ちょっといい女

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義弟への手紙



(継母は、仕事上、食品を扱っているのです。)

その時に手紙が入っていたのですが、それを読んでいて心配になり、

義弟に手紙を出しました。

___________

前略

昨日、お母さんからドレッシングなど送られてきました。

その時に手紙が入っていたのですが、それを読んでいて、ちょっと心配になり、

取り急ぎ、お手紙します。

順序立てて話さないと、わかりにくいので気分悪いかも知れないけれど

最初から読んで下さいね。


私は、お母さんを亡き母の二の舞にさせたくなくて

(亡き母は私が中学3年の時に亡くなったのですが、

受験勉強を始めた私は、殆ど母の悩みを聞いてあげられなかったんです。)

亡き母にできなかった分まで、お母さんの話を聞いていたつもりでした。

なのに、そのせいで、私はお母さんが来て間もない頃、

父から殺されるかと思うくらい殴られました。

『お母さんに何を言った!?』と。


それからは、もう関わりたくないと思いながらも、やはり心配で聞いていました。

毎回、堂々巡りで埒の明かない話を延々と。


お母さんの話は、

『あなたのお父さんは、私や子供らを叩いて!

 あなたのお父さんは・・・!あなたのお父さんは・・・!あなたのお父さんは・・・!』

最後には、いつも【あなたは!】に変わっていました。


『死んだお母さんやお姉さんの歳になったけど、どう?』と聞いてきたり

(私は子供たちを一人前にするまで死ぬ訳にはいきません。)

息子や娘の事を悪く言われたり。


お母さんは、叔母からも『天ぷら揚げているから。』と電話を切られ、

義弟1ちゃんからも『もうウチに関わらないで。』と言われ、

あなたにまでソッポ向かれて、絶望的になって、

二度の借金苦も乗り越え頑張っている私が妬ましく、

八つ当たりしていたのでしょう。


でも、叔母との関係悪化も私のせいにされ、

義弟1ちゃんが私のせいで父に殴られたと言われ、

今度こそ、もう関わらないでおこうと心に決め、

『もう行かないから、電話もしないで。』

と言いました。


・・・ここまでは以前、電話で話しましたよね?


そして、お母さんからの手紙を読んで。

嫁いでから(その前の事は知らないから)感情の浮き沈みが激しいと思っていたのですが、

まるで死期が近づいているかのような文面。もしかして躁鬱病?と。

亡き母は鬱病にかかりました。

働いたお金を父が全て牛耳っていたので、逃げ出したくても家出さえできず、

死ぬしかなかったのでしょう。

私も、かつて、そうだったように。


そしてもう一つ心配なのは、今までにない内省的な文面。

DVを受け続けた女性は、

『きっと自分が悪いから殴られるんだ。』と思い込んでしまうらしいんです。

かつて亡き母も、そうだったように。本当は違うのに。DVが間違っているのに。


【不安のしずめ方】という本に、こう書かれています。

(中略)


私は、一緒になって『やだねー』と言っているだけなんて、できませんでした。

いつも一生懸命考え具体的なアドバイスをしていました。

それが逆効果だったのでしょう。

だから最後には私を責める言葉に変わっていたのかも知れません。


だからと言って今、『やだねー』と言っている事もできないし、

具体的なアドバイスも思いつきません。

きっと実の娘でもない私が、何を言っても傷つけるだけでしょう。

でも見殺しにもできません。


だいたい状況がわかりません。そんなに悲観的になるほど糖尿病の症状、悪いんですか?

お母さんには礼状(父も読むように、わざとハガキで)を出しておいたのですが。

また一波乱起きなければ良いけど・・・私のPCのアドレスを書いておきます。

何か良い案が浮かんだら教えて下さい。

また、私にできる事であれば言って下さい。

長い文章、読んでくれて有難うございます。
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母に送った礼状

     前略

色々送って頂き、有難うございます。

ドレッシング、娘が大喜びしていました。

バスタオルも【ファイト一発!】の文字が元気が湧いてきそうです。

お母さんも、くよくよ悩む事なく、亡き母の分まで長生きしてくれますように。

【ファイト一発!】です。

その為には無理はせず、疲れたら必ず休むよう心がけて下さい。

遊びに行ったり、友達と喋ったりと、リフレッシュする事も必要です。


それから父へ。

人生で、もう二人とはいない最大の理解者を、亡き母の分まで大切にしてあげて、

心穏やかに暮らして下さい。

それがお金持ちである事より何より最も幸せな事だから。


雨に映える花菖蒲も今が盛り。お元気でお過ごし下さい。

                      敬具

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