普通小学校へ行くということ

≪普通小学校へ行くということ≫

平成14年4月9日(火) 大貴は普通小学校へ入学しました。

大貴は 就寝時のみ人工呼吸器のお世話になっており、
気管切開のための吸引と経管栄養・・・いわゆる医療的ケアが必要な子です。
私の住む地域では気管切開をして学校に通った子の例が、
過去、養護学校にもないそうで、
就学相談以前に 大貴をつれて養護学校に出向いた時、
当然 訪問教育であろうと思われた先生方がご挨拶に来て下さいました。
けれど、私は最初から大貴を普通校へ通わせたいと思っていたため 
その旨を伝え、養護学校の先生方を唖然とさせたのです。 

私は親の会で 関東や関西で呼吸器を付けた子どもたちが
普通校へ通っているのを知っていましたから、
大貴を普通校へ通わせる事に何の抵抗もありませんでした。
むしろ当たり前だとさえ思っていました。

子供たちの中でキラキラと輝く大貴を見て、その決意は尚いっそう強くなりました。
ですが、とにかくそんな地域ですから、
まずは 呼吸器の必要な子どもが、地元にいるということを 
市教委や養護学校、地元の小学校の先生方に知っていただくことから始めようと思い 
7月に『大貴のプロフィール』と『大貴の願い』、そして『母の思い』を手記にまとめ、
それぞれの全先生方に読んでいただきました。
また、就学相談の時には、人権啓発絵本『やったネ』を持っていき、
先生方には相当の刺激になったようでした。
この手記と絵本が効いたのか 
2度目の就学相談の時には 先生方が大貴のことを分かってくださっており 
私の決意が固いことも理解くださっていて、
入学の許可が出るまではうそのように・・・本当にうそのようにスムーズでした。

ただし、訪問教育しか経験のない(学校側が)ケアの必要な子が
普通校を希望するというのですから 付き添いは絶対条件でした。
(一応抵抗はしたんですが・・・)

そういう経過で、4月9日の入学式を迎えたのですが、
大貴の通う地元普通小学校の先生方の理解と協力は頭が下がる思いです。
もし希望した小学校が別の学校であったなら、
こうもスムーズには行かなかったと思っています。

大貴の普通校への入学は新聞やTVで取り上げて頂きました。
今まで、障害が重いからとかケアが必要な子どもたちは、
訪問教育を進められれば仕方なく(親の思いがそれぞれあったにもかかわらず)
その道を選んであったに違いありません。
ですが、今回 大貴の入学にあたっての報道が これから学校へ進む方々に、
“あきらめないでやればできる勇気”を与えられたら、
そして 学校側が障害児を受け入れる為に見直しをするきっかけになれば、と思います。 

たとえ重い障害があっても、医療的なケアが必要でも、
子どもが生き生きと輝いてくれるように・・・
そして生まれてきた意味を見つけられるように・・・
皆さんに支えられながらこれからも頑張ります。



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