俺とユーロとC.D.と・・・(何

第2話『希望と絶望』


昔とは全く違う泰斗を見て、私は

『どうしてそこまで変わっちゃったんだろう・・・』

と、幾度となく考えるようになってしまった。
私がそんなにウザがられているのは何で?
そこまで私って嫌われていたの?
と、心にはまだ疑問が残り続けている。
確かに時が経つのは早く、泰斗が少しずつ変わり続けているのを
分かっていた私にとって、それもおかしくはないとは思っていた。
でも、どうしても昔の泰斗を思い出すと、心が不安で一杯になって
仕方が無かった。


私だけは、愛してくれていると思っていたから・・・


『昔は、あんなに仲が良かったのに・・・』

そんな風に呟くようになった私の心は、暗く、冷たかった。
もう完全に、今の泰斗の事を考えたくないくらいに、私は
心の内に篭り続けていた。
まるで閉ざされた部屋の中のように、どんな光も受け入れないような
そんな情景が、私の内に表れ始めていた。

「私は、本当に泰斗に嫌われちゃったのかなぁ・・・」

未だにあの事実を信じたくない私は、何度もそう自分に問いかける事により
己の内にある不安感を取り消そうとしていた。
むしろ、これこそが「現実逃避」だという行為である事に気付いてはいたが
そうでもしないと、私の精神が壊れそうで仕方が無いという事実を抱えているが故に、背に腹は変えられなかったのだ。

ある日の事だった。

「飛織~ッ!」

「た、泰斗ッ!」

「ったく、遅いぞっ!・・何やってたんだ?お前は」

「ゴ、ゴメンゴメン・・・;;」

私は、泰斗と待ち合わせをしていた。
時間に遅れた私を見て、泰斗はちょっぴり怒っていた。
そんな私は、笑いながら謝った。
本当は、泰斗だけに贈りたかった言葉だって沢山あるのに、
私は、今になってそんな事を言う気にもなれなかった。

こんな会話が続いている中学校生活。
でも、私の最後の一年は、嬉しいだけの一年ではなかった。
私にとって、これが「別れ」の一年だったのかもしれない・・・と
考えるようにもなっていった。


卒業式を間近に控えた一ヶ月前・・・


もうすぐ卒業式の時期がやってくる。
私も、泰斗も、みんなみんな離れ離れになっていく・・・
別れの季節を越え、それぞれの夢を目指し旅立って行くんだなぁと、私は改めて
時が経つ早さを実感した。

でも泰斗は、私の見えない所で、こう言っていた。
あの一言は、泰斗に対する気持ちを引っ繰り返す程の衝撃を私に与え、
昔から積み重ねてきた「何か」が、崩れ落ちて行くような感覚に襲われた。


『・・・正直言って、好きじゃねえんだよなぁ、あんな奴』


泰斗は、私を嫌っている・・・

そう自覚するようになってから、「好き」という感情は少しずつ私から離れていくようになっていた。
嫌われたという衝撃を受けてしまった私には、最早泰斗との思い出だなんて
事さえも考えられないようになっていった。
私の中に、泰斗が好きだという想いは完全に何処かへと消えてしまったのだ。


私は、「愛」を見失ってしまった。




暇になったから書いてみた二話目。
ノびがかなり足りないっすね、これ・・・orz
こりゃもう原作と比べると遥かにレベル低いですよ、僕・・・^^;
原作がかなり良い出来なだけに、ここまで出来の低いブツに
アレンジしてしまった自分が情けないっす・・・orz

2006年4月19日製作


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