LP 白木秀雄 HIDEO SHIRAKI / 祭の幻想 In FIESTA 類稀なる音楽性と存在感で日本のジャズ史においてひと際強い光を放つドラマー、白木秀雄。その代表作のひとつが1961年録音の本作『祭の幻想』だ。 日本的旋律を、琴を起用した独特の編曲でクール極まりないモード・ジャズに仕立てた奇跡の名曲/名演「祭の幻想」を筆頭に、スリリングに駆け抜ける「Just One Or Eight」や、炸裂するドラム・ソロも圧巻の「Cherokee」など、エキサイティングな曲がずらりと並ぶ。 松本英彦や世良譲ら、名手たちの演奏も最高だ。60有余年を経てなお斬新な音楽性と、そこから立ち昇る熱狂。 今や世界を虜にする名作となった本作。この度は初となるモノラル盤でのアナログ再発を実現。 日本のジャズ史における金字塔を、圧倒的なサウンドで楽しんでいただきたい。 text by 尾川雄介(UNIVERSOUND/DEEP JAZZ REALITY)
言わずと知れた和ジャズの金字塔。 モード手法を採り入れたタイトル曲(八城一夫作)が収録されていることであまりにも有名だ。 この曲が書かれた1958年は世界的なモード初期作品、“Miles Davis / Milestones”と同年の吹き込み。 いかに彼らが最新のサウンドを研究していたかが窺える。 白木のイマジネーション溢れるスティック捌きもさることながら、本作を一層輝かせているのは松本、世良の二人の存在。 “JUST ONE OR EIGHT”等、随所で魅せる彼らのソロなくして“祭の幻想”は成り立たない。 (塙耕記)