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雪崩の対処法教えず=引率教諭「絶対安全と判断」―8人死亡で謝罪・栃木
栃木県那須町のスキー場付近で発生した雪崩事故で、生徒ら8人が死亡した県立大田原高校の植木洋一校長(60)や山岳部顧問の猪瀬修一教諭(50)らが29日、県庁で事故後初めて記者会見した。
猪瀬教諭は登山講習会の責任者として引率していたが、生徒らに雪崩の対処方法を教えていなかったことを明らかにした。
講習会は県高校体育連盟主催で、積雪期の登山に必要な知識や技術を習得するため、県内から7校が参加していた。
猪瀬教諭は、当初予定していた登山から、雪をかき分けて道を作りながら進むラッセル訓練に変更したことについて、「 絶対安全だと判断した が、こういう事態になり反省しなければならない」と謝罪。自身は旅館に設置した本部にいたため、現場にいた講師役の教諭2人と電話で話し合って決めたという。「雪崩の危険は前日にテレビで知っていたが、起きやすい地形に近づかなければ大丈夫だと思った」と説明した。
事故を知ったのは、発生から45分近く経過した27日午前9時15分ごろ。引率教諭の1人が「緊急事態です」と本部に駆け込み、救助を要請した。猪瀬教諭は現場とやりとりできる無線機を携行していたが、荷物の運び出しなどで車に置いた時間帯があったという。「その間に呼び掛けがあったか分からないが、不用意だった」と述べ、自身のミスで救助が遅れた可能性に言及した。
遭難した際に自分の位置情報を発信できる機器「ビーコン」などを生徒に持たせなかった点については、「雪崩の危険がある山には行かないので、義務付ける認識はなかった」と発言。雪崩が起きた場合の対処方法も今回の講習で教えておらず、「危険な場所には行かないのが大前提だった」と釈明した。
植木校長も「あってはならない痛ましい事故になってしまい、心からおわびする」と謝罪。「原因究明に誠意をもって協力し、今後何をすればいいか考え続けたい」と話した。同校の山岳部は当面活動を中止する。
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