感染ルンです。。。

感染ルンです。。。

50mmレンズ対決(ツァイス vs ヘキサノン)




僕が現在最強最高に愛情を注ぎ込んでいる2つの50mm大口径レンズである、コニカのMヘキサノン50mm F1.2とコンタックスのカール・ツァイス・プラナー50mm F1.4の撮り比べをしました。まぁ、偏愛している2本なので、結果がどーなろうと愛情に変化は無いんですが(笑)。

それから対決させるにあたり2つのレンズを取り付けたボディは、ヘキサーRFです(謎)。理由としてヘキサーRFは絞り優先AEにすると 中間シャッターが使える ため、開放値半段の差をシャッタースピードとして相殺できるかなーっと思ったからです。若干面倒な作業でしたが。

なるべく同じトリミングを目指しましたが、手持ち撮影でレンズを取り換えながら撮影しているために 結構 多少上下左右ずれている部分もあります。

スキャンは設定を変更させないで同様に取り込みました。その後カラー調整済みCRTで観察しながら、フォトショップでスキャン時に間違った方向へ動いた色とコントラストをポジに合わせる方向でトーンカーブ調整しました。といってもヘキサノンとプラナーを個別に調整した訳ではなく、スキャナの悪い癖を取るだけなので、トーンカーブ調整用カットをチェックしながら調整レイヤーを作成して、それを全てのコマにコピーすることで割り当てています。よってヘキサノンとプラナーの色的違いは再現できているかと思います。ちなみにカラープロファイルは「sRGB」を使用しています。

また、一旦スキャンで取り込んだ画像をダウンサイズしています。アンシャープマスクは、ウェブ用としてポジに近い見え方をするであろう最低限の「量90%、半径0.3pixl、しきい値0」だけかけています。



「10メートル先にピントを合わせたカット」


被写界深度域についてデータを計算してみよう。許容錯乱円の直径を135(ライカ判の24×36mm)で考えた場合の定数「0.033mm」として10M(10000mm)先にピントを合わせる。

Mヘキサノン 50mm F1.2→ 8633mm~11882mmで10メートル先前後約52cm
プラナー   50mm F1.4→ 8440mm~12267mmで10メートル先前後約71cm




「電線」

Konica Hexar RF
M-Hexanon 50mm F1.2
FUJIFILM Velvia100F
Copyright (C) 2006 GINJI, All Rights Reserved.







「電線」

Konica Hexar RF
CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 with 距離計連動アダプター
FUJIFILM Velvia100F
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んー。プラナーの方がやっぱり半段アンダーかなー(汗)

ぱっと目を引く部分は、次の5点かと。

1つは、画面右下の夕焼け部分。ヘキサノンよりもプラナーの方が赤茶色しています。プラナーというかツァイスレンズの特徴が現れています。

2つは、画面左中の手前5メートルほどの前ボケ。まぁレンズの周辺とも言えるでしょうが解像感は確実にプラナーの方が上。ヘキサノンは収差が出ているために像周辺が滲んでいます。

3つは、やっぱりヘキサノンのピントの薄さがしっかり感じられます。10メートル離れるとF1.2とF1.4じゃたかだか20cmの被写界深度の違いですが、もちろんその前後のボケ量はF1.2がスゴイ大きいんですね。

4つは、掲載写真が小さいのでわかりにくいですが、プラナーのもしやすこーしアンダーかも感を差し引いても、黒のしまりかたとディテールが良いことがわかりました。いわゆるコントラストがついていながら暗部の描写が良いってことです。

5つは、ヘキサノンはピントの合っている部分のシャープ感が非常に高く、被写界深度域をはずれるととたんに崩れていく感じ。プラナーももちろんピントの合っている場所はスンゴイですが、全体的に解像度が高い感じがします。



「3メートル先にピントを合わせたカット」

被写界深度的データを算出してみました。

許容錯乱円の直径を135(ライカ判の24×36mm)で考えた場合の定数「0.033mm」として3M(3000mm)先にピントを合わせる。

Mヘキサノン 50mm F1.2→ 2864mm~3150mmで10メートル先前後約1.36cm
プラナー   50mm F1.4→ 2842mm~3176mmで10メートル先前後約1.85cm




「電線」

Konica Hexar RF
M-Hexanon 50mm F1.2
FUJIFILM Velvia100F
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「電線」

Konica Hexar RF
CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 with 距離計連動アダプター
FUJIFILM Velvia100F
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プラナーの方がピント調整がアレなのに、ビンビン、きっちり、くっきり、ぴっちり来てます。ヘキサノンはすこーし滲んでいますね。

全体的に見ると、ヘキサノンは寒色系の玉、プラナーは暖色系の玉であることもよーくわかります。コーティングが違うんですから当たり前っちゃーそーなんですが、コニカのブランドカラーがそのまま玉に出てくるってのも面白いかと。ん? ツァイスも青だったか(笑)。

最近好きな周辺光量の低下ですが、両方とも似ている傾向にあるけれど、ヘキサノンの方が落ちていると思います。特にこの角度は周辺光量低下がよくわかりますね。

線のボケ具合ですが、モノが存在しつつ広がりながら溶けていくって傾向が結構似ている傾向にあるような気がします。キヤノンとニコンのような違いは感じにくいです。



「1メートル先にピントを合わせたカット」


被写界深度的データを算出してみました。

許容錯乱円の直径を135(ライカ判の24×36mm)で考えた場合の定数「0.033mm」として3M(3000mm)先にピントを合わせる。

Mヘキサノン 50mm F1.2→ 984.4mm~1016.1mmで10メートル先前後約0.5mm
プラナー   50mm F1.4→ 981.7mm~1018.8mmで10メートル先前後約0.7mm

