痛勤怪談 電車の中はドラマがいっぱいだ

痛勤怪談 電車の中はドラマがいっぱいだ

2004年07月27日
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はらへったー

会社を出たのは19:00過ぎ
一番最後だった
平均年齢が高いからみんな朝早い
(それにしても、、、)
みんな近くに住んでるんで今ごろ既に晩ご飯
(こっちは家に着くのは21:00過ぎだって)
最近は慣れたけどね

永田町では一本待って急行に乗った


車内は適度に混んでる
網棚には荷物は乗せられ
吊り革にはありついた
(立ち寝するか、、)
よくお姉さんがやってる

表参道でどどっと乗ってきた
その中の一人
長身の若いサラリーマン
一目見て
(やばそう、、)
動きが変



願いは裏切られた
よりによって隣の吊り革にぶるさがった
くずれるように、、、

(酔っ払ってるのか?)
でも顔は赤くない

ふらふらしてるんで
肩から下げたバックがでかくて邪魔

仕事が忙しくて疲れてるんかね?
徹夜開けとか?
(どーでもいいけどバックが邪魔)
電車が揺れるたびに当たる

そのうち彼はだんだん前かがみになり
表情は苦しそう
(大丈夫かね、、、)

窓ガラスに反射させて彼の表情を伺っていた
その時、彼の口が
「がまんできねー」
読唇術は出来ないが
はっきりわかった

(なにが我慢できないんだ?)
(仕事か?ゲロか?)
仕事ならいいけどゲロはいやよ

窓ガラスに反射する彼の表情から推察すると後者のよう
(我慢するな!さっさと降りろ!)
乗ってるのは急行だぞ!
三軒茶屋を過ぎたらしばらく止まらないぞ!

電車が三軒茶屋に着いた
彼は苦痛の表情を浮かべたまま
吊り革にぶるさがってる
(おい!気を確かに持て!)
別に彼がどうなろうと知ったことではない

それよりゲロだけは撒くなよ
(こっちはこれから晩飯なんだから)
飯がまずくなる

ふと彼の前で座ってる兄ちゃんに目が行った
いかにも「頼りなさそー」な顔

色白で
なで肩
目と眉毛が垂れてて
頭のてっぺんが薄い

そして彼の表情は
目の前に立ってる奴の事で頭が一杯
可愛そうなぐらいオロオロしてる
(かわいそーなやっちゃ)
自分より悲惨な奴を見ると急に安心した

ぶら下がり兄ちゃんの容態は更にひどくなる
表情は苦痛にゆがんでる
(あらら、時間の問題ね、、)
さっきとは余裕が全然違う

(結構両方見てると面白いね)

座ってる兄ちゃんは目の前の兄ちゃんの顔色を必死になって伺ってる
(どーでもいいけどさー、ほんとにやばいと思ったら自分が席譲ってやればいいじゃん)
そこまでして座っていたいかね

そしてとうとう座ってる兄ちゃんはある行動に出た

膝の上にカバンを置いてるんだけど
その上で両手を合わせて祈りだした
(あんた宗教やってんの?そんな感じはするわ)
日曜日の集会なんかでどどっと出てくるタイプだねー
祈り方はキリスト教じゃないし

でもさー

(何祈ってるの?)
ひょっとして目の前の具合の悪い人が良くなるように?
自分に災難が降りかからないように?
(前者じゃネーだロー)

神にばかり頼ってるから
髪が薄くなるんだよ
(関係ないか)
困難は自分の力で何とかせい!

私の思いが通じたのか
彼の降りる駅がそこだったのか
鷺沼でお祈り兄ちゃんは降りていった
その空いた席にぶら下がり兄ちゃんが座った
(はじめっからそうすりゃよかったのに、、、)

座った兄ちゃんは「何事も無かったように」
ぐっすりと眠り始めた

(タダ疲れてただけなの?)

お祈り兄ちゃん、何祈ってたの?






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最終更新日  2004年07月29日 08時46分05秒
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