探して揃えた
   『ウラジロ』(多年草のシダ)
(4)会長さん宅などが栽培している木にたくさん実をつけていた『ミカン』
(5)ホームセンターなどで買った『細い針金』、
   『半紙』、『紫の短冊』、『紅白の水引』
稲藁は、会長さんが、きれいにそいで、『めがね』用に縄になってくれている。
老人会の会員も手分けして注連縄用の縄をなって持参する。

よ~い、さあ、始めるよ。ど~ん。
★二本の縄でめがねを作って、
★めがねの上部と下部の二箇所を『針金』で固く止める。
★その上に、『紫の短冊』を針金を隠すように巻いて
 『糊』で止める。
★めがねの下部のわらをきれいにそろえて、ハサミで切る。
★なわの部分のヒゲをはさみで綺麗に切り取る。
★注連縄の穂先に、『稲穂』を2,3本挟み込む。
★半紙を折って、ハサミで切って『御幣』を作る。
★『ウラジロ』、『御幣』、『ミカン』の順にめがねに
 『水引』で結わえ付ける。
★『ウラジロ』はその名のとおり、裏の白いほうを
 表になるように取りつける。
●形を整えて、完成だ。

さ、自分の作品を持って記念写真をとろう。
F211229みんな出来たよ

小学生と一緒に作った注連縄・めがね
F211229注連縄完成注連縄

お店で売っている見事な注連縄には程遠いシロモノだが
自分で作った注連縄は、一味違う。
み~んな、嬉しそうに、
『われながらよく出来ている』と自画自賛。

後片付けして、ミカンを呼ばれて、家に帰って
子供達は、作った注連縄で自分ンちの玄関を飾って、お年玉を待つのだろうか。

家庭円満・家内安全・無病息災

※   ※   ※   ※   ※

アシスタントのわれわれは、みんなでもう一つの注連縄『ごぼう』に挑戦。
七五三縄とも言うとおり、真ん中は七連、その両側は五連、両端は三連が本当なのだろうが、上げ底よろしく、真ん中にはわらそぶを入れてふくらみを作った。
ふっくらとしたふくらみを作るのが、難しかった。


H191225注連縄ごぼう
あとでアシスタント連中で作った注連縄・ごぼう


※   ※   ※   ※   ※

稲わらを、そいでほぐして
槌で打って、縄になって・・・
ここまでの作業は、小学生にはちょっと難しいので
毎年、あらかじめ準備することになっている。

昔とった杵柄・・・
いやいや、それがなかなか難しい
おいおい、それは反対、右巻きになってるぞ
縄は左巻きになわないと・・・
三本目の縄を、上手く二本の縄目にはめ込みながら・・・

次は右巻きをもう一本。
これで、一組の注連縄ができるのだ。

いやはや、とんだ先人たちばかりである。

なんせ、子供の頃以来、縄なんて素手でなうことはなくなっている。

足踏みのミシンが出回り始めた頃、同じように足で踏んで縄をなう機械が出回り始めたので、それ以来、手でな縄をなうことはなくなっている。

それにさらに、手のひらが滑って藁が動いてくれない。

普通、手に唾を吐きかけるのだが、間に合わない。

洗面器に水を汲んで、手を適度に濡らしながら、縄をなってゆく。

なんとか藁を捻っても、捻れた束をよじるときに親指が邪魔になって、束がよじれてくれない。

縄は藁を捻った二本の束ではなくて、三本の束をよって一本の縄になうのである。

それでもなんとか、必要数は確保した。

上手く出来たら、次は右巻きをもう一本。

右巻きと左巻きのペアで一組の注連縄を作る。

縄をうまくなえない人は、左右の区別無く、出来たもので注連縄を作ることになる。

それでも。福の神様は見逃して下さると信じるしかない。

※   ※   ※

あとは、子供達が当日めがねに組み立てて、
針金で固定してその上から紺紙で包んで糊付けして
水引でみかんを結わえて
御幣とウラジロで飾って、完成!

