トカトントン 2.1

Profile

Dehe

フォローする

Calendar

Favorite Blog

読んだ！観た！聴い… さなえ1024さん
SOMETHING　TO　TALK… Crazy Loveさん
Avec Mes Enfants Barbara21さん
ふたり暮らしの手帖 サリィ斉藤さん
ひろるるん♪ ひろるるん♪さん
つきあたりの陳列室 inalennonさん
エデンの南 SEAL OF CAINさん
サッカーと野鳥と音… ペアダ１９さん

カテゴリ未分類

(0)

■オフ会である。１年前に自殺した如月ミキというB級（いや、C級か）アイドルがいた。そのファンサイトで知り合った5人が彼女の１周忌のために初めて顔を合わせる。ハンドルネームしか知らない仲なのに、それぞれがあの人はこういう人だろうというイメージを毎日のメッセージのやりとりでなんとなくつかんでいる。

■「家元」に「スネーク」に「オダユージ」に「安男」に「イチゴ娘」。スネークさん、いらっしゃいませ。イチゴ娘さん、こんばんわぁー。顔の見えないネットだから、言いたいことが言える。声の聞こえないネットだから、相手の言葉も勝手に受け手がニュアンスを都合良く汲み取る。

■ところが、家元の用意した会場にひとりずつ集まってきた４人は想像していた人物とはみんなちょっとずつ違って見えた。そして最後までイチゴ娘という名前の女の子は現れない。

■小栗旬、小出恵介、ユースケサンタマリア、塚地武雅、香川照之。この５人の俳優が繰り広げる一幕劇である。最初から最後まで舞台はある部屋の一室のみ。カメラはその５人を上から撮ったり、下から撮ったり、回り込んだり、グッと引いたりして、ともすれば単調になってしまう展開にアクセントをつける。

■もちろん、下敷きには「12人の怒れる男」または「12人の優しい日本人」があることは最初の１０分でわかってしまう。また、登場人物たちの服装から「レザボアドッグズ」の影響も見え隠れしている。監督はあの映画の冒頭の例のマドンナスピーチをこの5人にやらせたかったのかもしれない。

■松田聖子とか中森明菜とか松浦亜弥レベルではなくて、たとえば比企理恵であるとか、遠藤久美子であるとか、竹井みどり、みたいなちょっとマイナーなアイドルに関して日本中で私が一番良く知っているんだ、というファンの心理はよくわかるような気がする。握手だってできるかもしれないし、ファンレターだって読んでくれそうな気がするし、ひょっとしたら返事をもらえるかもしれない。そんな手を伸ばせば届いてしまうようなあの子をねらい定めた時点で、彼のモチベーションは上昇してしまう。

■でもね、いくらその子に関する情報を仕入れようが、その子の出演するイベントに足繁く通おうが、よく考えれば、彼女の肉親であるとか、幼友達であるとか、マネージャーさんほど彼女のことをよく知っている人はいないわけで。

■白熱する5人のキサラギ自慢大会を聴きながら、最後に笑うものは誰なんだろうって考えた時、結局これは勝負でも何でもなく、喋り合うこと自体が目的なんだなってヲタクの本質を見る思いだ。

■一番好きなシーンは在りし日の彼女が歌う映像（ああ、大磯ロングビーチ！）を見ながら５人が踊るエンドロール。「ラブレターはそのままに」というその曲のタイトルの意味にまたここでニヤリ。彼女の歌の下手さ加減が実にリアル、実にC級。なお、この曲、振り付けはラッキー池田、作詞はサエキけんぞう両先生でした。

ＰＳ

■突然オフ会に現れたデヘヘヘラー氏を一瞬にしてわたしとわかる人は一体どれくらいいるだろうか。どんな服きて、どんなしゃべり方で、どんな顔していれば、デヘへっぽいというのだろうか。今にして思えばハンドルネームってかなり重要ですよね。思いつきで決めちゃうときっとあとで後悔するんだ。だいたい「デヘへです」って一体どんな顔して大の男が（ひょっとしたら女性かもしれないよ）喋ればいいんだ。　

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう