江戸東京ぶらり旅

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三社様<浅草>

仲見世 。大わらじのぶらさがる宝蔵門までの140メートル。小道具,提灯,かんざし,和傘,雷おこし,人形焼きなどなど・・・見ているだけでも楽しいですね。江戸時代には20軒もの茶店があって美女をそろえていたとか。
 仲見世の終わり,宝蔵門をくぐって右手に進みます。そこにはジャンボメロンパンを売っているお店があります。この前にはお地蔵さんやら 二尊仏 やらが鎮座していますね。

仲見世.JPG二尊仏3.JPG


 その東側,小高い部分を弁天山といいます。 弁天堂 が建っていますが,階段の右手の釣鐘は江戸時代からの 時の鐘 なのです。上野の寛永寺にも同じようなのがあります。この二つの鐘で江戸市民に時を知らせていたのです。

花の雲 鐘は上野か浅草か  (芭蕉)



弁天堂.JPG時の鐘.JPG


 さて,浅草寺本堂と五重塔を左に見て,右手の神社へ参りましょう。戦災にも遭わず,奇跡的に戦火をを免れた神社,これが徳川家光建立の「 浅草神社 」なのですね。観音様をすくい上げた二人の漁師と土地の戸長,土師真中知(はじのまつち)を祭ってあるので,「 三社様 」とも言うのです。五月の三社祭りは,神田祭り,三王祭りとともに江戸の三大祭りに数えられています。たくさんの 御輿 が繰り出し浅草中が沸きに沸く,熱い最高のお祭りです。

浅草神社.JPG御輿.JPG



 三社祭の宮出し中止

 台東区浅草の賑やかな仲見世をまっすぐ進んだ突き当たりのお寺が浅草寺(せんそうじ),その右手(東側)の奥に浅草神社(あさくさじんじゃ)があります。神社と言っても,もともとお寺である浅草寺と一体のものだったので同じ境内にあります。明治政府の神仏分離令により浅草寺と別れ,明治元年に三社明神社に,そして明治6年に現在の浅草神社に改称しました。この浅草神社は通称三社様とか三社権現と呼ばれ,5月第3週の金・土・日曜日に行われる「浅草神社例大祭」(三社祭)は江戸の三大祭りの一つとして知られています。

浅草神社.JPG


 それでこの「三社」とは何ぞやということですが,土師真中知(はじのまなかち),檜前浜成(ひのくまはまなり)・武成(たけなり)の三人のこと。とても覚えられない名前ですが,三つの神社ではなくて,三人の神様だから三社様となるのですが,三社権現となるとちょっと難しい言い方ですね。権現とは「権(仮)りに現れる」という意味で,仏が臨機応変,時と場合に応じていろいろな姿で出現することを言います。仏様なんて実際に見ることができないので,人間に見える形をとって人々の救済のためにこの世に姿を現すということなのですね。この場合,上の三人の神様に姿を変えて,ということなのです。それで「三社権現」とも言うわけです。


 この浅草神社の言い伝えによればですが,推古天皇の時代の628年,檜前浜成・武成の兄弟が宮戸川(現在の隅田川のことですが)で漁をしていたところ,網に人形の像が引っかかり,この地域で物知りだった土師真中知に見せたところ,これは観音像であると教えられたのです。それで兄弟は毎日観音像に祈念するようになったのですが,その後,土師真中知は僧となって自宅を寺としました。これが浅草寺の始まり。土師真中知の歿後,真中知の子供の夢の中に観音菩薩が現れ,そのお告げに従って真中知・浜成・武成を神として祀ったのが浅草神社のスタートだというのです。へーっ,といった感じですが,多少の論理性と話にロマンが感じられれば本当かどうかはどうでもいい,というのがどの宗教にも共通していますね。

浅草神社ホームページはこちら  浅草神社

 それで,神社の境内には三基の神輿が展示されていることがありますが,祭のときにはフンドシ一丁の氏子(各町代表の頭)が担ぐことになっています。ところが中には興奮のあまり,神輿に担ぎ手が乗ることは禁止されているにもかかわらず,担ぎ棒の上に乗る人もいて,平成18年には本社神輿二之宮の担ぎ棒が折れてしまう事故がありました。そして,神輿に乗ることは今年も御法度となっていたにもかかわらず,担ぎ手の一部が本社神輿に乗り,逮捕者まで出てしまいました。こんなことする人物って,素性は分かっているのでしょうかね。


 それで主催者である浅草神社の奉賛会は総会で,来年の本社神輿の担ぎ出しを中止することにしたというわけです。中止になったのは,祭の最終日に,ご神体を乗せた三基の神輿を神社から町へ出す「宮出し」と,その後,氏子四十四カ町を巡る渡御(とぎょ)。各町内会からもたくさんの神輿が繰り出されるので,神輿のすべてが中止になったわけではありません。神社の三基の神輿の中止なのです。それでもこの「宮出し」は祭が最高潮に達したシンボル的存在でしたから,なんとも残念な決定です。あれだけ通達を出して注意を呼び掛けていたのに・・・今年も守られないという思いが神社側にはあるのでしょう。ルールは守らないといけませんね。

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