旅の途中、寄り道の日々

旅の途中、寄り道の日々




空を見上げてみる、灰色で濁った曇り空。


雨が降り、水溜まる、そして雨は海になった。


水の中、もがきつつ、見上げたその先には、空が無い。


空が見えなくなってしまったんだ。


だから僕は別の空を作ったんだ。


水の中、空を見る、そこにあるのは青空。


澄み渡り、雲も無い、そこにあるのは空の空。


昔見た、曇り空を忘れて、ここにある青空を本当の空だと思ったんだ。


曇り空は見たくない、青空を見ていたい。


世界に雨が降ることなんて、知りたくなかったんだ。


雨を見ることも無く、毎日続く青空、嘘と偽りの空の空。


空の世界、偽者の世界、水の外からは見えない。


僕にしか見えない壁、外側からは見えない壁。


壁を壊す道具が無いと、理由をつけて、壁の中にいる私。


壁の壊し方を知っているのに、壁を壊さない僕。


自分の中で響く声


そこにあるのは壁なのかい?


それはドアじゃないのかい?


空けられないドアは無い。


ドアノブが無いなら、作ってしまえ。


君が作った世界だろ?


自由につくり変えてしまえ。


そして空の世界から空の下。


そこに見えた、本当の青い空。


澄み渡る青空どこまでも


「終」


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