旅の途中、寄り道の日々

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第4章『アリア』~カムロ~



RS小説です。

小説ですのでスキルなどの効果が多少どころかかなり違っていても突っ込まないでください。

公式と多少設定が違っても深く考えないでください。

尚、出てくるギルド名や人物名やクエストは全てフィクションです。

人が死んだことに対してBIS連れてくればいいんじゃないかという疑問は持たないでください。

僕の考えとしては一般人は死にます。

尚、当方一年以上RSをマジメにやってないので変更されて話と違う(もう、このモンスターは出ない等)ありましたら、教えてください。

それを踏まえて。

第4章『アリア』始まります。




『タッタッタッ』『カッカッカッ』

『ガザッ!ガザッ!』

2人分の走る音とそれを追うおぞましい足音

僕達は走っている。

「あ~もう、話が違うじゃないか!今回のクエストは熊を退治して皮を届けるっていう簡単なクエストって親方様から聞いたのに…」

なんで帰り道であんな馬鹿でかい蜘蛛に襲われるんだ!聞いてない!

「まぁ、冒険にトラブルは付き物よね」

「大体、君が帰還の巻物を用意し忘れたからいけないんだろう!」

僕の隣で走る彼女は『アリア』職業はシーフだ。

普通特別な力を持つわけでもない女性が冒険に出るのは珍しい事だなので同時に女性のシーフも珍しい。というかほぼ存在しない。

だが、彼女は言った。

「だっておかしいと思わない?何で女がロマンを求めちゃダメなのよ、特別な力?はっ!ちゃんちゃらおかしいわ、自分の力で生き抜いてこその冒険じゃない!それに女には女の武器って物があるのよ!」

まぁ、現在『女の武器』などまったくもって関係ない状況なのだが…

「あっ、そうだ忘れてた!」

彼女がそういって、鞄に手を入れた。

「帰還の巻物あったんだ!じゃ!」

「えっ?」

彼女は町へ戻ったようだ。

大体、彼女はいつもあんな感じだ、ギルド内で出会いペアを組んで早2年になるがいつも自分の身の安全だけは確保している。

以前、ペアを組んだばかりの頃にそのことで文句を言ったことがあった。

【あの…なぜ勝手に帰ったんですか?】

思えば、まだあの頃の僕は純粋だった気がする。

【いや、死にそうだったし…】

普通にそう返答されたんだっけ?いや違う、彼女はもっとひどいことを言った気がする。

【報酬を収める時間がぎりぎりだったのよ、それにアンタ強そうだし一人でも大丈夫かなって思ってね、それにあの状況だと罠仕掛ける時間無かったし足手まといになるくらいなら帰ったほうがいいと思って、だめだった?】

思えば、彼女はあの頃からまったくと言っていいほど変わってない。

今だってその証拠に僕をおいて逃げた。

いや、報酬を貰うための熊の皮だけ回収して消えた。

なるほど、戻っても戻らなくてもいいということか。

むしろ戻らなかったら?仮にここで後ろに迫る大蜘蛛に倒されたとしたら?

僕はアリアがギルドから貰った2人分の報酬でいつもよりも豪華な食事食事をおいしそうに食べてる姿を想像した。

「ここで死ぬわけには行かないね」

とは言ったもののさて、どうする。

どうするって・・・

逃げるか・・・

幸い出口は見えている。

ただ、それまでに追いつかれるのは明らかだ。

戦うか・・・

確かに逃げる用の武器はある。

ただ、敵は毒蜘蛛、象を倒す毒を持つダートでも通じない可能性がある。

だが・・・やるしかないか。

僕は振り向きつつ、その遠心力を利用し・・・

ダブルスローイング!!

マッドホーネットを投げる。

全弾命中・・・止まる気配なし。

『じいちゃん、やっぱ無理でした』

毒蜘蛛に毒は効かない、それはその通りだ。

さて、いよいよまずい。

蜘蛛は更に速度を速めてきている。

よく見ると、部下の蜘蛛まで引き連れているようだ。

一対複数か・・・

『やっぱ、アレ使わないとだめかぁ・・・』

鞄から2種類目の武器を取り出す。

僕は基本的に3つの武器しか使わない。

基本的にはマッドホーネット

探知や探索の時には機敏さ重視でブラック・ソーン

そして、最後の切り札であり、じいちゃんから貰った現在最高の武器スプリッター。

集中力を高める。

的の数を把握――10体。
速度――敵、残り3秒でこちらまで到達。
位置――確認完了。
準備――完了。

廻れ・・・

ダーティフィーバー!!

僕に襲い掛かろうとした瞬間の状態で敵の動きが止まる。

その止まったわずか数秒。

それだけあれば十分。

僕は急いで出口に向かう。

後は入ったときと同様に危ないことも無く楽に外に出れた。

そしてブリッジヘッドにあるとある料理屋へ・・・

「ただいま、アリア」

「あら、おかえりカムロ、よく帰って来れたわね」

「ああ、それで、報酬は?」

「ちゃんと貰ってるわよ、アンタが戻ってくる間に親方様の所にも行って払うもんも払ってきたわ」

「それは、ご苦労様、僕の取り分をくれないか?」

「はい、5万ゴールド」

「ふ~掲示されているのを見たときは良い仕事に見えたんだけどなぁ~」

「そう?結構、良かったじゃない」

「あんな蜘蛛がいるなんて話は聞いていない」

「まぁ、良いじゃない。帰ってきたんだし」

「ご飯食べる?奢るわよ?」

「ああ、魚介類で頼む」

「了~解」

まぁ、結果として。

彼女が頼んだ料理の値段が彼女の財布の中身を超えて、奢りどころか逆に僕が少し払う羽目になるのでした。







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