クレスタの日常劇場♪亜米利加☆じゃぱレス見聞録

クレスタの日常劇場♪亜米利加☆じゃぱレス見聞録

灯台


灯台



ときどき、こんな私だって、
寂しい時、悲しい時
泣きたくなるような、そんな日だってある。
そんなとき、私が訪れるのが、海の見える場所。。。。
ひとりで、海を訪れて、ぼぉーっと他に何もせず
ただ、ずーっと海を眺める。
寄せては還す、波。波。波。。。。。
しばし、現実を忘れ、私も海に帰る。
真っ暗な悲しみの海で、たった一人ぼっち。。
悲しくって、寂しくって、悲しみの海の底に
沈んでしまいそうな わたしを、
灯台の灯りが、やさしく導いてくれる。。LifeSaver
。。。LightHouse.
ちゃんと港にたどり着くように。って



======================================

それは8年前のある嵐の夜のことだった。

ダンナが夜に居なくなることが増えた。
いつもなにか「本屋に行って来る」とか、「友達のとこに
行って来る」が口実だった。

その夜は精神的に何もかも疲れていた。


なかなかその日に限って寝付かない次男(当時2歳)を
叱り付け・・、やっと寝たのを確かめたワタシは
近所のリカーショップへ・・。

はたから見れば何の不自由のないような生活だった。


夫の不審な行動はしばらく続いて
ワタシはイライラしていた。



それが頂点に達したその日・・。


嵐にもまれてワタシ達の船は
揺れていた。
そのままこの船に留まれば
雨風に遭うこともない。
食べ物も豊富で心配はない。

実家の両親の元の灯台は
あまりに遠すぎて・・
せっかくの灯台の明かりも見えなかった・・。

それで・・・・疲れきっていたワタシは
暗い嵐の海の中に飛び込んだ。

子ども達は巻き添えには出来ない。


この船の中に居れば安全だわ。

それにこの子ども達の父親も
しばらくしたら戻って来るだろう。


そう決心して・・・ワタシは独り
海の中に飛び込んだ。


飛び込む寸前にワタシは
ワインを一本あけていた。


だんだんと記憶が遠くなっていく・・・。





ワタシが実行をしたのが夜中の12時半。

夫が家に戻ってきたのが1時過ぎだったという。







ワタシが居ないのに気がついたダンナは
すぐにワタシを見つけて救助してくれた

彼はワタシの LifeSaverだ。助けてくれたことには変わりない


それから助かったワタシは港の避難所に
しばらく保護されていた。
夫の元には二度と戻らなかった。

灯台の優しい明かりが頼りだった・・・。


その避難所で、独りで小船を漕ぎ出す
きっかけを見つけた。

夫はワタシが子ども達の目の前で
海に飛び込んだことを責めた。



では・・・自分の責任はどうなの?
家族を家に残して自分は女のところで浮気?




流れ・・・流されて
波打ち際に打ち寄せてきた小枝を集め
小さな船の土台を作り始めた。
(ゴシップ亭で働き始めた)


ワタシの小さな小船には
タバコもいらない、ビールなどのアルコール類もいらない。

タバコの不注意で小枝で寄せ集めた小船を
燃やしてしまうかもしれない・・。

ビールなどの瓶の重さで
ワタシの小さな小船は沈んで・・溺れてしまうかもしれない。

ワタシが戻る意志がないことを確認した夫は
離婚の申し立てを起こした。

そして、“母親失格”のレッテルを貼って
同居親権を勝ち取ったのだった。

子ども達は向こうに引き取られてワタシは一人ぼっちになった。


その寂しさを紛らわすかのように
一週間7日休み無しでがむしゃらに働いた。

しばらくするとどうにかワタシの小船も
サマになるようになった。

あれから・・・8年。


NewPortという港にたどり着いたワタシは
港の中の反対側にある子ども達の船を
いつも視界の中に入れている。

いっしょに住んでなくても
いつでも逢える距離にいるワタシ達。

元ダンナとも距離を置いて
今ではフツーに付き合っている。


こんな風に書けるまで
随分と時間がかかったけど

物事には・・・起こるべくして起こる意味があるのよね。


もし・・・子ども達を抱えて離婚していたら?
今の生活はなかったわ。

あの時は子ども達と引き離されて
辛かったけど・・
これはこれで良かったんだと思えるようになったしね。


これも人生の一コマなのよね。












© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: