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おばはんの体育な日々
第23回山口100萩往還マラニック250km(11)
第23回 山口100萩往還マラニック大会
<日時> 平成23年5月2・3・4日(月・火・水)曇り・曇り・晴れ
コース図および高低図
地図上の数字と地名はチェックポイント。
<結果> ゴールタイム 43時間04分57秒
マラニック大会ゆえ、順位はありません。
------------------ 大会概要(大会HPより) ---------------
毎年5月の大型連休中2日から4日にかけて、山口県山口市の瑠璃光寺庭園を中心会場(一部種目を除く)として開催しており、競技は走ることを基本とした「マラニックの部」が250km・140km・70km・35kmの4種目、そして歩くことを主体とした「歩け歩けの部」が60km・35kmの2種目と、各人の体力・脚力に合わせて参加できるよう全6種目に分かれています。
マラニックの部競技内容は、山口市を振り出しに地図を頼りに決められたポイントを廻る、言わばスケールの大きなオリエンテーリングのようなものですが、中でも超長距離種目である250km・140kmの選手は非常食や着替えを詰めたリュックを背負い、ほぼ夜を徹して走ります。
風光明媚な山口の自然をふんだんに盛り込んだコース設定は、アップダウンを極め、肉体的にも精神的にも厳しく過酷なレースです。最後は精神力との勝負と言えるかもしれません。
歴史の道「萩往還」は、全種目に共通したコースです。峠越えの険しい山中でも、ここですれ違う選手達は声を掛け合い励まし合いながら共にゴールを目指します。記録や順位を競うだけでなく、選手同士、またエイドのスタッフやボランティア達とふれ合い親睦を深めることも、この大会ならではの楽しみです。
新緑のすがすがしい木立の中、歴史の道「萩往還」の往時の姿に想いをめぐらし、また山口県の自然や人情にふれながらのラン&ウォークを是非体験してみられてはいかがでしょうか。
参加されるにあたっては、決して無理をせず自分の体力に合わせて種目をお選びいただきますようお願いいたします。
------------------ 萩往還 ------------------------
「萩往還」とは、慶長9年(1604)毛利輝元が萩城築城後に山陰と山陽を結ぶ参勤交代道として開いた道です。城下町萩(萩市)と瀬戸内の港三田尻(防府市)をほぼ直線で結ぶ全長約53kmのこの街道は、庶民にとっても重要な交通路となり、また幕末には維新の志士達が江戸や京へと往来し歴史的にも重要な役割を果たしました。
かつての道沿いには、藩主一行の宿泊所や休憩所となった御茶屋や駕籠建場など様々な施設が置かれ、また一里塚・往還松のような旅人のための道標も設けられており、今でもその面影を一部にとどめています。
こうして重要な交通路として明治中頃まで300年にわたり栄えていた萩往還ですが、山越えの険しい道であるが故いつしか姿を消してゆき、一部は廃道となっていました。
しかし、この貴重な古道や史跡を後世へ伝えようと、昭和56年から63年にかけ沿線の市町村が中心となって保存整備を行い、歴史の道「萩往還」として復元されました。
平成元年には国の史跡に指定、さらに平成8年には文化庁から「歴史の道百選」に選定されました。
昨年この萩往還マラニック140kmの部に参加し、幸いなことに完踏できた。
140kmに参加すると、完踏のいかんに関わらず、次年度以降の250kmの参加資格が得られる、ということで勢いで申し込んでしまった250km。250kmというとてつもない距離を制限時間の48時間以内で果たして踏破出来るものなのかまるで自信はないが、申し込んだ以上、全力を尽くしてこれに立ち向かう以外にない。
スタート地点の山口へは、自動車で行く案も浮上したが、250kmを完踏した後自力運転で帰宅するのはあまりに危険と判断して、昨年と同じく新幹線で向かうことにした。
ハリーさん
が所属チームの応援のために山口入りされるということなので、帰りはお車に便乗させてもらって連れて帰ってくださるかも、と厚かましい期待もあって。