と、言う段取り。

※   ※   ※   ※   ※

注連縄に使う稲藁は、稲刈りの時に、昔のように"稲刈り鎌"で刈り取る。

"稲刈り鎌"は"のこぎり歯"であり、

"のこぎり歯"にもいろいろあるが、

"稲刈り用"の鎌を特に"稲刈り鎌"と呼んでいる。


そして、鎌で刈り取った稲は、

手作業でコンバインにかけて もみ を落として、

田圃 たんぼ あぜ で数週間、天日で完全に乾燥させる。


そして"押し切り"で藁の株を切りそろえる。

"押し切り"というのは、昔、

牛や馬の餌にする 稲藁 いなわら を切るために使っていた道具であり、

農家の必需品であった。

これが、乾燥後にその"押し切り"で、鎌で刈り取った株元を綺麗に切りそろえた 稲藁 いなわら の一束である。

これを、一本一本、藁のすそのほうの"藁そぶ"をそいで、茎をしっかりと出す。

注連縄用稲藁の束1

右が、"藁そぶ"をそいだ後の 稲藁 いなわら の束である。
左がそぎ落とした"藁そぶ"である。
これも捨てずに、"ごぼう"注連縄を作るとき、なかに詰めて柔らかい膨らみをだすのに使う。
注連縄用そいだ稲藁2

さて、藁をそいだあとの藁のすその茎の長さを選別して、そろえる。
こうすると、見栄えの良い注連縄ができる。
真ん中と右が、選別して茎の長さの揃ったもので、左が選別後の残りであある。
注連縄用選別後の稲藁3


めがね注連縄を作るためには、選別した藁の中間で"縄をなう"わけであるが、

このままでは、藁が硬すぎてそして乾燥しすぎて、切れてしまうので縄はなえない。

そこで、軽く水で湿らせて暫らく置いてから、軽く槌で打つ。

ここでは、湿らせ加減と、槌の打ち加減が重要なポイントである。

藁を打って手で縄を綯った事のある人なら、簡単なことであるが…

これが、杭打ち用の槌より、一回りか二回り小さい槌である。

杭打ち用の槌でも、手加減すれば充分に用を足せるが、

この槌なら、子供でも使えるところがミソである。
注連縄槌4

さて、どんな注連縄が出来る事やら、また、後日、と言うことで・・・

とりあえず、注連縄の形を作ってみた。

まことに、愉快で愛嬌がある注連縄になりそうだよねぇ。

F211229注連縄の準備


最近は、ウラジロも近くにないので、沢山そろえるのもなかなか大変です。

余ったウラジロは、鏡餅の飾りの使います。

縄を上手になえる人もだんだん居なくなりそうで、

伝統の技もだんだん廃れていきそうですね。


※   ※   ※   ※   ※

注連縄は「災いの神」が入って来ないように張るものだそうですが、それでは「福の神」も入って来れないのでは?
と、チョット心配になります。

神話によれば、「天照大神」が、お隠れになっていた天の岩戸から迎えだされた後、再びお隠れにならないようにと、岩戸の入り口に張られたのが注連縄のはじまりらしい。

天の岩戸の場合はさておき、我が家に入り口に注連縄を張るのはよいけれども、おいでになった福の神さまが、入れなかったらどうするのだろうか?

だから締め出されるのは、「疫病神」だけとは限らないのかな、と心配ですねぇ。(笑)

確かに、お金を出して買えば、形のいいものを沢山の中から選べますが、「偽」の多い昨今、自分で作った注連縄は「福の神」だけしか入れないように作っているので、安心です。

正月三が日は、『ほうき』を使わない風習が、昔、あったらしい。

『福の神』を掃き出したり閉じ込めたりしないように、という配慮だそうだ。

今は『電気掃除機』だから、掃きだす心配はなさそうだが、吸い込んでしまったらどうなるのだろうか?

やはり、正月三が日は、掃除機も使わないのがよさそうである。


『掃除機に 福を閉じ込め 初詣』
          と洒落るのはよしましょう。


自分で作った注連縄を飾って、書初めや去年のお守り札などと一緒にトンドで燃やすひとときは、日本人の原点に帰れたような気分に浸ることが出来るひとときである。

※   ※   ※   ※   ※

『狛犬の あいだを縫って 初詣

     願うは毎年 家内安全 無病息災』

                ― 菜翁が旨さん ―


神社の入り口には、狛犬があり、寺の山門には仁王さまが立っている。

その、どちらも、一方は口をあけ、片方は口を結んでいる。

『阿(あ)』と『吽(ん)』である。

サンスクリット語で、『阿(あ)』は一切の始まり、最初の詞の意で、呼吸でいえば、吐く息に相当する。

口をむすんだ『吽(ん)』は、一切の終わり、最後の詞、吐く息の意である。

良くも悪しくも、人間はこの『阿』と『吽』の間で暮らしている。

『阿』は命の始まり、『吽』は命の終わりとも解せる。


※   ※   ※   ※   ※

  『金へんに  ほこ を並べて  ぜに と読む

          字をみて悟れ 今の世の中』

                       ― 一休禅師 ―

2007年の書初め

  『金へんに 聖徳太子と 書添えて

            枕に敷いて 初夢を待つ』

                       ― たいぞ~さん ―


黄金色の稲穂が生んだ自給自足の味わいのある田舎の生活の一端である。


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