楽しく走る!

マツダ ユーノスロードスター



私の三台目のクルマです。主な使用目的は通勤ですが
二年前くらいから車内泊で遠乗りに出かけてます。
行った場所は北海道は宗谷岬。青森は竜飛崎。広島はマツダ本社前。
紀伊半島ぐるりと回ったりもしました。



二座席のオープンカーというクルマは使い勝手が悪いですが
走ることに特化しているだけに長距離ドライブも苦ではありません。
・・・っていうかオープンにしていると町乗りも楽しいです。
(黒鉛と騒音を撒き散らすクルマは嫌いになる)
メーカーや社外のアフターパーツも多く
自分の嗜好に合ったパーツチェンジも魅力のひとつです。



このクルマに乗り始めてから五年経ちますが飽きがきませんね。
少しずつクルマの理解を深めているからだと思います。
つるしで乗っているとクルマが古くなってくるのが分って
粗ばかり気になり飽きてしまうと思いますが自分に出来ることを少しずつ増やしていくと
クルマが段々自分に近づいて来て面白くなってきます。
面倒だといえばそれまでですが自分の手足のケアだと思えば面倒だというのは変ですよね?
クルマは所詮、機械です。でも良い機械に育てることが出来るのはオーナーだけなのです。
AT車ならいざ知らずマニュアル車だと使い手によってミッションの良し悪しは出るそうです。
エンジンもそうです。エンジンをオーバーホールするとオーナーの使い方が分るそうです。



このクルマのグレードは標準車です。・・・なんて分り易いグレードなんだろう。
何故このグレードの車を選んだかというと以前乗っていたクルマが私には重すぎたからです。
ちなみに車種はニッサンのシルビア(S14・Ks)でした。
このクルマも良いクルマでしたがランニングコストは安いとは云えなかったです。
ターボで220馬力を発生させるエンジンは躾が良くパワーも充分でした。
でも普段の生活で220馬力は必要有りませんでした。
・・・要らないパワーを持ち合わせていても走るにはガソリンを与えなければなりません。
一回の給油で五千円以上の出費などザラでしたね。
アクセルを踏めば速いですが大きく重いボディを普段の道で振り回すのには抵抗がありました。
極端な言い方をすれば臆病な走りを強いられるのです。
こんな面白くもない走らせ方をするために、このクルマを買ったじゃない!
私の中に矛盾が生じてきました。理想と現実のギャップ。身の程知らずとも云いますね。
それでも借金を返しながら我慢して乗って、ようやく借金の返済を終えて、さあ走るぞー!
・・・っと思った時期にちょっとしたトラブルが生じました。
人様から見れば些細な問題ですが私は選ばねばなりませんでした。
妥協と我慢を再び自分に課すか苦難と自由を選ぶか
・・・要はシルビアを辛抱して使うか
用途に合ったクルマに買い換えて苦楽を共にするか、ということです。
・・・どっちもあんまり芳しくありませんが当時の私は苦楽を選択しました。
今でしたらクルマを降りてバイクに転ぶという裏技(?)もあったなぁ~っと思いますが、
ロードスターに乗り始めるきっかけは私には酸っぱい思い出があります。
・・・とはいえクルマを買うという行為は実に
わくわく しますよね?でも買う車種は絞られていました。
半分は決まっていましたが選択の幅を広げるため、別の車種も検討しました。
まずマツダ・ユーノスロードスター。それとスズキ・カプチーノです。
ロードスターはシルビアを買う頃からのターゲットの一つでしたし
ベストモータリングをいつも買っていた私には、
ものすごいコントロール性を持つクルマという印象がありました。
しかし二人しか乗れないしクルマで寛げないのは
・・・という今考えると実にしょうもない理由でシルビアを選択してました。
カプチーノもロードスターと似た特性を持つクルマでしたが、より軽量コンパクトなクルマ。
ただターボ車の扱い方(アフターアイドリングなど)に辟易していたこともあり
ターボエンジンしかないカプチーノはちょっと・・・。
アフターパーツの数もロードスターの方が多いようでしたので
自分で手を加えやすいと考えまして現在に至ります。
でもカプチーノも良いですよね!
ロードスターではオプション扱いの快適装備(エアコン、オーディオ)も標準でしたし
税金も安い。デザインも完成された美しいものです。
ただエンジンがターボというところからして遊びゴコロに欠けているというもの事実だと思います。
ユーノスロードスターのフロントフェイスは実に間抜けです。
このとぼけさ加減も購入の決め手になりました。
後で知ったのですがロードスターのデザインモチーフは能面だそうです。



話を戻しますが
ロードスターの標準車を選んだ理由の一つに車体が軽くなる、という事実があります。
標準車はパワー(のつく)ステアリング&パワー(のつく)ウィンドウです。
もちろんオーディオレス!至極当然のようにエアコンはオプション!
流石に夏場のことを考えてエアコンは取り付けましたが・・・。
ウィンドウについては完全に機能美追求の結果ですが
アシストレスのステアリング機構はタイヤの接地感がステアリングにダイレクトに伝わり、
とても気分が良いです。
おまけに出力はアップ(パワステに出力が奪われないから)しますし
油圧トラブル(ロードスターは取り付け位置の関係もあり
パワステオイルが吹き出るケースが少ないくない。
よく知っている人はパワステフルードの蓋に軍手を被せておいて
エンジンルームが汚れないようにしている・・・らしい)も無縁です。
最近はブレーキブースターも殺して(エンジンの吸気圧でブレーキの踏力を増す仕組みなので
ブレーキブースターの働きをキャンセルすればエンジンの吸気圧は増し出力も向上する理屈。
レース車両は大概ブースターレス)
をやろうかとも考えています(ちょっと危険)。