完踏出来るかどうかまったくわからないのだが、昨年250kmに参加されたJogNoteリンクの走る社長
旦那さん
のタイムを参考にして、希望的第一目標が44時間、もちろん48時間以内完踏できれば大いなる目標達成だ。
※ 自宅出発からスタートまで
2日はカレンダーは黒字だけど休業し、自宅を早くない朝に出て、新幹線で一路山口へ。
GWの真っ只中ではあるが、今年も自由席はよく空いていた。山口着はちょうどお昼ごろだった。
山口駅で電車を降りると、3月に淡路島一周練習会でご一緒だったコノちゃんさんのグループと会ったので、お話しながら約2kmの道のりを会場に向かう。道中の食堂で昼食をとる予定だったのだが、目当ての店は閉店してしまっており、空腹のまま受付会場へ行くことになった。
選手受付は公園の中の趣のある庵「松籟亭」。
瑠璃光寺門前のおみやげ物屋さんの離れの女子更衣室に重い荷物を置かせていただき、必要物のみ持ってセミナーならびに説明会会場の教育会館へ。途中のスーパーでお昼弁当を調達した。
会館のロビーで聞こえてくるセミナーの声を聞きながら昼食。ここで更衣準備をするランナーも多い。女子はロビーで、というわけにないかないが幸い広いトイレがあるので、充分に着替えられるようだ。
午後3時からは説明会。
Aコース10回完踏の表彰もあり、世の中にはすごい人がおられるもんだ、それも何人も。ここで
アッキー8989さん
に会い、おとなしく並んで説明を聞いた。
説明会で聞いたこと。
チェックポイントの写真などを見せてもらい、道を間違わないように。距離の短くなるような故意のコースアウトは絶対しないこと、発見すると失格にするって。豊田湖畔のエイドへのコースはショートカットが可能だそうで、故意のショートカットが横行してたそうだ。
真っ暗な山道を走るので、夜間走行はできるだけ単独走を避けるように。等々。
香山公園に戻り、スタート前にいただいたうどん券の権利を行使。後になるときっと忘れそうだったので。
スタート時の装束…下はCW-Xのロングタイツ(プロモデル)とショートパンツ、上はナイキの長袖シャツに半袖Tシャツの重ね着。足元はCW-Xの5本指ソックス、シューズはニューバランスのウルトラ用カンペイちゃんモデル、メッシュのキャップ。リュックのベルトにLEDライト、キャップにもライトを装着。
携行リュック…防寒着薄いのと厚いの2枚、ウィンドパンツ、ビニール簡易カッパ、手袋、バンダナ、首筋の日除けカバー、スポンジ、ハンドライト、梅塩飴と塩キャラメル数個ずつ、塩サプリ、ドリンク入りペットボトル、500ml1本、デジカメ、予備の乾電池、小銭(とも言えない約1万円)、コース地図、タオル、ウェットティッシュ、ティッシュ、皮膚の保護に馬油、万一の連絡のため携帯電話。
ドーピング薬、眠気ざまし薬「カフェロップ」痛み止め「ロキソニン」胃薬「ファモチジン」。
受付でいただいたエコカップはブラブラしないようにリュックのポケットに入れた。これもいただいた青い点滅ライトは、背中のリュックと、肩ベルトの前部にそれぞれ装着。点けっ放しでも1週間は電池が持つ優れ物ですって。
着替えポイントに送る荷物。
油谷中学校行き…着替え・長袖半袖1枚ずつ、ロングタイツ1枚、下着、ソックス、朝バナナゼリー。
宗頭センター行き…着替え・半袖シャツ(長袖シャツも入れたつもりが、入ってなかった!)、ロングタイツ1枚、下着、ソックス、タオル、朝バナナゼリー、歯磨き用具。
それぞれ荷物を預けてスタート地点へ。なーんも準備運動しないままスタートに並んだ。
応援のハリーさんに
笑石人さん
を紹介してもらい、JogNoteリンクの偉大なアロハさんの尊顔を拝し、恭悦至極なうちに時間が来た。
スタートは20人くらいずつのウェーブスタート。前の組が直線の角を曲がって見えなくなったら次がスタートする。
5組目だったかな、エイエイオーの雄叫びを上げて、午後6時10分くらいにスタート。長すぎる旅が始まった。
★スタート~豊田湖畔公園チェックポイント<58.7km> 到着時間 5/3 01:30
夕暮れの街並を、ゆっくりと南下、矢原河川公園の自転車道は昨年の140kmのコースと同じだ。今年は去年より沿道で応援してくださる方が多いような気がする、Aコースだから?
交通ルールを遵守、歩道を走り、赤信号ではきちんと止まって待つ。
後方スタートの速い方々が颯爽と抜いていく。笑石人さんも。
次第に暗くなってライトを点灯。
ヘッドランプのゴムベルトの締め付けが苦手で耐えられないので、今年はキャップのツバの先に挟むタイプのヘッドライトを採用した。視界の妨げにもならず使い勝手はいいのだが、哀しいかな小さいゆえに光量不足であまり明るくない。改善の余地アリ。いただいた青いLEDピカピカランプはよく目立つ。
応援のハリーさんに再会したのは下郷駐輪場エイドだったかしら。序盤の夜のコースはほとんど記憶が定かでありません。
「西寺交差点エイド」でトイレ休憩。
ビロウな話で恐縮ですが、最近タイツを履いて長距離を走ると股ズレができてひどいことになる。トイレではウェットティッシュでの清拭が欠かせない。
説明会でショートカットをきつく諌められていた豊田湖畔、コース真ん中でゼッケンチェックのスタッフさんがいた。こんなまっ暗い中、コースでない道を行く方が勇気が要ると思うけどなぁ。
豊田湖畔CP到着。チェックシートにパンチを押す。各チェックポイントでパンチの形が違っていて、それぞれのパンチがすべて揃わないと完踏は認められない。
食券でうどんとおにぎりをいただく。おにぎり2個は多い気がしたが、いただいた以上残すのはいかんと思って完食、これは正解であった。
★~海湧食堂<87km> 到着時間 06:10
豊田湖畔公園を出てしばらく走るとだんだん山道になり、俵山温泉を過ぎるとさらに上りがきつくなり、ここで無理をして走っても意味はないので、歩く。歩くと眠い。ほとんど車は通らないので道の真ん中あたりを歩いているのだが、路肩にフラフラと寄ってきて、ア、今寝てた、と気がつくことがしばしば。近くのランナーに手当たり次第に話かけるが、話題が尽きて黙って歩くことになると、気がつくと寝ている。一晩めからこれでは先が思いやられる。
他のランナーのライトの白い明かりの動きが小動物に見えたりもした。これって幻覚か?
砂利ヶ峠を過ぎて下りになるが、下りを走るのは故障のもと、やっぱり歩くので、眠い。眠気ざましカフェロップを舐めるが、眠い、眠い。
下りが楽になって走れるようになり、かなたにエイドの光が見えたときは、ほんとにホッとした。
新大坊エイドではお豆腐とホットコーヒーをいただいたかな。
ここでアッキーさんと再会、以後しばらくお話しつつ一緒に走った。
エイドを出ると夜が明けてきて、眠気は治まった。太陽の光はたいしたもんだ。
アッキーさんが生理的欲求でコースアウトした後、ほどなく、海湧食堂に到着。中華丼風ご飯を、半分にカスタマイズしていただいた。この後ずいぶんお腹が空いたので、これはみんないただくべきでした。
食堂から少し行った油谷中学校で預けてある荷物を受け取る。前述のごとく股ズレが悪化しないように、清拭と下着の穿き替えを行った。
ここで更衣室に置き忘れられたマイカップを発見しスタッフの方にお渡ししたら、ずいぶんご立腹でしたわ。きっとそのランナーはまだ寝ボケてたのでしょうね。自分も忘れ物がないか何回も確認して部屋を出た。
★~川尻岬チェックポイント<107.8km> 沖田食堂 到着時間 09:30
これから日本海に付き出た半島を時計回りに一周、半島の突端や折返しなど、チェックポイントが多くなる。結構なアップダウンで、上り坂はもちろん下りも歩く。海沿いを走るのだが、曇り空で黄砂もあってか見通しがすこぶる悪く、いい景色は拝めない。
淡路島一周練習会でお世話になったNAMIさんと会い、お話しながら歩く。NAMIさんは単車で山口入りされたそうで、高速は事故等もあって結構混んでいたらしい。やっぱり山口への交通手段の選択は正解でした。
「このカーブを曲がったら多分チェックポイント」とNAMIさんがおっしゃる通りに、俵島チェックポイントが出現した。100km近く走ってきて、やっとふたつ目のチェック。
軽トラックに水など補給物資を載せておばさんが待機してくれていたので、お水と飴をいただいた。
それからも走れる程度の坂は走り、あかんところは歩きの繰り返しで進む。
前方からランナー達が帰ってくる対面通行になってすぐ、川尻岬に到着。沖田食堂でカレーをいただく、ここではやや控えめでとお願いした。
★~千畳敷チェックポイント<125.4km> 到着時間 12:32
食堂を出てまた上り。峠を過ぎると段々畑の中を、前方の海に向かって落ちそうな急坂を下る。もちろん歩いて。途中の曲がり角でフルーツをいただいた。
やっと坂が終わり、漁港から海沿いに平坦な道を走る。
立石観音チェックポイント<117.7km>。海にそびえる巨岩そのものが「立石観音」なんでしょう。
海から離れてまた上り坂、歩く。
この上りの途中で前方の女性ランナーに追いついたら、昨年村岡100kmで最後まで追いつけなかったカゲコさんだった。「私は順位とかには頓着してなくて、誰かと競るのは嫌い、後のランナーが悔しがってたのがおかしかった」とおっしゃる。その後のランナーが何を隠そう私だったんですとは言いだしにくく、その件には以後触れずに坂を並んで上った。
津黄峠への上りはきつい、ひたすら歩く。
やっと上りきったら、少しだけ下り、今度はバイパスの半端ない上りロードが現れた。こんな急坂が自動車道路とは信じられない。はるかかなたまで見通せて、見えるところは全部急坂、うんざりどころではなく気が萎える。
しかたなく坂をヨチヨチ歩いていたら、後から軽快な足音と共にストックを両手に持った青年が近づいてきた。抜かれざまに訊いたら、1本125gの超軽量ストックで、軽いけど強度もそこそこトレランにも使えるって。折り畳んだら40cm以内に短くなるのも優れ物。彼は昨年下りで膝を痛めて途中リタイアを余儀なくされたので、今年はこのストックで下りを膝に負担なく歩き上りを早足で歩く作戦だそうだ。この坂にストックはいかにも役に立つ。
ようやく上りきって千畳敷。ここで移動応援のハリーさんとアロハさんに再会、「ここで半分!」と言われて、まだ半分しか来てないんや、今さらながら250kmという距離の長さを思い知った。
さほど暑くはなかったのだが、坂を上ってきたご褒美に320円のソフトクリームを買って食べた。
千畳敷は雄大な日本海の景色がすばらしいはずなのだけど、この日は曇りで黄砂もあり、眺めはよくなかった。右手に小さく写っている赤い人がハリーさん。
★~仙崎公園 <143km> ~鯨墓~仙崎公園 <164km> 出立時間 18:24
上った以上下りがもれなくついてくる。
千畳敷を出て下り、急すぎるところは歩いて、やや緩いところは走って。件のストック青年に追いついてしばらく話しながら歩いた。
道が平坦になり、集落が見えてきて、黄波戸口エイド。
中学生かなピチピチ少女達が明るく出迎えてくれる。カップヌードルやうどんどん平衛などがおいてあった。そろそろお腹が空いてきてて、どん平衛には大いにそそられたが、あんぱんを2個いただいた。
エイドの隣にブルーシートを敷いて休めるようにしてくれてある。前着のランナーに「短時間でもシューズを脱いだら楽になる」と言われて、素直に聞き入れ、シューズを脱いでしばらく横になった。足の裏がそろそろふやけてきたのか違和感が出はじめていたのが、これで少し蘇ったかな。
エイドを出ると平坦な街中の道が続く。地図上は海沿いの道路なんだけど、その記憶はありません。
喉が渇いてきたので、道沿いのスーパーの自販機でお茶を購入した。後続のランナーさんはスーパーに入ってビールを調達してたみたい。スーパーの駐車場で先ほど坂の上でフルーツをくださった女性が、今度はコーラをくださった。ここで資材を調達して、またあの地点のエイドにもどるらしい。ありがたいことであります。
街中を走って海に出たら、仙崎公園着。
ここから鯨墓までは約10kmの往復コース、皆さんリュックを置いて軽装で走ることになっているようだ。
リュックを置いていたら笑石人さんとバッタリ、こんな所でなぜ会うの?と思ったら、彼は20kmの鯨墓往復を終えて帰って来たところだったのだ。そりゃそうだわね。
エイドの方の「2時間やね」と言う声が聞こえた。
トップに近い方々が2時間、ということは、3時間くらいか、3時間なら明るいうちに帰ってこられそうだ、照明器具は装着せず、命の次に大事なチェックシートと、マイカップ、エイドでいただいたペットボトルを1本だけ持って行くことにした。先ほどの自販機で小銭を使い果たしたため、念のためチェックシートのケースに千円札を一枚入れた。
