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玲子20~葛藤~


慎司は私の身体を起こすと、手を引いてバスルームに連れて行った。
脱がされるためだけに存在していた真紅の下着を、慎司の手が剥ぎ取ってゆく。
ブラのホックを後ろから外しながら、慎司はアタシの首筋にキスをする。
「玲子はね、」耳元でささやく。
「自分から男を攻めるのが得意だと思ってるかもしれないけど、ほんとはね、こうして男に攻められるほうが感じるんだ。」
そうかもしれない。アタシは男に身をゆだねるのが怖いのかもしれない。
そしてそれは、とても屈辱的なことでもあった。

アタシにとって男は「軽蔑」すべき生き物。
そんなやつらにカラダを預けるなんて、したくなかった。
アタシから攻め立ててやるほうが楽だし、精神的にも肉体的にも気持ちいいと思っていた。
上から、見下してやる。アタシのセックスのやり方は、いままでずっとそうだった。
こうしてイニシアチブを慎司に取られ、次にどんなことをされるのか、予想がつかない。
そういうなかで快感を与えられることの不安と羞恥心。
それがアタシをぞくぞくさせる。これまで感じたことのなかった興奮を覚える。
いままでそれを男に許さなかったのに、慎司にされることをどこかで望んでいる。
もしかしたら・・・写真の存在はアタシにとって、単なる自分への言い訳なの?
写真を握られているから、仕方なく許している。そう自分を納得させていただけ?
でも、ほんとうは・・・
写真なんてどうでもいいのかもしれない。
アタシは、慎司を求めているのだ。
慎司と他の男と、一体どこが違うというのだろう。

慎司はゆっくりとブラの肩紐を下ろすと、丁寧にアタシのカラダから外した。
アタシの脇から手を入れて、後ろから乳房をそっと両手のひらで包む。
慎司の手は、暖かかった。
中指で、先端をゆっくり撫で回す。敏感なそこは、すぐにつんと硬くとがる。
中指から、人差し指、薬指、と、撫で回す指を増やしていき、手のひら全体で、乳房を揉みしだく。
あ、ん・・・
慎司は自分も裸になる。正直な慎司のそこは、アタシのカラダに反応して既に役目を果たせる状態になっていた。
履いていたTバックのショーツを下ろして、後ろから腕を回してアタシを強く抱きしめると、
慎司の硬くなったものがあたるのがわかった。
慎司のあの「匂い」が、切ないくらいにアタシを包み込む。
慎司はアタシが欲しいんだ、と実感した。

「オレが、玲子を洗ってあげる」
シャワーブースに2人で入る。慎司がボディソープを手のひらにとって、泡立てる。
アタシの首筋に泡を付ける。やさしく撫でてゆく。手を徐々に下に移動させて
乳房にも泡を付けてゆく。背中にも、お尻にも。
アタシはたまらなくなって、慎司の首に手を回して、キスした。
泡まみれになった体を慎司にくっつけて、執拗にキスし続ける。
舌を絡ませて、慎司もアタシのキスに応える。
卑劣で、いやらしくて、変態な女好き。軽蔑しているのに。
カラダが熱くなって、とまらない。
どうしてこんなにも、この男の声は、指は、くちびるは、そして硬くなったここは、
アタシを狂わせるんだろう・・・
慎司の指が、アタシの蜜でぬるぬるした柔らかい場所に忍び込む。
「はぁっ、、」思わず声が洩れる。
アタシも慎司の、欲しくてたまらない慎司のものに、指を絡ませる。
「ねぇ・・・今すぐ、欲しい・・・お願い」
すぐにでも、ひとつになりたい。アタシは、強く思った。



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