旅の途中、寄り道の日々

第１章『誓い』

これはＲＳ小説です。

小説ですのでスキルなどの効果が多少どころかかなり違っていても突っ込まないでください。

人が死んだことに対してＢＩＳ連れてくればいいんじゃないかという疑問は持たないでください。

僕の考えとしては一般人は死にます。

それを踏まえて。

第１章『誓い』始まります。

港町ブリッジヘッドの町のちょっとはずれにある、古びた小さな一軒家。

僕は中に入る。中はまだしっかりしているようだ。

ここに来ると昔のことを思い出す。

― １３年前 ―

「今、帰ったぞ！愛しの家族よ！」

「おかえり！父ちゃん！」「おかえりなさい、アナタ」「おかえり、父さん」

この家には４人家族がすんでいた。

双子の兄弟の兄『カムイ』と弟の僕『カムロ』

そして町一番の美人の母と港町で漁業を営む父

とても仲のいい家族だった。

そう、それは全て過去のこと。

今は父も母もいない。

あんなことがなければ母と父は今でもここで昔のように笑っているだろうか･･･

― １１年前 ―

７歳になった僕達兄弟は父さんと母さんと一緒に隣の港町のシュトラセラトに父さんの仕事のついでに買い物に来ていた。

父さんはまだ仕事の話があると言って港のほうへ行った。

母さんと僕等は港の近くにあるお店で父さんの帰りを待っていた。

「父さん、忙しそうだね～」

最近の父は何かと忙しそうだった。

「でも楽しそうだぞ」

兄さんが口の周りいっぱいにパイの粉を付けてそう言った。

「お父さん、もうすぐ船長になるから嬉しいのよ」

母さんが笑顔で言う。どうやら母さんも嬉しいようだ。

「父ちゃん、船長にニャるんバ！」

「そうよ、船長になったらあなた達も船に乗せてもらえるかもね」

「やったー！」

パイを両手に持ち喜ぶ兄さん。

「でも･･･」

僕には一つ不安があった。

「ん？どうしたのカムロ」

「船長になったら今よりもっと家にいないことが多くなるんじゃないの？母さんは寂しくないの？」

母さんは父さんが家にいないときはちょっと寂しそうだった。

「んー、そうね、寂しいかもしれないわ」

「でもね、私はあなた達がいれば寂しくないわよ。それにピンチの時はあなた達が守ってくれるでしょ？」

母さんは笑いながらそう言った。

「大丈夫だゾ！母ちゃんを傷つける悪者はオレがやっつけてやる！」

パイを持った手を突き出しながら兄さんが言った。

「ウフフ、頼もしいわね」

「ボッ、ボクも母さんを守るよ！」

「ハッハッハッ！頼もしいな、自慢の息子達よ！」

父さんが帰ってきた。

「お疲れ様アナタ」

「今日の仕事は終わりだ！さっ、家に帰るぞ！」

そして僕等は家に帰るために港へ向かった。

父さんはとても嬉しそうだった。

「やっと俺の夢の一つだった船長になるんだ！お前等にもいろいろなもの買ってやれるぞ！」

「ウフフッ、がんばりすぎないでくださいね」

嬉しそうな父さんを見て母さんも嬉しそうだ。

「お前にも苦労をかけてきたな･･･グフッ！」

突然父さんの胸から生えた金属。

「あなっ･･･！！」

母さんの声をつむぐように裂かれたのど。

母さんの首から血が噴出す。

「キャー！人が殺されてるわ！」「うわ！」「人が死んでる！」

周りの人が気付きざわつき始める。

父さんと母さんを殺したヤツはもうその場からいなくなっていた。

「父ちゃん！母ちゃん！」「父さん！母さん！」

その場には僕らの声だけが響いていた･･･

父さんと母さんを殺したヤツは結局、見つからなかった。

おそらくプロの雇われた『暗殺専門のシーフ』だろうと言うことで事件は終わった。

父さんが殺された理由も母さんが殺された理由も不明だった。

物騒な世の中だから仕方がないと周囲も言った。

僕達兄弟もそれで納得するしかなかった。

兄さんはそれ以来『シーフ』という職業を恨むようになった。

身寄りのなくなった僕達兄弟はそれぞれの親の父母に引き取られることになった。

別れの前夜、兄さんは僕に言った。

「俺達兄弟が１８歳になったらまたこの場所で会おうな」

１５歳になると誰もが家を離れてそれぞれの道を歩む。

それから３年で一人前の冒険家となると一般的に言われている。

「そして父さんと母さんを殺したヤツに復讐しようぜ」

「ああ、そうだね。兄さん」

「俺は強くなるぞ！」

「僕も兄さんに負けないくらい強くなるさ」

「約束だぞ！」

「うん！」

僕等は再会と復讐を誓った。

「じゃあ、お休みカムロ」

「お休み兄さん」

そして僕等はそれぞれの道を歩み始めた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続

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