仙崎公園を出ると、「金子みすゞ記念館」という看板が出ているのが目についた。あのACのCMで有名になった童謡作家金子みすゞは、このあたりの出身らしい。これが大会でなければ、そしてもう少し余裕があれば寄り道したいところだけど、とてもそんな余裕はなし。
青海大橋を渡って、青海島へ。
ここで出会ったT岡さん(昨年Bコースをご一緒してお話し、往還道で抜かれたと言ってくださったが、あまり覚えてなくてごめんなさい)・S原さんと並走する。
復路の速いランナーさん達とすれ違うので、そのたびにエールを送る。
昨夏に氷ノ山をご一緒して熊の恐怖を共に体感した、もっくんとすれ違った。
海を見ながら、ほとんどまっすぐな道を走る。行けども行けども進まない感じ。
やっと静ヶ浦キャンプ場に着いた。T岡さん曰く「ここでやっと6kmですかぁ」まったくの同感でした。
ここでの食事は往路復路のどちらでもよく、まだお腹があまり空いていない感じでもあったので、あと4kmの往復は軽いと思えて、復路に楽しみをとっておくことにしてS原さんと先を急いだ。
先を急ぎたいのだけど、キャンプ場を過ぎるとアップダウンがきつくなり、歩きが多くなって、ちっとも進まない。平坦になって走れるようになっても、進まない。
いったいどこまで行ったらいいのよぉ、と切れそうになった頃、ようやく鯨墓チェックポイントに到着した。
折り返してもと来た道を戻る。晴れはボンヤリなんだけど、暑くなってきた。持参のペットボトルを飲み干してしまったが、千円札を使える自販機がなく、往路でジャニーズのような美少年がいた私設エイドで給水をと思ってたがすでに撤収したみたいで見当たらず、キャンプ場までひたすら我慢。
アッキーさん、よしだ~さん、岡山のお二人とすれ違う。淡路島一周練習会でお会いしたよしだ~さんは100km7時間台のスピードランナー、こんなところでお会いするような方ではないのだけど、大会直前に足を痛められた由、でも元気そうでした。
mayumiさんともすれ違った。
カラカラになって静ヶ浦キャンプ場に着き、うどんをいただき、ペットボトルに冷水を補給させていただいた、やれやれ。
キャンプ場を出てからはそれまでより走れた、お腹が空いていたみたいだ。
青海島を出る直前に道を間違えて(往路で通ってきた道なのに!)100mほど進んだところで通りがかりの自動車の方に、そっちは違うと教えていただいて修正、事なきを得た。頭はかなりエネルギーが切れているもよう。
仙崎公園に着いて少し休憩、置いたリュックをまた背負い、気持ちも新たに宗頭に向かって出発した。
★~宗頭文化センター <175.7km> 到着時間 20:28 出発時間 23:15
「宗頭を午前0時までに出発すれば、あとは全部歩いてでも時間内完踏できる」
「宗頭は午前1時までに出発せよ」
「宗頭で午前4時まで仮眠し、そこからは元気で走ってゴボウ抜き、時間内完踏も果たせる」
宗頭を出る時間に関しては、諸説あるようで、その中で一番余裕のある午前0時発が一応の目標だった。仙崎公園を出たのが6時半、宗頭まで11km、いくらなんでも2時間弱あれば着くだろう。宗頭に着いたら、お風呂は入らずに仮眠を充分しよう、でないと一晩めでさえあんなに眠かったのだから、持つはずがない。
この先のことを考えながら平坦な夜の街を走る。平坦なのに、走れないで歩いてしまう。歩いていては予定通りに着かないと走り出すが、気がつけばまた歩いている。歩くので時間が過ぎても距離はちっとも進まない。
コンビニから出てきたランナーに「もう少しでしょうか?」と尋ねたら「ここから5km!」との答えに愕然とした。それからはいちだんと脚が動かなくなって、ほとんど歩きになってしまった。
後から足音が聞こえてきたと思ったら、よしだ~さんだった。あらま、これでは追いつかれるのは当然だ。
「多分もう少しです」そのひとことを待ってたのよ。
おっしゃる通りそれからほどなく宗頭文化センターに着いた。心底ホッとした。
宗頭では食券なしで軽食(おにぎり)とお味噌汁がいただける。ビールを飲んでいる人もいたが、これはセンター内には売ってなくて、センターに入る前に酒屋で調達するのだそうだ。後学のために。
足首と膝が鋭角に曲がらず、お尻も痛くて床に座っての食事はかなり苦痛であった。
