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2011.05.18
カテゴリ： 読書／小説
ひときわ妖しく鮮烈な光芒を曳いて、
その夏、札幌医大病院の暗い病室に、31歳の生涯を閉じた。
没後20余年、当時、同じ大学の医学生であった渡辺淳一は、
後、直木賞を受賞し、現代のロマンを語る作家として不動の地位を確立した。
本書は、著者が年来のテーマに、数年の歳月と情熱を注いだ中城ふみ子の伝記的小説である。
北国の野に、街に、そして死の迫る癌病棟に、美貌と天才に恵まれながら、
短く激しい生命の炎を燃やし尽くし、夭折した女流歌人の奔放華麗な愛の遍歴と、
死に至るドラマが展開する…。
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再読です。
えー、ワタクシが読んだのは角川文庫版なのですが、画像がないので、
昨年新しく出版された集英社文庫版のリンクを貼っておきます。
さて、本書は、乳癌に冒され、両方の乳房を失くしつつ、
女として情熱的に生き、数々の歌を読んだ歌人・中城ふみ子の生涯を描いています。
結婚、離婚、数々の恋、そして闘病と、過酷な運命にさらされながらも、
死ぬ間際まで歌を詠んだふみ子。
31歳という短い生涯ながら、
しかし、歌の世界でスポットライトを浴びることが出来たというのは、
自分が生きた証を残せたのですから…。
でもやっぱり、31歳の死は早すぎます。
もう少し早く手術を決心していたら…と悔やまれますね。。
まあ昭和20年代の頃は、現代のように、
一般の人は癌に対する知識というのがほとんどなかったようですから、
乳房を切り取ると聞いただけで怖かったのでしょうね…。
女王のように振る舞い、最期まで恋を捨てなかったふみ子。
「冬の花火」というタイトルの意味がわかった時、
なんだか少し切なかったです
本書には、ふみ子の詠んだ歌もたくさん載っていますが、
歌の良し悪しというのは、ワタクシにはサッパリ…
ところで、作者の渡辺淳一さんは、
ふみ子が札幌医大病院で亡くなった時、その大学の1年生だったそうです。
うわー、そういう接点があったとはオドロキ！
渡辺さんは、当時はふみ子のことを知らなかったようですが、
こんな形で接点が繋がり合うとは、なんかスゴイですよね
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