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隠れた名館、秘宝館
暇の中にある、激動
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題名 【暇の中にある、激動】Ver1.3 作者 竹王
彼女は暇だった。
毎日、特に変わった事がある訳でもない。昔は仕事の忙しさで目が回りそう
だった。だが今では仕事にも慣れ、暇を弄ぶ時間が多くなった。
「あの~、ハンター登録ってここで良いのでしょうか?」
気弱そうな声が聞こえる。ああ、またか、と彼女は思った。
「そうですよ。ではここに名前と使用している武器と防具の記入をお願いしま
す」
精一杯の営業スマイルを振りまく。営業スマイルと判っていても、その美し
さに引き寄せられる狩人もいる程、彼女は美しかった。
目はくっきりとしている。髪は短くまとめて、目を引く赤色が印象的だ。彼
女はギルドの受付嬢に支給されるメイド服を着ていた。
そして彼女がいるギルドでは、いつもと変わらぬ毎日と、いつもと同じ光景
が無情にも繰り返されていた。
「っと! はい、書き終わりましたよ」
いつもと同じように紙を受け取る。その紙に判を押し、台帳に書き写せばこ
の仕事も終わる。そうすればまた暇を弄ばないといけない。
手渡された紙をじっくりと眺める。
(名前は“クール” 出身地はココット!?)
「ええと? ココットの人?」
ココット……懐かしい言葉。遠い昔に聞いた言葉。彼女にとってはとても温
かく、ひどく冷たい言葉
「あ、はい!! ぼくの兄がこの街に来たって言うんで捜しに来たんです!」
底抜けに明るい口調で彼は答えた。その明るさがあの人のように見える。
「では、この登録証を持ってギルドマスターに判を押して貰って下さい。そこ
の隅に座っているのがギルドマスターです」
わかりました、といって彼はギルドマスターのところまで走っていった。そ
のあどけなさが、やはりあの人と重なって見える。
彼女はナナ。荒くれ者の狩人達を纏め上げる、ギルドの受付嬢だ。彼女は新
参で横にはベテランのベッキーがいた。ベテランと言っても、二十代前半の若
娘なのだが……
「あの日もこんな感じだったっけ」
珍しく、過去を思い出しながらナナは彼を思い出していた。
「あの~、すいません。ギルドって何処にあるのか知っていますか?」
誰かが急に声をかける。ナナは声の主の的外れな質問に驚いた。
「え!? どこって? 目の前にあるのが、そのギルドよ!!」
ギルドの前でギルドを探しているこいつは、どうにも要領の悪い子供だっ
た。
(なんなのよこの子)
「ありがとうございます。じゃあ、いってきまーす」
(あ、そうだ。今日から森と丘で仕事だったんだ……ギルドマスター誰かつい
て来るって言っていたけど……)
アプトノスと呼ばれる、温厚な草食竜が車を引いてやって来た。何所でもな
い森と丘に。
一足先に森と丘に来ていた彼にも、アプトノスが車を引くときに出る独特の
摩擦音が届いた。
「あ、来た! ああ、緊張する。西の戦女神ってどんな人なんだろ? やっぱ
り怖い人なのかな……いやだな~」
森と丘に先に到着していた彼は呟いた。
もし第三者がいれば彼が此処にいるのは場違いに見えるだろう。まだ、十二
歳くらいの子供が大人の背丈もある巨大な剣を持ち、凶暴な生物達の巡回地に
もなっている森と丘にいるのは、どう見ても場違いだった。
そうしている間にも、車の車輪が地面と擦れた時に出す、独特の音は大きく
なっていた。
そして、ついに車が彼の目の前にまで来た。
車から出てきた女の人は、彼にギルドの場所を教えた人だった。
「え!? もしかしてついて来るのってあんたなの!?」
「え!? それじゃ、あなたが僕の師匠さんなんですか!?」
二人とも、同じように驚いた。そして片方は衝撃的発言を繰り出した。
「よかった~、通り名が『西の戦女神』って言うんだから、もっと怖い人かと
