俺とユーロとC.D.と・・・(何

『Night』


何でもないような、でも遠く掛け離れた「普通の夜」。
・・・そう、僕はこの「鳴滝荘」にやってきてから、一度も
「普通」と呼べる夜を体感した事が無いのでした(汗)。
不安とか、別に怖いとかそういう訳ではなく、
毎日が「お祭り騒ぎ」だったからこそ・・・。
そりゃまぁ、嫌とは言い切れないけれども、
本当なら描けるハズだった課題さえ全く出来ないっていうのは
態々上京してきた意味が無いのでは・・・?と考え直す時も度々ありました。

それでもある日、突如としてその夜はやって来ました。
驚く程静かな夜で、昨日までのドンチャン騒ぎの連続が
まるで夢のように思えるような、そんな夜でした。
あまりに妙に思えてきた僕は、自分自身の感覚に
疑問を感じながらも、ふらっと自分の部屋のドアを開けました。

『(・・・ほ、本当に静かだ・・・
あまりにも静かすぎて、かえって不気味なんだよね・・何か)』

そっと自分の部屋を出て、あたりを見回してみましたが
それでも人の気配はありません。本当に静かな夜だったのです。
だけどこの鳴滝荘では暴力的なイメージが先行しているからなのか、
何処からか襲われないかと思わず見てしまったのですが、あまりにも
そのような事態は起こらないと言わんばかりに、あたりは静寂に包まれていました。

『(何時もならここら辺で誰かに襲われてるハズなんだけど、
ちょっと今回は不気味過ぎて変な気が・・・)』

そういいながらも、普段ではないというこの状況を
使わないワケにはいかないと考えた僕は、つい池の近くへと
来てしまいました。

『こういう場所って、やっぱり落ち着くなぁ・・・』

ついつい和んでしまう僕。激務と大規模な騒動に巻き込まれ
毎日がかなり多忙だった為に、今のこの時間は非常に希少で
貴重な時間だなぁ、と思って月を眺め続けていました。

・・・すると、ふと遠くから足音が聞こえてきます。

思わず誰かとちょっと警戒していましたが、あまりにも
静かな夜であったが為に、その足音は尚も目立って聞こえたので
更に警戒心を働かせ、そーっと後ろを見てみます。

『・・・!』

其処にいたのは、紛れもなく大家さんでした。
特に何も変わらないような顔で、それでも何処と無い優しさを
振り撒きながら、僕の隣に立っていました。

『お、大家さん・・・?』

『・・今宵も、月が綺麗ですね・・・。』

『そ・・・そうだね。』

ちょっと焦りながら答える僕。これまでこんな
と一緒に月を見るだなんて情景は、予想だにしていませんでした。

『でも、何でいきなりこんな所に・・・?』

『・・白鳥さんだったら、こういう日に
来てるかな・・・なんて思いまして。』

一瞬、ちょっぴり顔が赤くなりました。
そこまで予想できていたなんて、という驚きと同時に
僕に対してそこまで・・・なんて想像する時もありました。

『・・・』

『私、こうやって月を見ているのが大好きなんです。
どんな日であれ必ずやってくる夜に、希望という名の
明かりを照らしてくれる、綺麗な月が・・・』

『・・僕も、こういう月を見ているのは大好きだよ。』

『・・でも、そんな遠くに手を伸ばさなくても
同じ希望を持ってくれている人が、近くにいるというのは
本当に良いモノがありますよね・・・』

当初の僕は、それが誰か全く分かっていませんでした。
一度だけ自分だと考えてしまった一瞬もありましたが、そんな事は
ありえないと何度も自分に言い聞かせ、断固否定していました。

『・・・近くにいる人・・・?』

『・・・ふふっ』

そう微笑むと、突如として大家さんは僕の手を掴みました。
ちょっと顔を赤らめながらも、僕は素直にその要求に答えました・・。

『・・・!?』

『何時になっても、その人は大きく優雅で、そしてまた
私の隣にいてくれるんですよ・・・』

その時、僕は改めて感じました。
大家さんがどれ程、僕を心配し、そして大事に思っていてくれるかを。

『・・・大家さん・・・』

『・・もう少しだけ・・、あの月を見させてくれませんか・・・?』

『・・・』

僕は無言でうなずきました。
いつまでも大事な人と、一緒に綺麗な月を見ていたいという
大家さんの切ない願いが、僕の心に伝わってくる感じがしました。


・・・もう少しでいいから、この夜が続いてくれればいいのに・・・


僕はそう、この静かな夜の中で想いました。




初の二次創作。つーか下手だ!キャラ性がなってねぇ!とか
滅茶苦茶反感買いそうなブツになってますorz
僕の下手さが思いっきり露呈されてますね、これはもう・・・^^;
まぁ、あくまで実験作なので勘弁してくだせぇ!って事で(逃
しかも時期的に白鳥が「大家さん」呼ばわりしている時期の話なので、
仮想の一日を入れてしまったワケですな、これはf(^^;
しかも梢ちゃんがあそこまで台詞言うのか!?とかもう
色々ツっこまれそうなので、ここはうわあなにをするやm(略

5月9日 現実逃避しながら製作
(結構書いてるの恥ずかしいけど、慣れればいけるか・・・!?)


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