tomo_hの映画ログ

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2013.09.26
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カテゴリ: 映画ログ
モーパッサンの小説の内容は知っていたので期待してみたが、、、どうもわたしの持っていた小説のイメージが映画とだいぶ違うような、、「愛を弄ぶ」とあるが、モーパッサンの人物のように複雑でなく何処かあっさりしているのだ。ベラミことジョルジュがロバート・パテインソン、貴婦人たちがユマ・サーマン、クリスティン・スコット・トーマス、クリスティナ・リッチという豪華な顔ぶれで19世紀末のパリの様子もまあ良くできているが、流れている空気が違うような気がする。モーパッサンならもっとねっとりと爛熟の甘さと苦さがあってもいいような、そんな気がした。良くも悪くも明るくすっきりしすぎ。

退役軍人で、鉄道労働者でやっと食っている男ジョルジュは戦友の新聞記者に拾われる。「家へ遊びに来いよ」というので、行ってみると立派な家で社交界の金持ち婦人たちに紹介された。ジョルジュの取り柄は見かけの良さだけ、借り物の夜会服でも身なりをととのえれば、りっぱな美形紳士となった。モテて婦人たちに眺めまわされ、彼は自分の武器に気が付いた。彼は「ベルアミ」つまり「美しい友」と通称される存在となった。紳士たちはこの男が見かけだけが取り柄で頭が空っぽであることに気が付いたのか、彼を泳がせた、ベラミはそういう人だった。貴婦人たちのおもちゃにしておけ、ということか。

ベラミがベラミたるべくして生きよう、これが私の生きる道と公然と頭を挙げて世の中を突き進む、その辺がもう少し悪賢くネバく描かれたらと惜しい。ただ怒った悲しんだ喜んだだけでは深みがない。モーパッサンはベラミを結局どう見ていたかもう一度本を読んでみたくなった。モーパッサンならベラミの可能性とその限界を厳しく見ていたような気がする。ロバート・パテインソンは適役だと思う。

(おまけ)婦人方は皆きれいだ。しかしカリフォルニア的に明るく現代的に思えた。

ベラミ





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Last updated  2013.09.26 11:11:14
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背番号のないエース0829 @ ニーナ・ホス 「水を抱く女」に、上記の内容について記…
背番号のないエース0829 @ ニーナ・ホス 「水を抱く女」に、上記の内容について記…
背番号のないエース0829 @ Re:ヒトラー 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
アイスクリーム@ Re:エリザベート愛と哀しみの皇妃(オーストリア、ドイツテレビドラマ)(08/09) 綺麗事ではなくメロドラマ仕立て。 勝ち…
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