ロードスターの素性の良さは
他社がロードスターのパッケージングをコピーすることからみても合理的ようです。
他にも前後重量配分の適正化。四本のタイヤがほぼ均等な荷重を支えているということです。
これは何を意味するかというと荷重の抜き差しが分かり易いということだと思います。
アクセルを踏めばフロントの荷重は抜け、抜けた荷重はリアに加算されます。
この状態でステアリングを回しても思ったほど曲がってくれませんが、
ブレーキをかけた時はアクセルを踏んだ時と真逆な状態になります。
僅かにステアリングを回してもかなりの旋回してくれるはずです。
他のクルマでも同じ事が起こりますが
これら荷重移動が完了するまでに数瞬、待たねばならないと思います。
スポーツカーとセダンなどのクルマとの差はここにあります。
(レーシングカーはスポーツカーよりも鋭敏な操作に応えるように作られていますが
一般道で使用することををオミットした結果なので
一般道向きではないこともあると思われます)
あとロードスターに限った話ではないのですが
2シーターのパッケージングではガソリンタンクの位置を
ホイールベース内に収めることが可能になるので
フルタンクの状態とカラっ欠の状態でもクルマの挙動に顕著な差が出にくいのです。
そういう意味ではセダンがスポーツカーの代用品になっても
スポーツカーとして成立しないということになりますね。
やっぱりスポーツカーというものは特別な存在なのかもしれません。

どです?ロードスターというクルマは実に素晴らしいクルマではありませんか!



・・・好きなクルマのことなので、プラス思考のことばかり書いてしまいました。

弱点というか気になる点も・・・。
  • ボディ剛性が低い。
  • 悪戯にも弱い。

他にも気になる点は有りますが
これ以外の点はロードスターの宿命というか特色そのものなのでマイナス思考で捉えると
ロードスターの存在意義の否定しかねませんので止めときます。
・・・とはいえボディ剛性が低いのも悪戯に弱いのもロードスターの宿命ですね。
なにしろ屋根が在りませんのでタイヤからのストレスを受け止める場所が少ないので、
どうしてもボディ剛性が足りなくなるようです。年々進歩しているロードスターですが
クローズドボディのスポーティカーと比べるのは
考えても間違っている・・・ということにしておきます。
悪戯に弱いのも屋根が無いから・・・。
悪戯する奴が悪いに決まっていますが容易にできる事が悪戯なので
されにくい配慮もロードスター乗りに課せられた使命でしょうか?



ボディ剛性が足りないのなら自分なりに造っちゃえ!
・・・という方法もありますが私はストレスを軽減するクルマ造りをしたいですねぇ。
手っ取り早いのは軽量化。
同じクルマでも重量が軽ければボディ剛性が上がったのと理屈は同じ(はず)。
・・・とはいえ私ができることは限られてます。
軽量ホイールとか余計な装飾品を削ぐとか
エアコンを取っ払ってしまうとか(夏場のことを考えると・・・あぁ、できない)。
パーツ選びも慎重に。インチアップやハイグリップタイヤを使うのも・・・。
確かにクルマの性能はタイヤの性能そのものですので
それらをアップグレードしてやれば性能向上しますが
シャシーとのバランスが崩れるのは、ちょっと・・・。
タイヤの力に負けてボディがよじれるし乗り心地も悪くなりクルマの寿命にも影響しそう。
やはりノーマルを基準にパーツ選びをするのが私的に肩肘張らずに楽しめそうです。
そもそもロードスターはライトウエイトスポーツの定義で作られたクルマです。
ライトウエイトスポーツの定義(ブルーTA的解釈)は・・・。
「使うパーツは汎用品でも
余計な物を削ぎ落とせば
スポーツカーになる!」

ロードスターは旧き時代のライトウエイトスポーツカーを
時代に適ったアレンジを加えたクルマだと思うので、
その素質を伸ばしつつ私のパーソナルを加えて
ずぅっと暮らしていければ、いいな・・・っと思います。



追加事項

何故にオープンボディは剛性が不足するか?それはクルマの構造上の問題です。
現代のクルマの多くは一部を除いて一体成型的(モノコック)に造られています。
モノコックボディーは見かけより軽く強く造れるのが特徴ですがクルマの場合、
開口部が多いので完全なモノコックボディーが成立しにくいのですが
オープンカーは、それに輪をかけて開かれているのでストレスを拡散しにくい理屈なります。



クルマをタッパに例えると判り易いと思います。
タッパの蓋を取り付けた状態でタッパを歪ませるのは難しいですが
蓋を取っただけで僅かな力で歪めることが出来るはずです。
同じような理屈がクルマにも当てはまります。
ぐにゃぐにゃしたボディーではタイヤやサスペンションがドライバーの予想と違う動きをするので
乗っていて気分が悪いし速く走る事も出来ません。



ボディのことで面白い話があります。
スカイラインGTR(32型)で、32型のエンジンを
33型のボディに移植するだけで最高速が伸びるそうです。
32型のボディーでは、よれてしまう部分が33型で改善されて
エンジン出力をタイヤに全て伝えることが出来るようになったということなのだと思います。
ロードスターを
マジなスポーツカーにするには
まずボディー剛性を
上げる必要があるようです。

・・・てっとりばやいのはハードトップですね。
取り付けただけでノーマル比150パーセントの剛性を得られるそうです。



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2008/2/12 更新



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