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長野県税理士政治連盟の機関誌に下記の文書を投稿しました。
昨年末の衆議院総選挙では、長野県税理士政治連盟(以下、県税政)の推薦候補者は全員当選となりましたことは、県税政の会員一人ひとりと各後援会活動の結果であります。「より良き税制の実現」に対する皆さまのご理解とご支援の賜と深く感謝申し上げます。
さて、安倍自公連立政権の基本政策はデフレ脱却と景気回復の実現に向け、「3本の矢」に例え、「成長と富の創出の好循環」を(1)大胆な金融緩和政策、(2)機動的な財政出動、(3)強い日本経済のための成長戦略によって実現させると報道されています。
我々の「税制改正」に大きく関わりのある「成長戦略」は、(1)規制緩和(特に、エネルギー・医療・雇用分野を重点)、(2)TPP等貿易面での対応、(3)成長分野・雇用促進の税制改正で、日本国内産業にイノベーションを起こさしめ、大きなチャレンジを生み、日本再生を促すとしていますが、肝心の中小対策費は1811億円と政府開発援助(ODA)の約3分の1に過ぎません。これまでと同様に「自助努力」「企業努力」を強く求められているのが現状であります。金融円滑化法の期限切りでますます厳しい局面を迎え、税理士がその持てる手腕を発揮しなければならないことは明らかとなりました。
確かに、平成25年度税制改正は、投資・雇用促進・中小法人の交際費課税の特例充実・事業承継税制の緩和などによる「成長による富の創出に向けた税制措置」。所得税・相続税の税率構造の見直し・住宅ローン減税の拡充などの「社会保障・税一体改革の着実な実施」、利子税引き下げ・租税教育の充実などの「適正な納税のための環境整備」がなされますが、不況の長期化で体力の弱っている中小企業にとって十分なものではありません。
さらに、中小経営・納税者に羅針盤たる社会的役割を担う「税理士制度」については、「税理士の業務や資格取得のあり方などに関し、税理士の取り巻く状況の変化に的確に対応するとともに、税理士の資質の一層の向上など国民・納税者の税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から、関係者等の意見も考慮しながら、税理士法の改正を視野に入れて、その見直しに向けて引き続き検討を進める」に止まり、15の「検討事項」の内13番目との重要度であります。国会議員は税政連が求めた改正を「業際問題」と捉えたことは残念なことであります。
税理士制度は70年を経過しています。一般に「同じ考えで商売をしていると、10年で役所になり、50年で殿様となり、100年になると公家になる」と云われています。安定した事業環境が続き、我々税理士の多くは、中小企業経営・納税者の痛みを代弁することに鈍感となり、自分たちの運命を決める税理士法改正に関心を持たなくなっています。しかしながら、税理士を取り巻く環境は急激な変化を遂げています。規制緩和の波と隣接士業等は我々の職域を崩そうとする圧力を高めています。税理士法第1条にある「納税義務の適正な実現を図る」ことを使命とする税理士は「闘う戦士」となり、相応しい「社会的地位」を確保しつづけなければその使命を全うできません。会員にはさらなる税政連活動にご理解をお願いいたします。
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