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ヒトヅマ☆娼婦 5


車はあたしの知らない道を走る。
あの人はしばらく黙っていた。
信号で停まったとき、あの人が口を開いた。
「君の意志は?」
「え?」
「君はいいの?よく考えたの?」
「よく考えたわけじゃないけど・・・」
「恋人じゃなく愛人だよ。わかってる?」
「・・・」あたしは違いがよくわからなかった。
相手が結婚してるから愛人?
「僕と愛人契約を結ぶってこと。
言っておくけど僕は厳しいよ」
契約?厳しい?
「そのかわり、ちゃんと僕の希望通りにしてくれたら
それなりに報酬は支払う」
報酬・・・。
「報酬って、」あたしは思わず聞いていた。
「幾らなんですか?」
「1ヶ月3、4回会って7、8万かな。最初の1ヶ月は試用期間だから。
君に投資もしないといけないし」
それって高いの?安いの?
相場がわかんない。見当が付かない。
あたしに投資?
「その後は1ヶ月ごとの更新。その時点で金額を決める。」
「・・・・」
「それからあの店もやめてもらう。僕と契約してる間、水商売は禁止だ。
 どう?やめておく?」
「やります」
あたしはとっさに答えていた。
あの店は1日も早くやめたかった。お金もほしい。
それに、なんかおもしろそう。
もし嫌だったら途中でやめればいい。
やっちゃんも、そう言っていた。

『しのちゃんが嫌なら、やめればいいよ』





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