思ってましたよ」
屈託の無い笑顔を見せながら彼はナナに喋りだした。
「えっと僕はエルクって言います。ココットから来ました。村長に鍛えられた
ので、足手まといにはならないと思います!!」
彼はナナに話す暇を与えようとはしない。
「いつも使っているのは大剣で、好きな女の子のタイプは……」
「ちょっとまって!! さっきあんたなんて言ったの?」
エルクはしばし考え、どれの事を聞いているのか悩んだ。悩んだが見つけら
れなかった。
「あの~、どのことですか?」
「師匠がどうの、こうのって言っていたでしょう?」
「あ! それですか、実はギルドマスターさんが単独で狩りをするのは危険
だ。だから、今回の狩りに同行する西の戦女神に師匠になって貰え。って」
(ギルドマスターの命令か……)
「では、よろしくお願いしま~す」
その日は案の定、特に問題も起きなかった。ってか、王国の大臣とかなんと
かいう人の、パーティーの護衛で。実地予定日の前に、周辺に生息している肉
食竜がほぼ全部、逃げ出したからだけど……
「明日からもよろしくお願いしま~す」
「明日からも、ってあんた本当に弟子になるつもりなの?」
明らかに嫌味をこめたのだが、彼は気がつかなかった。
「はい! これからもどうか宜しくお願いします!!」
(あらら、この子ほんとに弟子になるつもりだ……まあ、嫌いじゃないし良い
かも)
そんなことを考えながら、ナナはこの短時間の間にエルクに心を開いていた
のに気付いた。それはハンターになってからずっと一人だけで狩りをしてい
た、ナナにとっての激動とも言うべき変化だった。
上章 完
中章
ナナとエルクが出会ったあの日から、数ヶ月が過ぎた。二人は師弟ではなく
仲の良い狩人に変わったように他の狩人には見えた。
「エルク、今日は何いく?」
まるで仲の良い友のようにナナはエルクに話しかけた。
「え~と、ランポスの狩りに行きますよ。ランポスとかの小型の肉食獣はあん
まりハンターの狩り対象にならないから……」
じゃあ、手続きしてくるね。そんな声が聞こえた。
そこから、ナナの意識はすこし先へ飛んだ。
「いよっと! ここに来るのも久しぶりですね。師匠さん」
森と丘に来て、いつものように明るい声で彼は話した。
「そうだったっけ? あと『師匠さん』って呼ぶのを止めてって言ったでし
ょ?」
「はい。分かりました師匠さん!」
(ああ、ダメだ……止めてくれない)
そんなことを話しているうちに、日は沈み、月が辺りを照らしていた。
「今日はもう暗いですし、明日から討伐を始めますか?」
「ふ~ん? そんな事言っても、どうせ夜中一人で抜け出して、狩りする気な
んでしょ!」
「あ! え~と、あの~その~」
エルクは、図星を指されて、答えに窮していた。
「あ! やっぱりそうだったんでしょ!」
とても死と共に仕事をしている狩人の姿ではなかった。楽しい声が聞こえ、
笑いが見えた。二人はそんな関係だった。死を感じるのではなく、前向きに生
を感じる事が出来る。それが二人の関係だった。
「まあ、狩り相手はランポスだし、急襲でもかけて、パッパッと終わらせまし
ょう」
ランポスは青い鱗、鋭い爪と牙を持ち、集団で狩りをする肉食生物。トカゲ
を大きくしたようなシルエットを持っている。
「そうですね。さっさと終わらせましょう!」
明朗な声を出し、彼は進んでいった。
時が過ぎた。
あれから、数時間も探しているのにランポスは一頭も見つからなかった。
「あちゃー。やっぱり皆、眠っているんですかね?」
落ち込む事無くエルクは話す。
「かもね」
そっけなく返事を伝え、ナナはさっき見つけた大規模な攻撃痕の事を考えて
いた。
(思い過ごしだったら良いんだけど……もしかしたら……)
そんなことを考えながら、彼女は狩りの方法をも思索していた。作戦担当は
彼女なのである。
「あれ? なんだろ、あの音……羽音かな?」
エルクが不意に聞こえた音に反応する。
(羽音? そんなの聞こえる? …………リオレウス……?)
