授業



授業は朝の8時から1時まで。

私の家の朝食は7時半からなので、学校に着くのはぎりぎりか、少し遅れるくらいだった。
シェラは標高約2300mなので、酸素が薄い。
息を上げて学校に着くと、いつもマイラが待ってた。
少し遅刻した時は、「今日は来ないのかと思った~。」って本当に焦ったような顔をする。
生活の為には1日でも休みたくは無いんだろう。

授業は文法の基礎の基礎から始めた。
Estarの色々な使い方から。
日本で勉強してたから知ってはいたが、使いこなせてはいなかった。

それに、知ってる事から習い始めて良かった。
なぜなら、授業が全てスペイン語だったから、授業に必要なスペイン語を余裕をもって勉強できたから。
日本で勉強したのは、文法の名前とかは日本語だった。

例えば、単語・動詞・現在形・冠詞とか。
「verbo(動詞)がどうで」ってスペイン語で言われても、「え?verboって何?」って聞けたから。

全くスペイン語がわからずにグアテマラのスペイン語学校に行った人の話を聞いたら、先生の言ってる事全てが解らないので、全てが解らなかったそう。

Estarの後はSer。
その後もLoとかLosとかMeやLeの使い方から始まり、現在形・現在進行形・点過去形・線過去形・未来形・過去未来形やそれぞれの動詞活用のイレグラル形、その後、現在完了形を勉強した所で私はグアテマラを去らなくてはいけなくなった。

過去未来形は勉強してなかったので、理解するのに凄く時間がかかった。
丁寧に婉曲的な感じに言う時には使ってたけど、決り文句的に使ってた。
だからそれが何形なのかなんて考えなかったし、それ以外の使い方は知らなかった。
何が解らないかって、未来形と過去未来がどう違うのかがさっぱり解らなかったの。
使い方をみても、例文を出してもらっても、同じ意味にみえる。
どっちもDudaでも使うし、未来の事を言ってるし。
この時ばかりは日本語の辞書や参考書が欲しかった。過去未来だよ、とゆう日本語を聞けたなら、さっと片付いてしまう。
校長先生とかにも未来形と過去未来形はどう違うんだ?って聞いても、説明は難しいと言われたし。


日々の授業は大概「昨日は何をしてた?」と日常会話から始まる。
その後、前の日の宿題が作文だったりすると、それを見てもらったり。
湾岸戦争が始まった頃だったから、その話題とか。
おかげで日々の会話にはあまり出てこなそうな、戦争・武器・兵士・攻撃・大統領・副大統領・政府などとゆう言葉も覚えた。

この頃は新聞を読む余裕なんて無かったけど、新聞を読むのは結構良い。
なぜならよく使う単語や表現が豊富だから。
それに知っておいたら役立つ事が新聞には載ってる。
例えばストライキって言葉とか。
まあ知らなくても旅は出来る。
でも知ってると、いろいろと知れて良い。
今日は何故バスが動かないのか、事故かストか、など。解っていると、自分である程度事の予測ができるし、対策も考える事ができる。


話がどんどん反れちゃうけど授業ね。
勉強はまず文法の使い方をノートの書き写す。
この説明文は難しいので先生が言うのをただ書いてるだけだった。

その後、例文を使ったりしながら説明される。
殆どは事前に勉強してた事だったけど、一応聞く。
そして会話でそれを使いこなす練習。文法を知ってはいたが、これこそが私には必要だった。
だからあえて「これは勉強したから次にすすんで」とは言わずに、練習した。

でもそれは良かったのかも。会話の練習だけじゃなく、その会話の中には新たな単語が沢山出てくる。
その解らなかった単語をノートに書き、家に帰ってからひたすら暗記する。
この頃は1日50個~100個くらい単語を覚えた。
私はもの凄く単語力に欠けてた。
簡単な単語、よく使う単語も全然知らなかった。

でもゆっくり進めたのが良くないと思う時もある。
学んだ事を自然と口から出る程練習したのが良いとも思うが、どんどん文法も進めたら、もっといろんな事を習えた。
その分、家で自分がもっと頑張れば良かった話だ。
せっかくのホームステイなんだから、会話の練習はお父さんやお婆ちゃんを捕まえて付き合わせれば良かったし。

単語をたくさん覚えるのには時間がかかる。
そんなのは解ってるけど、その時にわざわざ勉強して覚えて、その頃の会話に役立った、、けど!
そんなのは日本でも出来る事だ。

あの頃は単語力が必要と思ったけれども、それは確かに必要だけれども、あの時は文法を進めても良かった気もする。

それをわかってはいたけど、実際にスペイン語留学してみて心から思った。
単語力だけでも日本で見につけていくべきだったと。
授業中に解らない単語を辞書引いてる時間が勿体無かった。
それが悔しかったけど、何を先に覚えるか。それは授業で解らなかった単語だった。

その時やらなければ、同じ事の繰り返し。
もっと前にやっておけばって。
だから、勿体無いけど、その時にたくさんの単語を覚えた。
先延ばしにせずに今やっておいた方が良いと思う事で、いっぱいいっぱいだった。


10時だったか10時半くらいに一度休憩がある。
この時間には沢山のパンが用意され、先生も生徒も食べながらゆっくりと休む。
ちなみに飲み物は珈琲、紅茶が飲み放題だったので、授業中でもいつでも飲んで良い。

休憩って言っても、結局人と話す時はスペイン語を話すので、スペイン語自体を休憩する訳じゃない。
英語を話す人達は固まって英語を話したりしてる。ドイツ人はドイツ人で固まってたり。
でもその人達の輪に私が入って行くと、みんな頑張ってスペイン語で話してくれる。

中南米で、、とは限らずか・・・現地ツアーなどに参加すると様々な国から来た外国人だらけなので、そのツアー参加者の共通の言語が英語になってしまったりする。
そうゆう時、私は英語が苦手な上に英語を話せる方が普通だとゆう空気があるので、かなり疲れてしまう。
でもスペイン語学校ではそうじゃない。
英語が話せなくてもかまわない。みんなスペイン語を習いに来てるんだからスペイン語さえできれば良いし、英語を話してる方が肩身は狭い。
ほんと、他に日本人のいない学校に来て良かった。
もし日本人がいたら、この時間はその日本人と日本語で話してしまっただろう。スペイン語の休憩だ、と。

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