自分探しの心の旅

　題を一つずつクリアし、少しは自信もでき、やる気も出てきた主
　人公に、ガネーシャが言ったセリフです。



＜どの映画にも見所はある＞


　子供の頃、映画のテレビ番組が好きで、私の映画に関する記憶の
　大半はテレビで観たものです。

　当時は、専属の映画評論家の解説付きのものがいくつかあり、私
　は特に 淀川長治 さんの解説が大好きで、日曜洋画劇場を毎回楽
　しみにしていました。

　淀川さんの解説は、どんな映画も観る前からワクワクさせてくれ
　ました。

　Wikipedia で調べると、どの映画にも見所はあるというのが持論
　で、どんなＢ級映画にも決して悪口を言わず、「このセリフ回し
　が素晴らしい」、「女性の脚の組み方がいい」など、一般人は見
　過ごしそうな箇所を見つけては褒めていたとあります。

　もちろん、これは淀川さんのスタイルであって、辛口の評論があ
　って当然いいわけですが...。


　淀川さんの生き方は、1948年に映画好きの若者をあつめて「東京
　映画友の会」映画の魅力を教え続けた中で掲げられた、「友の会」
　３つのスローガンにも表れています。

１．私は未だかつて嫌いな人にあったことはない。
２．苦労歓迎。
３．他人歓迎。

　それでも晩年、「ぼくがモットーにしてた三か条なんだけれど、
　実は大嘘なの。ぼくは年中、三か条に反する生き方をしていた」
　と弟子に打ち明けたといいますから、ある意味人間的ですね。
　（ Wikipedia より ）


　もし、いろんな意味で成長したいと願うなら、無批判に何でも受
　け入れるという意味ではなく、少しでも良いところをみつけてプ
　ラスにするということを肝に命じたいと、近頃思いました。

　それで、淀川さんのことなども思い出したりしました。

　そんなことを考えたきっかけは、ドラマを観ただけで、まだ読ん
　でいなかった『夢をかなえるゾウ』※を、やっと読んだことです。

　正直、ベストセラーに対する偏見が、私にもあったかな？と思い
　ました。

　この本、成功オタクもそうでない人も、一読の価値はあると思い
　ます。

　結論は、ガネーシャが最後に残した言葉、「世界を楽しんでや、
　心ゆくまで」に集約されているような気がします。


※水野敬也著『 夢をかなえるゾウ 』



　ワシが教えてきたことは、お前の本棚に入っている本に全部書い
　てあることだとガネーシャは言います。だから、今はやる気にな
　っていてもいずれは忘れてしまうだろうと...。この物語を単なる
　エンターテイメントに終わらせるのか否かは、このくだりを読み
　きれるかにかかっていそうです。



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