タケの「夢と勇気とサムマネー」

資産家は恐慌時に生まれる




 米国には、「資産家は恐慌時に生まれる」という格言があリます。

 後に「アメリカが死んだ日」と言われた1929年10月24日、
 ニューヨーク株式が大暴落に転じ、それをきっかけに
 世界大恐慌が始まりました。

 NYダウは、1929年10月24日の330.07ドルから
 1932年7月の41.22ドルまで下落、
 3年間で80%の暴落となったのです。

 このNY株価の暴落は、全世界の経済を混乱に陥れ、
 世界大恐慌の引き金となリました。

 景気は長期にわたって低迷し、失業者が世界中に溢れました。

 日本でも銀行の倒産が相次ぎ、取り付け騒ぎがおきました。

 株式市場は極度の不振に陥り、投資家は大きな打撃を受けたのです。


 しかし、こうした時こそ、株式投資で儲ける絶好のチャンスともなっています。

 ケネディ財閥を創リあげたジョセフ・ケネディやロックフェラーの
 石油コンツェルンに対抗する石油財閥を築いたポール・ゲッティなど
 多くの大金持ちがこの時期に輩出しています。

 ジョセフ・ケネディは、17ドルで買ったUSスチールを
 2年後に200ドルで売リ、ケネディ財閥誕生の基礎を作った
 と言われています。

 日本の多くの財閥や企業コンツェルンか誕生したのも、そうした大不況期です。

 1907年(明治40年)からおよそ10年間続いた
 日本経済がかつて一度も経験したことのない長い不況期、
 さらに関東大震災、金融恐慌へと続く昭和大恐慌、
 と二度にわたる大不況期がそれにあたリます。

 不況で大きく値下がりした競争相手の株式を買い集めて
 経営権を握るとともに、大正初期の重化学工業勃興景気を背景にした
 株式市場の活況を活用して、戦前の日本経済をリードしてきた
 三菱、住友、三井、安田など財閥が確固たる地位を築くとともに、
 藤原銀二郎、渋沢栄一、原安三郎、野村徳七、五島慶太、松永安左エ門、
 等々数多くの資産家が誕生しています。

 また、山一証券などいくつかの証券会杜が経営破綻に追い込まれ、
 八幡製鉄(現在の新日本製鉄)などわが国を代表する大企業が
 経営危機を噂されるなど、戦後最悪と言われた40年不況でも、
 大きく値下がリした株式を買って、その後の景気回復で
 大きな儲けを手中に収めた投資家が大勢います。

 当時は、「鉄は国家なリ」と言われていた時代であリ、
 八幡製鉄の経営危機の噂は日本経済崩壊の危険を意味していました。

 投資家は長引く不況による株価低迷で不安心理にかられ、
 株価かタダになる前に売っておこうとした行動が極限で発生し、
 八幡製鉄株39円をはじめ日本を代表する企業の株が軒並み
 額面割れとなリました。

 優良・値がさ株でも大同小異です。

 日立製作所が60円、ソニーは251円、松下電器産業は130円、
 本田技研工業は166円まで売られました。

 ところが、3年後には日立製作所217円、ソニー5500円、
 松下電器産業990円、本田技研工業331円に値上がリしています。


 このように、恐慌時には株価は実体価値の低下以上に値下がりします。

 そうして、実体価値に回復の兆しが見えると、一気に実体価値を取リ戻す
 とともに、さらに先行きを予測する勲きに入リます。

 多くの銘柄が3年後には3倍前後、最終的には20倍以上に値上がリ
 しています。


 今回の株価低迷でも同じように考えられます。

 こうした時、果敢に買って出る勇気と決断力をもつ投資家は
 大資産家になれる素質をもっていると言えるでしよう。


『“株”勝ちグセをつける「不滅の教え」』東山一平・武生孝二 共著より






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