君を捜す旅

君を捜す旅

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2009.01.18
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「お疲れ様!」
PCをシャットダウンして、急いで会社を出た。
今日は部署内で軽い飲み会があるのだけれど、僕は保育園へ娘を迎えに行かなきゃならない。
妻は今日は会社の勉強会があって、お迎えに行けない。
多分その後は飲み会で、また終電なのだろうけど……。

正直、不公平だとは思う。
妻の仕事はストレスが溜まるのは理解しているし、それを発散する必要があるのも分かる。
でも、その分僕のストレスが溜まるのだと言っても、妻は理解しない。
では、どうやってストレスを発散すればいいのだ、と逆に詰め寄られる。


帰りの急行も朝の通勤ラッシュと変わらず混んでいて、さらに僕のストレスを増加させる。
まったく自分の力で立とうとしない、隣のサラリーマンの体重を支えながら、心の中で悪態を付く。
きっとこんなシチュエーションで「お客様同士のトラブル」が起こるのだろうな……。


娘を連れて家に帰ると、夕食が準備されてなかった。
いつもなら妻が出勤前に準備していくのだけれど、今日は時間が無かったらしい。

「スパゲティでいい?」
娘に聞くと、「カレーがいい」と言うので炊飯器の中を確認したけど、見るまでもなく中身は空っぽで……。
「今からご飯炊くと遅くなるから、スパゲティにしようよ」
「じゃぁ、みぃもお手伝いするー!」
娘はそう言って袖をまくり、水道で手を洗い始めた。
娘に手伝わせると却って時間がかかるのだけれど、多分、これも育児というものなのだろう。


冷蔵庫からレタスを取り出し、娘に水道で洗わせ、ちぎってお皿に並べるように指示。
その上に洗ったプチトマトを乗せさせ、その上からドレッシングをかけた。
その、いい加減なサラダと、フォークとスプーンを娘にテーブルに持っていかせる。

茹で上がったパスタを皿に取り、茹でた後のお湯にパスタソースをパックごと放り込む。
5分ほど加熱した後に、パスタの上にかけて出来上がり。



「みぃは、上手にスパゲティがくるくる出来るようになったね」
娘は左手に持ったスプーンの上で、右手で持ったフォークをぎこちない手つきで回している。
「うん。 みぃはもうすぐ小学生だから、上手にくるくるできるよ」
そう言って嬉しそうに笑った。








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Last updated  2009.01.29 23:47:36
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