~通過点~   

~通過点~   

発見・・・



私は家でただ心配しているだけだった。
子供がいたし、夜だったし、近くないし、
どうすることもできなくてただ電話を待っていた。

しばらくして姉から電話がかかってきた。
「見つかった」と。

姉がタクシーで実家へ向かう途中、トボトボ歩いている老人を見た。
それは父だった。

裸足。
手は血だらけ。

そこは家からほどない場所。
何十年も住み慣れた土地なのに、家がわからなくなってしまったのだ。
ウロウロと探し回るうちに転び、サンダルも脱げたのだろう。

父の気持ちを想うととっても切なくなった。



続く~



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