先生、マイラ

【私の先生、マイラ】

次の日、荷物を持って学校へ行くと、まず先生を紹介される。

マイラ。
浅黒く、目鼻立ちがはっきりしてて、もろにグアテマラ人って感じの女性。
歳は私と同じくらい。

ここでは先生と生徒が1対1で、ずっと同じ先生が教えてくれる。
こっちがクビにしたり、特別な理由が無い限り。


結果、マイラで本当に良かった。
根気良く教えてくれたし、明るいし、おしゃべりが好きで、話題が豊富な彼女とは話していて楽しかった。
おばさんの先生も少なくなかったが、おばさん先生とじゃネイルの話や流行りのミュージシャンなどの話は厳しかったかもしれない。
そんなマイラとの会話で覚えた単語は、よく使う単語なので助かってる。

マイラは結婚していて子供もいて、その嫁姑問題とか、日本の母が抱えてるような問題なども聞けて、グアテマラでもそうゆうのあるんだ~って事も知れた。

それにマイラは裕福では無かった。
家は小さく、洗濯機が無いので家族の洗濯物を全て手洗い・手絞りしていた。
それは多分グアテマラの一般的な感じ。
私のホームステイ先は裕福な方だったから洗濯機もあったし、家も欧米風だし、食べる物は大して変わらないんだろうけど食事はシルバーと共にランチョンマットの上に用意され、毎回必ずキリストへのお祈りの後にスープから始まる食事だった。
マイラにはいろいろと普通のグアテマラを教えてもらえた。


マイラは学校以上の事もしてくれた。
美味しいと聞いていたププーサとゆう中米の郷土料理を作りたいと言うと、彼女の家に招待してくれて、作り方を教えてくれた。

先生にはその学校専属の先生と、派遣のような先生と2タイプある。
マイラは後者だったので規則でがちがちじゃなく、良い意味でかなりフレキシブルだった。

学校は確か朝の8時からで、10時だったか10時半から30分の休憩がある。
最初は教室で授業をするけど、休み時間の後は大概場所を変えて、前の公園や見晴らしの良い屋上で勉強したり、市場やゴージャスなお墓に行き説明をしてくれたり、その街の文化を教えたり。
ホームステイ先のおばあさんの誕生日に花を買いたいと言うと付き合ってくれたり、お土産用のピニャータを買うのも付き合ってくれた。
私は授業の休憩時間に走ってこっそりマイラの好きなケーキを買ってきた事もあった。
マイラは誕生日でもないのに!と喜び、二人で屋上に行きこっそり食べた。

彼女は一生懸命生きてるのが伝わってくる人だった。


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