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2008.01.27
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カテゴリ: 医療
 「医療事故」の民事訴訟の報道のよくあるパターンは、患者側の訴状の内容に沿った一方的なものだ。訴状は原告の一方的な主張が書かれているものだから、その内容に沿えば当然一方的になる。争いがあるから訴訟になっているのだから、当然被告の主張も載せるべきなのだが、そういうことは滅多にない。次の記事もおなじみのパターン。

検査ミスで長男障害と提訴 医師の富家さん、母校に <1>


 東京慈恵会医大病院で 必要のない危険な血管検査を受けた 長男(23)の右半身にまひの障害が残ったとして、同医大出身の医師でジャーナリストの富家孝(ふけ・たかし)さん(60)らが22日、病院を経営する慈恵大に対し、計約1億3500万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。

 訴状によると、長男は2006年5月、手足のしびれを訴え入院。カテーテルを挿入し、脳の血管を撮影する脳血管造影検査をしたところ、急性脳梗塞(こうそく)を発症。手や足がまひし、うまく話せないなどの障害が残った。

 原告側は、既に別の検査で、血管炎による多発性脳梗塞の可能性が高いと診断されていたにもかかわらず、症状悪化の危険がある検査をしたと主張。けいれんが起きた時点で検査を中止すべきだったのに、続行したと訴えている。

 提訴後に会見した富家さんは「医療事故は多いが、交通事故と同じように自分だけは遭わないと思っていた。 大学病院の過剰な検査漬け が問題だ」と語った。

 病院の「訴状が届いていないのでコメントできない」というコメントがついていれば典型的だが、今回はなかった。患者側の主張だけ聞いていると、必要もない危険な検査が行われたようだが、実を言うと、病院の主張も同じだ。異なるのは、 検査をするようしつこく要求したのが富家氏だ ということ。刑事告訴して、相手にされないので民事で訴えたらしい。

富家孝医師、長男が医療ミス告訴…半身麻痺など後遺症


富家氏の長男に対する医療過誤で告訴された慈恵医大附属病院。富家氏は「有名教授でも医者としてレベルが高いとは限らない」と断言する
 ジャーナリストとしても知られる医師の富家(ふけ)孝氏(60)の長男(23)が、富家氏の母校・慈恵医大の附属病院に入院した際の主治医ら4人を業務上過失傷害で警視庁捜査1課に刑事告訴し、同課は関係者から事情聴取を始めた。長男は一時、半身麻痺などの後遺症が出たという。富家氏は「長男には不必要なのに、リスクが高い脳血管内の撮影検査を行った」と、主治医らの医療ミスを主張している。

 告訴されたのは、主治医の同大医学部助教授とその上司にあたる教授、そして検査を行った2人の医師。

 事故当時、長男は青山学院大の4年生で、アメフト部の副主将を務め、就職活動でも広告代理店に内定目前という状況だった。

 富家氏によると、長男は昨年3月中旬ごろから時折、手足のしびれや物が見えにくい感じなどを訴えていた。4月下旬から複数の病院でMRIなどの検査を受けたが、脳と脊髄(せきずい)の原因不明の難病である多発性硬化症、脳梗塞(こうそく)、血管腫など、医師の見解は分かれた。

 5月9日夜、長男は右足のしびれや脱力などの症状を訴え、前日に受診していた慈恵医大病院の神経内科に入院した。当初は多発性硬化症とみられたが、頭部MRIやエコー検査などの結果、血管炎による多発性脳梗塞の疑いが強いとの結論にいたった。

 血管炎とは全身の動脈に発生する原因不明の炎症。医師らは治療を始める前に血管炎と確定させたいとして、「脳血管造影」による検査を決めた。この検査は太ももの動脈から挿入したカテーテル(細い管)を首まで到達させ、造影剤を動脈内に注入しながら血流のX線写真を撮る。

 検査当日の19日、富家氏は仕事先で早急に病院に来るよう連絡を受けた。医師らからは「検査中に脳梗塞が起きた。脳血管造影の影響が原因とみられる」と告げられた。治療で症状に改善が見られたため、検査は続行された。

 医師らの説明では、右頸動脈の造影を終え、引き続き左の検査に移る途中で長男が突然、痙攣を起こしたという。

 長男は富家氏に「管が入り『上に行くよ』と言われてすぐに声が出なくなった」と話した。不信感を抱いた富家氏は、22日に長男を転院させた。長男には右半身麻痺、失語などの障害が残り、現在は週4日、リハビリに通っている。

 富家氏は「これまでも医療問題を取材してきたが、本当の意味で患者の気持ちを分かっていなかったと痛感した。医療ミスをしっかり追及することは、医者でなければできない」と、長男に告訴を勧めた。

 今回の告訴に伴い意見書を添えた医師は「血管炎が原因と考えるなら、炎症のまっただ中の脳血管にカテーテルを入れて造影剤を流すのは暴挙だ」と、主治医らの判断に疑問を抱く。

 脳血管造影は脳梗塞などの合併症を起こすリスクが高いとされ、検査後に手足の麻痺やしびれといった神経症を100人に1-2人が生じ、重い後遺症が1000人に1人の割合で残るとの統計もある。意見書を出した別の医師は「検査途中で明らかに梗塞を引き起こしたのに、中止して処置するわけでもなく、さらに2度も造影剤を流して状況を確認しようとした行為は許し難い」と指弾する。

 富家氏は「患者を治すよりモルモットのようにデータを取ることを優先している」と日本の大学病院の現状を憂いたうえで、「医者の言うまま過剰に検査を受けている患者は多い。ちゃんと戦わなければ、こうした問題はなくならない」と話している。

 ■リスク説明した過失は一切ない…病院側

 慈恵医大附属病院の話 「告訴は受理されていないし、受理されることもないでしょう。血管炎は非常に珍しい病気で、担当医師からご本人とご家族に、検査のリスクを2回も説明しています。 やめたほうが良いとまで進言した にもかかわらず、撮影検査を 懇願してきたのは、当の富家氏ご本人 。(告訴については)まったく理解できません。過失は一切ありませんでした」
ZAKZAK 2007/12/06


 病院の主張だけが正しいと言うつもりはないが、患者側だけの話とはずいぶんと違う。報道するからには、争いの当事者の双方の主張を載せるべきだと思う。病院側の主張が事実なら、誣告罪で逆に告訴するような事例ではないだろうか。





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Last updated  2008.01.27 14:39:01
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