山南まゆの日常

山南まゆの日常

恋心



希咲、という人物を知ったのは、二年ほど前だった。初めて同じクラスになった。その時は、まだ特別な感情は皆無だった。当たり前の様に、何の進展もないまま、クラス替えがおとずれた。希咲とは、違うクラスになった。たまに廊下などですれちがったりすると、お互いの悪口をいっていた。最初に言ってきたのは、希咲だった。ある日、別の人を好きになった。名は、仮として、拓矢。話が合い、彼といると胸がときめく日が長く続いた・・と、思っていた。だが、あっけなく終わってしまった。まゆの恋心が、拓矢の耳に入ったのだ。
友達に教えてしまったからであった。まゆの気持ちは、拓矢だけでなく、そのクラスのほとんどに知れ渡った。学校に行きたくないと思った。が、その友達が、誤りに来てくれた。心の底から誤ってくれてたようにみえた。たとえ違っても、とてもうれしかった。まゆはもうしないでほしいと、約束し、中学生にとなった。クラス替えでは、拓矢と別のクラスになり、希咲と同じになった。小学校では、卒業式までズボンだったまゆは制服のスカートを嫌がったが、仕方がないので、はいた。数人の友達には意外と似合っている、と言われ、ほとんどの友達には驚かれた。まゆが一番気になった男子の評は、特には言われなかったが、ただ一人、希咲が、
「きもい。」
といった。なぜか、腹がたたなかった。もっと、別の意味にきこえた。
そして、新しい生活にも慣れ始めた、4月末、ふと思った。
希咲が好きなのか?自分は。
と、授業中に、希咲が発言したら、どれだけノートを書き取るのに忙しくても、希咲の方を向いたり、気づいたら、希咲と席の近い友達の所にいたり。
もしも、もしかしたら、やっぱり、きっと、でも・・・・
そんな気持ちが頭をかけめぐり、その中心には、
いつも、あの人が・・・



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