BLUE HEARTS を聴きながら

ムシ大事件（その１）

シェアメイトとも気が合わず、家ではほとんど自分の部屋にいた。
ここに引っ越すまではルームシェアをしていたから１人部屋の居心地を満喫しようと思い、部屋で英語やダイビングのことを勉強していた。ご飯も食べず１人での時間を過ごしていた。こんなことはオーストラリアにきて初めてだった。

そんな生活でも少しはシェアメイトと会話する。

「このシェアハウスは蚊がよく出るから蚊取り線香を炊いて寝た方がいい！」と貴重なアドバイスをもらった。
たしかに、３日くらい過ごしてみて蚊にさされている。その量は日に日に増えていってる。けっこう地味に悩んでいたオレには朗報だった。

すぐ蚊取り線香を買って来よう！

大量の蚊取り線香をまとめ買いし、

トリプル攻撃だあああ！！

とか言いながら、部屋の３箇所に蚊取り線香を炊いて寝た。オレってやることが極端なんだよね。やるときは徹底的にやるんだ。なので３箇所においた。これで、蚊にさされることはないだろう。カイカイ生活ともおさらばだ！

むせかえるほど煙が部屋に充満していたが、これでパンイチ（パンツ一丁）で眠れる。のどが痛くなるかもしれないとも思ったが、パンイチで寝たかった。エアコンもない部屋でケアンズの夜を過ごすのはかなりの忍耐力が必要なんだ。

その日オレは安心して床についた。

そして朝をむかえた・・・

あれ？

あれれれ・・・？？？

なんでだろ？

前よりも刺されてる・・・。

腰のあたりまで赤くテンテンが・・・。

途中で蚊取り線香が切れたのかな？

とりあえず、かゆさを我慢しながら仕事にむかった。

仕事中も夜の対策を考えていた。
それほど事態は深刻だった。かゆくて、かゆくて、たまらなかった！

今晩は朝までモクモクにしてやる！！

そう思い、蚊取り線香が２本目に点火するよう細工した。
これで間違いなく朝までモクモクだ！！

全滅だ！　この部屋に入ってきた蚊は全滅だ！！

「飛んで毒ガスに入る夏の虫」

ふふふ。

今日こそ完璧にリベンジが果たせると思い床についた。

そして、翌朝・・・

あれれ？

かゆいぞ！

なんじゃこりゃー！！

　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

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