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2009.05.02
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テーマ: たわごと(27386)
カテゴリ: ただの物語
書こうと思っていてながらずっと何となく後延ばしになっていたものです。


一応念のため、これはただの物語です。
さらっと流してくださいね♪


******

 やられる!

 その瞬間エル・フィンはとっさに覚悟を決めた。
 油断しているつもりはなかったが、疲れて隙が出たのかもしれない。
 避けれない体勢で迫った黒い刃を見て、自分が致命的なミスを犯したのを知った。


 思わず目をつぶったのは逃避だったのか、悔恨のためだったのか自分ではわからなかった。

「ったく、何やっているんだ」

 自分を貫く痛みを覚悟した瞬間、その声は耳に飛び込んだ。
 目を見開いて驚いた。
 人型のシェーンが自分を向いて、敵との間に立っていた。
 腹部には自分が受けるはずだった黒い刃の先がのぞいていた。

「っ!!シェーン!」

 その黒い刃が何なのか知らないシェーンではない。
 魂さえも闇にむしばまれ、滅ぼしてしまう力を持った刃。
 いくらドラゴンといえどもただでは済まない。


 瞬間、敵は光に昇華されて跡形もなく消える。
 それを見て敵がひるんだ隙に、シェーンはエル・フィンを抱えてその場を飛んで離れた。

 ある程度安全な場所に行くとようやく降りて一息つく。
 しかしシェーンは立っていられず足をついた。


 そしてその傷跡を直そうと試みる。

 しかし刺さった刃から体内に入った闇は簡単に昇華しきれるものではなかった。
 確実にドラゴンの体を蝕み続ける。

「何でっ!庇ったんだよっ!」

 混乱したままエル・フィンは思わず言葉をぶつけた。
 本当は謝罪の言葉を言いたかったはずなのに、怒ったような言い方になってしまい、さらに混乱する。
 同時に彼を失うかもしれないという恐怖で心が締め付けられるように痛んだ。

「人がこの刃を受けたら、その場で浸食されて、下手すれば魂まで砕けてしまうだろ。
ドラゴンならそんなことにはならない。せいぜい何百年か眠り続けるだけで済む。
とっさの判断としては間違ったことはしていない」

「そんなことを聞いているんじゃないっ!」
 反射的にエル・フィンは怒鳴っていた。
 しかしそこから先は続かなかった。
「こんなの、こんなのって・・・・」
 うわ言のように呟きながら、治療を続けようとする手を取って、シェーンはエル・フィンの顔を覗き込んで、言った。

「おまえはドラゴンにとって、名を交わした人間を失うという意味がわかるか?」

 その迫力にのまれて言葉を失う。

「自分が名を交わした人間を失うことほど、屈辱と悲しさと絶望と半身を失った喪失感にに魂が塗りつぶされることはない。それが自分の判断で本当なら助けることが出来るのなら、尚更だ。
お前はまた俺にその絶望の闇に沈めというのか?」

「……」

「俺はもう二度と嫌だ。そんなことになるくらいなら、いくらでも身代りになってやる。永久に失うかもしれないくらいなら余計にだ」

 シェーンはそういうと横に倒れた。
 闇がだいぶ体を蝕んでいるらしい。
 そして人型を保っていられなくなったらしく、本来のドラゴンの姿にかわる。

「大丈夫だ。ほんの何百年かの間だけ離れているだけだ。目覚めたら必ず会いに行く。それまで人の間で生きていろ」

 そういうとシェーンは目を閉じた。

 エル・フィンは仲間が迎えに来るまでそこにいた。
 仲間のドラゴンに乗せてもらい、そこを離れる時もシェーンの体から目を離すことはできなかった。

 その場にいた精霊たちが彼を守ることを約束していた。


*****

ちなみにここでいう「闇」は虚無とかそういう感じのモノの意味です。
光の対の闇という意味でもあるのかなぁ?
よくわからん。

ちなみにどこの戦場(なのか?)とか、そういうのは一切わかりません。
ただかばって死んで(眠って)しまったという絶望感とか、喪失感がすごくあるだけです。

結局何百年でなく何千・何万年になってしまっているなぁと言うのが感想。

大事なものを失ってしまった絶望感はここが原点のような気もしますが、さてどうでしょう。

ま、とりあえず打ち止め、って前回も書いてるね。
本当の打ち止めはここですのでよろしく~。





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Last updated  2009.05.02 21:15:16
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