HAPPY BLUE(仮)

HAPPY BLUE(仮)

悲しい出産

面会時間が終わり旦那と母が帰っていってすぐに下腹部が痛くなりました。
生理痛がとても酷くなったような感じの痛みです。
もしかして陣痛が来たのかと思いナースコールしました。
「心配でしょうから先生に診てもらいましょう」って事で診察室へ。
内診をして(これがまた痛かった!)先生からは
「まだまだだよー痛くて耐えられなかったら薬貰ってね」
はあ、まだなんだ・・・こんな痛いのに全然まだなんだ?
これが1晩続くかと思うとかなりうんざりです。
病室に戻ってから暫くして点滴の交換に来た看護婦さんに鎮痛剤をもらいました。
2錠あって1錠飲んで効かなかったら2錠目を飲むように言われましたが、幸い1錠でだいぶ楽になりなんとか眠れました。

そして夜が明け新しい朝を迎えました。
この日はそう、忘れもしない悲しくて辛い1日。
朝食を済ませ診察を待ってました、相変らずハルは苦しいのかモゾモゾ動いてます。
もうすぐこの子ともお別れしなきゃいけないなんて・・・。
こんなに頑張って動いてるのに生きて出て来れないなんて・・・。
色んな感情が頭の中を駆け巡り気がおかしくなりそうでした。
そして診察の順番が回ってきました。
15本入れたラミナリアを1本づつ数えながら抜いていきました。
入れるときよりはだいぶマシだけど、やっぱり痛かった!
そして・・・・陣痛を起こす座薬を入れました。
陣痛が起きるまで3時間づつ入れていくようです。
怖かった、どんな痛みが襲ってくるんだろう?
元気にそして普通に分娩するんだったらどんな痛みだって耐えたい!
でも、そうじゃないのに私は何でこんな痛い思いしなきゃいけないんだろう? 正直そう思いました。
でもあの子はもっと苦しい思いをしてるのだと思いジッと耐えました。
座薬を入れてからハルは全く動かなくまりました。。。。
何時間で終るんだろうと思ってたら案外早く陣痛がやってきました。
入れて30分ほどで耐えられない痛みが襲ってきました。
お腹が痛いと言うよりかお尻の両端をボブ・サップが思い切り引っ張ってるような感じの痛み。
(笑・変な例えだけど正にこんな感じなんだもん!)
ナースコールしたら看護婦さんが助産婦さんを連れてきました。
内診して貰いましたが、まだダメみたい。
「何分間隔になった?」って聞かれましたが、常に痛いのよ!
さらに痛みが増してベッドの手すりに摑まって痛みを逃がしました。
もう「くぅ~~っふぅぅぅ~~~っ」っと声を出さずには居られません。
しばらく耐えてるとまた助産婦さんが来て分娩室へ運ばれました。
運ばれる時自分で車椅子に乗るのがとても辛かったです。
分娩台に上がると通常の出産と同じように足にカバーをされました。
もう2~3分おきに襲ってくる激痛で思わず「痛い~~~~!」と叫んでしまうほどでした。
助産婦さんに「呼吸で痛みを逃して!はいっフゥ~~~ってはいて!」
言われたとおりに息をはきましたが痛みの余り「ヒッフッ、ヒッフッ」と短い息になってしまいました。
「そんなんじゃ過呼吸になっちゃうからもっとゆっくりね!」
分かってるけどそんな余裕はあったもんじゃない!
暫くしたら「あれ?」陣痛が無くなっちゃった!?
先生が「あれ~?陣痛来ない?」一瞬シーンとなった分娩室・・・。
「また痛くなったら今度は思い切りいきんでみてね!」
と先生に言われたけど、いきむってどうすればいいのかな? あんな格好でしかも腹が激痛だといきむなんてどんな感覚か全くわかりません。
またちょっとだけ痛みがきたので下半身に思い切り力を入れてみました。
何かが下がってきたような感じ、余計に痛い!
痛いから更に思い切りいきんでみるとニュルって感覚があってハルは産まれました。

【2003年10月18日 午前10時20分】

もちろん産声なんてありません。
ハルはすぐに別室に連れて行かれました「綺麗にしてくるね」と看護婦さん。
これで終わりかと思ってたら今度は胎盤を出さなきゃいけない。
先生が私のお腹をグイグイ押してきます(ぎゃ~痛い!!!)
胎盤もやっと出て「これで終わりだ~!」と思ったらまだあるの?
今度は子宮内をソウハされました(しかも麻酔無しで!)
痛さの余り腰が浮いちゃうんだけど、押さえつけられて・・・拷問に近いかも(涙)
早く回復するためなんだそうです。中に残ってしまうと感染症や出血が止まらなかったり・・・怖い!!!
全部が終わり暫く分娩台の上で休みました。
「お会いになりますよね?今お連れしますね」そう言って助産婦さんはトレー(?何だか憶えてない)に乗ったハルを連れてきてくれました。
可愛い我が子のはずなのに死んでしまったハルに対して申し訳ない気持ちと余りの小ささに触れませんでした。
「赤ちゃんを撫でてあげて」と促され恐る恐る・・・。
小さくても本当に可愛い男の子だった、手足がとっても長くて目や顔の輪郭は旦那にソックリでした。
頭を「ごめんね」と撫でて小指の第一関節ほどしかない手のひらで握手しました。
ハルはすぐに連れていかれてしまいましたが、触って話しかけてあげられてよかった。
「赤ちゃんはね自分で選んで天国に行ったの、だからお母さんのせいじゃないのよ自分を責めちゃダメよ」
助産婦さんにそう言われて涙が止まりませんでした。
わんわん大声を上げて「ごめんね!ごめんね!」しばらくずっと。
その間みんなその場を外してくれ、思いっきり泣かせてもらいました。
だいぶ落ち着いた頃クリニックの方でお世話になっていた先生が心配して顔を出してくれました。
「どうだ、痛くなかっただろ?」
私は激しく首を振り「痛かったです~!」
先生は「はははっ!痛くないよお!」と言って去っていきました。
慰めの言葉を聴くよりも何倍も気分が落ち着いた、先生ありがとう!!

ストレッチャーで部屋に移動、今度は個室に移るようです。
個室・・・嬉しいんだけど一般の経産婦と同じ所でちょっと・・・。
ナースステーションの真横なのは何かあったら・・・とかの関係でしょうね。
部屋に移ってからもずっとメソメソしていました。
もちろんお腹の痛みは嘘のようになくなり、お腹も多少へっこみました。
ぼんやりと過ごしていると「旦那さんがきましたよ」
なんでこんなに早いのかと思ったら葬儀の事やなんかも関係あるようでした。
旦那は目を真っ赤にさせながら「さっき会って来たよ、可愛いな・・・」
それから「何度も言うようだけど、お前のせいじゃないんだからな、自分を責めるなよ」と。


next back


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: