それでも、プロである以上利用者さんがいる時間帯にそういう雰囲気を出すべきではない
と私は思う。思っててもなかなか切り替えられないときもあったりして、内心鬱々としながら
働き始めたりするときもある。
でも、人間相手の仕事って不思議。
そんな気持ちを抱えながらでも利用者さんにかかわっていくうちに
すーっと気持ちが和んでいくのを感じるときが多い。
ある程度会話が可能な方と
「家にいるのとここに来るのとどっちが好きなの?こっち?
そっかー、そう言ってもらえるともっとがんばらなきゃねって思うよ」
なんて会話を交わしたりするとき。
会話ができない方相手でも、話しかけると笑ってくれたり、
抱っこすると緊張を緩めたりしてくれたりするとき。
トゲトゲしていた心が、丸くなっていくのを感じる。
彼らに癒されているんだと思う。
生まれながらに重度の障害を抱えていて、話すことも歩くこともできず
誰かの介助なしには生きられない、重心(重度心身障害者)と呼ばれる人たち。
彼らの存在価値は、そんなところにもあるんだろうな、って思う。
最近、自分がどうしてこの仕事を辞めないのか分かってきた。
不出来な上司に悩まされても、体力勝負の仕事で身体がキツくても、それを補って余りあるものを私はもらっているんだろう。
癒されるだけでなく、私も誰かを癒してあげられる人にならなければ、ね。
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