2004年度 レポート



所属:土佐清水市連合青年団
役職:事務局長  団歴:9年


2004年7月号の日青協ウィリータイムスに「語り合い日本一の青年団」
と言う見出しで土佐清水市連合青年団の記事が一面に掲載された。
お陰さまで、無事にあしずり踊りも少人数ながら踊ることが出来たし、
青年のバスも無事に実行できた。
「語り合う」ことが本当に日本一であるかどうかはさておき、確かにじっくり
腰をすえてお互いの話を聞き、想いを汲み取って向き合うということは、
よく出来ている青年団であるという自負は清水の団員、特に役員は持っている。

そして、話し合うことから生まれるジレンマというのも存在する。

昨年度の清水の青年団役員が共通レポートとした「出張サンタ」にまつわる
様々な想いを書いたが、その投げかけをしてくれた『彼』ことN.Hは、
今年は様々な想いを胸に副団長職を引き受け、八面六臂の活躍を
みせてくれている。今回の青研でもレポート参加ではあるが、
彼なりの青年団への想いをぶつけているものと思う。
清水の青年団の悩みと言うのは毎年のことながら「後継者不足」であるが、
さらに、この3月に3人、そして来年3月で9人の満期退団者が存在する。
以前にも増して団員減少、団の縮小の危機をはらんでいる。
その中で、若手役員がぶつかる壁が「語り合うこと」について、である。
N.Hをはじめ今年度から役員を引き受けたN.O、Y.Y、H.K、T.T
といった面々は清水の青年団が引き継いできた「語り合うこと」と言うものに
戸惑いを持っている面がある。
例えば清水の青年団で行事を行うといった場合、役員会をもった段階で
その内容や準備するもの、話し合う。一つ一つ確認しながら行事を形作っていく。
だから役員会までにその行事についてそれなりのことを考えていなければ、
当然、会は進まない。役員会にあまり出て来れないメンバーもいる。
役割分担が上手くまわらない。そうすると、ますます会議自体に時間がかかる。
これが、「歯痒い」のだとN.HやN.Oは言う。
小実行委員体制をしくことで、大まかなたたき台はその委員会で作り上げ、
役員会ではその実行委員会で決めたことの改良や補正、肉付けといったことを
する場にしたい、スピードのある会議をすることでもっとたくさんの行事を
行なっていきたい。役員一人一人に実行力を持たせたいという想いを持っている。
いわばN.Hが叩き上げで鍛えられた青年会議所の形式である。
先にも述べたとおり、団員減少という問題があるが、彼らは団員減少を
食い止めるには、たくさんの行事を行なうことで、多くの地域に住む青年を動員し
青年団員として仲間に加わってもらうこと、が大事であると考えている。
だけど、いまの役員会形式ではとてもでないが自分たちがしたい規模の行事が
出来ない。
「語り合うこと」を大事にしていくこと、時間をかけて作り上げていくという
作業をしていくことによって、団の行事が開催できずに、団員が減っていく。
「すばらしいことながやけど、それも組織として構成人員が存在しなければ
どうにもならない・・・。」とN.Hは悩んでいる。

いまを遡ること数年前、自分達も同じように悩んだことがあった。
たくさんの行事をして、多くの団員とつながりたい、団員が行事に参加できる
機会やきっかけの場を多く作りたい。団員を増やしたい。
・・・だけど、行事をすることに目を向けすぎて役員は「行事のためだけの役員」
になりはしないか、そして「行事のための行事」になりはしないか。
自分たちがいちばん心配したのはその部分である。
仲のよい気心の知れたメンバーで行っているうちはいいのだが、
役員内の人が代わり世代が代わっていくうちに、当初はそれなりの想いで
作られた行事が単なるやっつけ仕事のようになってしまわないか、
そういう中で青年団のよさであるお互いの考えを尊重し、違いをわかりあい、
納得した形で向き合って行くということが果たしてできるだろうか。
行事が出来なくても、「語り合うこと」でお互いをわかっていくことが
出来るのなら、それが清水の青年団の姿ではないか。
行事疲れした顔で再々顔をあわすのではなく、ちゃんと話し合う中で行事を
作っていこう。
これが当時の自分たちの出した結論であった。
それが正しかったのか間違っていたのか、それはわからない。
ただ確かに言えるのは、あの話し合いがあったからこそ、
自分は今も清水の青年団の一員として存在し続けているということ。
土佐清水市連合青年団を皆と一緒に担ってこれたということだけである。

そして、また世代が代わり、彼らは同じように同じことで悩んでいる。
「青年団活動をすることは何か」この繰り返しが、ある意味世代を超えて
青年団を続けていく人間の永遠のテーマなのではないだろうか、とも思う。
彼らがどのような答えを出すか、来年度の行事に取り組んでいくか。
それこそ「語り合う」なかで彼らなりの結論をきっと見つけていくのでは
ないだろうか。もちろん自分達もまだまだその途上ではあるのだが。

さて当のN.Hであるが、実は本人がいちばん「語り合うこと」が大好きな
人間であることを誤解を受けるといけないため付け加えておく。


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