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アクシデント 5



「これで、冷やして」
「ありがとう。」女は、俺から手渡されたタオルを顔にあてた。
「冷たい」
「腫れが引くといいね。ホントに、他はどうもない?」
「・・・脚が・・・痛い」
「脚?どの辺?」
「ひざと、腿の辺り」
「ちょっとまって」俺は急いで洗濯済みのランニングパンツを引っ張り出してきた。
「これに履き替えて。脚、見せてみて」
女はタオルを置いて立ち上がり、Gパンのボタンに手をかける。
俺ははっとして、後ろを向く。

Gパンを脱ぐ音が生々しい。
今振り向いたら下着姿なのかなぁ、なんて、俺ったらまた・・・。

「着たよ」女の声に振り返ると、投げ出した白くて細いナマ脚が目に飛び込んできて慌てたが
「どこ?」なんて、傷のことしか頭にないというふりをした。

「ああ、やっぱり腫れてる感じだね。打撲かなぁ。そこも冷やす?」
「大丈夫」
「いや、冷やしたほうがいいよ。たしか湿布があったと思う。」
俺は立ち上がって、救急箱の中を探す。

「あったあった」
女のそばに座って、脚に湿布を貼ってやる。
「じっとしてて」俺は丁寧に湿布を脚にのせる。
冷たいのか、一瞬、女の脚がぴくっと微かに震えた。
「腿にも貼っておこう」俺がそう言うと、女は短パンを捲り上げて太ももをあらわにした。

それは、触ったらきっと柔らかく、ほんのりとあたたかそうで、つるんとしていて、
・・・やたらと色っぽい。
さすがに、そこに貼るのは緊張する。
俺の心をよんでいるのか、湿布貼りに真剣になっている俺に
女は囁くように、もう一度言った。
「泊まっても・・・いい?」

はい、ぜひ泊まっていってください・・・

あ、いや・・・その・・・

「あ、ん・・・冷たい・・・」
湿布が触れた瞬間、女は身体に少し力を入れ、悩ましい声を出した。



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