ひー。まさしくカミソリのようなうすーいピント幅です。





「錆」

Konica Hexar RF
M-Hexanon 50mm F1.2
FUJIFILM Provia 100
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「錆」

Konica Hexar RF
CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 with 距離計連動アダプター
FUJIFILM Provia 100
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一応垂直にカメラを構えたつもりです。奥の落書きまではおよそ3メートル弱かな。でも微妙に角度と距離が・・・(汗)。そのかわり露出は、グレーオンリーなのでほぼ一緒かと(笑)。

ホント、ヘキサノンもプラナーもいいボケしています。偏った線が出なくて、滑らかに溶けていく感じ。それでいてピントの合っているポイントの切れ上がるシャープ感。それからここまで近づくとヘキサノンの方がプラナーよりも半段明るい分のボケ量の多さがわかります。


次いってみよー。





「サフィニア」

Konica Hexar RF
M-Hexanon 50mm F1.2
FUJIFILM Provia 100
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「サフィニア」

Konica Hexar RF
CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 with 距離計連動アダプター
FUJIFILM Provia 100
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はい。中央の白い花びらにピントを合わせました。サフィニアの鉢を画面上1/4に入れたので近接の中のわずかな距離のボケ具合と、およそ3メートル以上後ろの道路や街路樹に遠景のボケと木漏れ日っぽい点光源を入れました。

確かに計算上開放でピントが確実に合う場所っていうと合わせた場所の前後1mm以下です。と言ってもレンジファインダーなので中央でピントを合わせてカメラを動かすことが多いですから、正直ホントに狙った所にピントを合わせるのは難しいんでしょうね。とはいえ、ほぼ思った花びらの位置にピントが来ているから、よしとしましょう。

さて、ここでもヘキサノンの半段の明るさの差がはっきりでました。中央奥の花びらのふわっとしたボケとか、奥の光の大きさとか、プラナーよりも大きくなっています。全体で見ても街路樹の崩れ方に違いがあります。


次いってみよー。




「葉」

Konica Hexar RF
M-Hexanon 50mm F1.2
FUJIFILM Provia 100
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「葉」

Konica Hexar RF
CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 with 距離計連動アダプター
FUJIFILM Provia 100
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おおぉぉ。手持ちでほぼ同じ構図を取れた!>プチ自慢

ホント、こーして見ると色乗りに多少の違いはあれ、両レンズ共に良いボケを醸し出してくれています。ま、パソ用画像じゃわかりにくいですが(笑)。ちょっと本気で全紙ぐらいに伸ばしてから比べてみたいです。


次いってみよー。





「屋根」

Konica Hexar RF
M-Hexanon 50mm F1.2
FUJIFILM Provia 100
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「屋根」

Konica Hexar RF
CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 with 距離計連動アダプター
FUJIFILM Provia 100
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次いってみよー。




「止まれ」

Konica Hexar RF
M-Hexanon 50mm F1.2
FUJIFILM Provia 100
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「止まれ」

Konica Hexar RF
CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 with 距離計連動アダプター
FUJIFILM Provia 100
Copyright (C) 2006 GINJI, All Rights Reserved.





んー。この輝度比はリバーサル的に厳しいですねぇ。撮影時間は太陽が落ちたけどまだ明るい状態の6時ぐらいです。この時間でもまだ空は明るいのですが、降り注ぐ天空光が少ないために、手前の白い部分をゾーン6ぐらいにしようとしました。すると空はオーバー目、奥の樹木はアンダーになってしまいました。空に関してはレンズの周辺光量落ちでなんとか色が付いているって感じですね。露出難しーい。





総括すると、ヘキサノンF1.2はプラナーF1.4に比べて半段明るい差というのは、ボケに関してアドバンテージが高いです。ボケの質は似ているかなー。次回は同じF1.4にしてみようかな。でも開放撮影が主な使い方だからなー(笑)。

中心から周辺までのレンズ性能はやっぱりプラナーが上。ヘキサノンは周辺で少し滲みますし光量も落ちます。

まぁ、今回はプラナーをヘキサーRFに取り付けるという メンドクサイ 撮影なので、今後の出撃回数は減ると思いますが、面白かったので、他のツァイスもMマウントで使ってみようかと思います。プラナー135mm F2とか(笑)>ピント難しいぞー

そうそう、ヘキサノン愛好者として。いやー、今まで使っていて優秀だなーとは思っていましたが、実はここまでエライとは思っていませんでした。>おひおひ

自分が知っている範囲では、このM-Hexanon 50mm F1.2って多くの藤澤商会モノのように過去の設計のリメイクでもなさそうですし、リミテッドモデル専用で設計したっぽいんですよね。ということは世の中に2001本しかありません。ある意味ライカのある種類のレンズ的な貴重さかも(笑)。お店やオークションで、「レンズのみ」で売られていることは少ないと思います。まぁ2001年発売当初の価格から考えれば現在は 人気薄で 格安状態ですし、ヘキサーRFもライカと違った方向系優秀なボディですから、 標準大口径開放撮影 が好きな方は、ぜひどうぞ。ぶっちゃけ、レンズのためにボディごと購入するって感じで(笑)。


おわり。



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