■アルコールとタバコの煙がたなびく、とある酒場の喧噪を想像させるM1からこの物語は始まる。彼女は5フィート10インチ。It was very nice。M4、彼女はとても冷たい。まるでアラスカのようだ。そんなキャロラインの話をはさんでまるで映画のように物語は進む。映画といえば「キャバレー」、ライザ・ミネリのあの映画を思い出す。あれもベルリン、ナチズムが台頭していた頃の話だ。あの映画のジョエル・グレイの素晴らしかったこと。
■B面にあたるM7からM10までの悲しさはなんだ。ルー・リードのボーカルは劇的なまでに歌わない。バックの弦の音やベースのうなりが薄暗がりの世界を見事に脚色している。(ジャック・ブルースですよ、あのクリームの)M8後半の赤ん坊の泣き声はちょっと身体に毒。うなされる。もしもM9でこのアルバムが幕を閉じていたら、これほど救いのない作品もなかっただろう。I said oh, oh, oh, oh, oh, oh,oh,what a feeling.