つんつん~のらりくらり記~

つんつん~のらりくらり記~

楽隠居

同居が始まったとき、
何も話し合いをしなかったので、
当然のように全部私が家事をすることになった。

あんびりは集金の仕事と、
仲間の集まり以外はすることがなく、
私にあてつけるかのように
「ああ!ヒマや~」と言った。

自分の部屋の目の前にある
猫の額ほどの庭に水撒きすらしない。
憧れのガーデニングをしたって、
普段2階にいる私には
花が咲いているのも見えない。
たまに土いじりをしていても、
「そこ!草はえてるで」
草むしりすれば、
「そこに生えてたの草と違うのに!」とうるさい。
私は一切の土いじりや水撒きをやめた。

ご飯の仕度も苦痛だった。
好みが違うし、
むこうは朝が早いから、昼も早くお腹が減る。
私は朝の片づけやら何やらしてると
朝ご飯は遅くなるし、昼もずれてくる。
ところが、「お昼ですよ」と作って声をかけるまで
ずっと自分の部屋でテレビを見て、
「ヒマ~」を連発する。

ある土曜日、午前中小学校の参観に出かけ、
その後懇談となり、
末っ子の幼稚園のバス停までのお迎えが
困難となったので、家に電話を入れ、
先に帰宅した長女に迎えを頼み、
お昼ご飯も遅くなることを伝えた。
懇談が終わり、
大急ぎで帰宅途中に肉屋で揚げたてのコロッケを買い、
「遅くなりました!お腹すいたでしょ」と声をかけたら、
「ああ、先に食べたから」だと!!


夫も、先に帰った娘達も
お腹すかせて待ってました。
自分だけ食べたんかい!?
まだ隠居の身じゃないんだから、
作ってやれよ!!
そう、叫びたかった。

そんな日々が続いたから、
夏休みしばらく実家に避難した。
戻ってきたら、
朝・昼は自分で勝手に食べてくれるようになった。
庭の水撒きもするようになった。

しかし、いまだに、
インターホンがピンポーンとなっても出ないで、
私が留守のときは完全に居留守状態である。
…というか、『いつでも嫁は家にいる』
そう思われているようだ。

こんなことなら、玄関別にすればよかった。
別にするほど、広い敷地はなかった…(涙)




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