「聞こえませんか? あれ気のせいかな?」
確かに羽音は聞こえた。否、その音は羽音と呼べるような生易しいものでは
なくなっていた。
「エルク、リオレウスよ。気をつけて」
リオレウス、赤銅色の鱗にその大きな体躯。そして飛竜の代名詞に相応しい
翼。それら全てを持ち合わせ火球を放つ、その生き物は現在確認されてい
る生物の中で最強の地位を保っていた。
「へ~、リオレウスですか。珍しいですね、こんな夜更けに……ナナさん?」
なに?、と聞きなおす。
「……ケガ、大丈夫なんですか?」
心配そうにナナを見る
「いや、でもレウスくらいなら大丈夫よ!」
強がりだ、すぐにエルクは分かった。そのまま狩りを続けさせることは出来
なかった。話している間にも彼女は倒れてしまいそうだった。本来なら歩くこ
とすらいけないのだ。
突如、笛の音が辺りに響く。夜の闇の持つ沈黙を突き破る。
「え!? なに吹いたの!?」
「猫笛ですよ。ナナさん、すこし離れていてくださいね」
話すとすぐに、アイルーがやってきた。獣人族と呼ばれる彼らは、その高い
知能を買われてギルドから負傷狩人の援護を任されている。
「ちょっと! 待ってよ! 私が逃げるんだったら、エルクもついてきなさい
よ!」
出来る限り強い口調で彼女は叫んだ。そして、至極当然に、無理矢理大声を
出した身体は意識を失った。
中章完
最終章
「あれから、半年か……長いようで、短かったような気がするな~」
ナナは落ちゆく夕日を見ながらつぶやいた。辺りは赤く夕日の光で染まっ
ている。ギルドでは相変わらず、狩人達が酒を飲んだり、飯を食ったりしてい
た。喧騒に包まれながら木製の机に突っ伏して彼女は待っていた。
「師匠さ~ん!!」
その声が聞こえるのを彼女は待っていた。この半年間ずっと。
「ナナ~、どうしたの? 今日はいつもに増して元気がないね?」
ナナに友達が声をかけた。ドリスという子だ。
気のせいか今日もいつもと同じように暗いな、とドリスは感じた。でもすぐ
思い出した、ナナは最近ずっと暗いのだ。
「そんなこと無いわよ……」
口調にも気分の暗さが漏れ出している。
「ふ~ん、なら良いんだけど……また、エルク君の事を思い出していた。って
思ったから」
「そんなのどうでも良いでしょ、エルクなんか……」
「そんなこと言って~、私にはちゃんと分かっているんだから」
こうやって、ドリスは励ましているつもりなのだ。しかしナナは一向に元気
になる気配が無い。それどころか少し嫌がっている。
「もういいでしょ。あんまり茶化さないでよ」
(こいつは、こうやって私をからかうのが趣味なんだ……)
そこまで言いかけてナナは喋るのを止めた。視線は一点に向けられていた。
「師匠さん! いや~遅れてすいません!」
「遅いわよ! まったくレウス討伐に何年かかっているのよ」
「何年もかかっていませんよ、たった半年じゃないですか」
いつもの様に二人は楽しげに言葉を交わした。エルクは半年前に東方のレウ
ス討伐の討伐メンバーに選ばれていた。
「なんであんたが選ばれて、私が討伐隊に選ばれなかったのよ」
酷く当たる相手を間違えながら、ナナはエルクと話し始めた。三年前に、エ
ルクがナナを助けた時からは一年以上も経っている。彼女はあのレウス戦の
後、静養も兼ねてギルドの受付嬢になった。エルクが倒したレウスは過去最大
の大きさとかで、国中が大騒ぎしたのは今でも語り草だ、この国の王子はそう
いう事が好きなのだ。
「ところで~、ナナはまだ受付嬢やるの? どうなのよ?」
二人の会話に、急にドリスが水をさした。その顔にはなぜか期待の色がにじ
み出ている。
「もう身体も治ったし、エルクも戻って来たことだから、また狩人になるつも
りだけど。なんで?」
「いや、あのさ……受付嬢の仕事って楽しそうじゃない? 私もやりたいな~
って思っていたのよ」
「ああ、いいぞよ! ナナは堅くていかん! お主のようなキャピキャピの女
性は大歓迎じゃ!!」
突然何所から現れたのか知れないが、ギルドマスターもしゃしゃり出てき
た。
(エロ爺が!! 手前はそれだったら何でも良いんかい!)
ギルドマスターを蹴ろうとするナナを、必死で抑えるエルクを尻目にギルド
マスターは契約を進めていく。
「ここに判を押せば終了じゃぞ!!」
そんな様子を見てナナは怒るどころか、気分が落ち込んで何をする気にもな
れなくなっていた。
「はあ~、なんか嫌になって来るよ……気晴らしに森丘にでも行こうっと」
軽く伸びをしながら呟く。
「あ、じゃあ僕もついて行きますよ。はは、ナナさんと狩り行くのも久しぶり
ですね」
師匠さんから、ナナさんに変わっている事には誰も気付かない。
「そうだね、じゃあ行こうか」
「はい! ナナさん!!」
手馴れた手つきで大剣を持ち上げる。威勢の良い声を出して彼女は歩き出し
た。彼と一緒に。
※
この話しは、彼女が世界にその名『西の戦女神』として広く知られる、ほん
の少し前の話し。この後の話は本人に聞いた方が良いでしょう。
私が伝えるのはここまでです。
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