シューズを脱いで投げ出した足から、恐ろしい臭いが立ち上ってきたので、予定を変更、お風呂をいただくことにした。お風呂は誰も入ってなくて貸切状態、あまりゆっくり温まるのはいかんと思い、汗を流すだけにした。ウェアは全部着替えるつもりだったが、預けた荷物に長袖シャツを入れ忘れており、更衣は下半身だけになった。それでもずいぶん気分はリフレッシュできた。
服を着ているときに入ってきた方は、仙崎公園で関門アウトになって鯨墓に行かせてもらえずにこちらに送られてきたそうだ。頑張ってねと励ましてくださった。
お風呂から上がって二階の仮眠所へ上がり、空いているスペースに横になった。それぞれ毛布が用意してくれてある。時間は9時を過ぎていた、このときには眠くて出立時間を考えることもできず、携帯のアラームをセットもしないで(セット方法を知らない)眠りについた。どうにかなるさ。
途中何度が目が覚めたが、意を決して起き出したのは11時前だった。2時間近くも眠ったことになる。
リュックを持って廊下に出ると、青海島を一緒に走ったS原さんがいて、「これから夜の峠越えは道を間違う危険性が大、一緒に行きましょう、何回も完踏された方を道案内に確保してあるから」と誘ってくださった。なんというありがたいお申し出。イチもニもなく同意した。
宗頭を出たのは11時15分、完踏数回経験者のI田さん、S原さん、T岡さん、Oさん、ともう二人(お名前を失念しましたごめんなさい)確か7人のグループになった。
★~虎ヶ崎チェックポイント <206.9km> 到着時間 4日 6:04
宗頭を出て川沿いにしばらく平坦な道を行く。長い休憩のあとなので最初は歩いて、しばらく行くと気持ち走って。
藤井商店でチェックし、ここから左に折れて山道に入る。上り坂なので、当然歩く。
鎖峠まで上りを淡々と歩く。歩いていると眠くなって来るので、ご一緒の方々とたわいもない話をしながら、歩く。
峠を越えて下りになるが、真っ暗な下りを走るのは危ないし、グループとはぐれるのはもっと危ないので、歩く。厚いウィンドブレーカーを着ていても、歩いていると寒い。寒いとさらに眠い。
山道から広い道路に出て、車通りもすこしあるようなので、フラフラ寝ていてはさらに危ないが、でも眠い。会話が途切れると、確実に歩きながらウトウトしてる。
半分寝ながら、三見駅チェックポイント到着。
三見駅からはさらに道を間違いやすい、怖げな心霊スポットみたいな道が続く。ゆっくり歩くと寒くて眠いが、早歩きになってはぐれるのは、これまでよりもさらに避けたい。曲がり角毎に悩み、後からの指示を仰ぎ、踏切をいくつも越えて行く。
左手から波の音がする。暗くてよく見えないが、海沿いを歩いているらしい。真っ暗な海は不気味だ。
民家が増えてきて、街に出たみたい、で玉江駅エイド。温かいお茶がおいしかった。
ここからは昨年Bコースで走った道、もう迷うことはあるまい。
ということでそれぞれに自分のペースで走ることになり、Oさんと二人で萩の町を走り出した。宗頭を出てからここまでほとんど歩いているので休養充分なのか、不思議なことに結構走れる。昨年はずいぶん長いと感じた萩の町中を抜けて虎ヶ崎へ道も、普通に走れる。走り出すと血行がよくなって眠気は去り、さらに走れる。まだ夜明け前で涼しいので、昨年暑さにへこたれたこの道がどんどん走れる。
先行するAコースのランナーにポツリポツリと追いつきながら、夜が明けてきた。
虎ヶ崎到着は、4日朝の6時過ぎでした。
椿の館での朝ご飯はカレーライス。昨年はひと皿が多くて食べ切れなかったが、今年はここまで量を少なくしてもらうとあとで空腹になる繰り返しだったので、普通盛りにしていただいた。頑張って完食。まだ夜が明けたばかりで涼しく、ビールの欲求は起きなかった。
★~ゴール香山公園 <250km> 到着時間 13:05
虎ヶ崎を出て笠山を一周、萩へもと来た道を戻る。Bコースの速いランナーさんに抜かれるようになった。
往路のランナーとすれ違うので、そのたびにエールを送り送られ。
昨年はこの道が半端なく暑く辛かった思い出しかないが、今年は朝の涼しい時間帯ゆえか、あらもう左折?というくらい。走れることは走れるのだけど、足の裏がふやけて来てるようで、着地毎に違和感を覚えるようになってきた。
最後のチェックポイント東光寺、今年は奥の売店横。
10個のパンチが並んだカードを見て感無量、まだゴールしてないのにね。
床机に「ご自由にお取りください」とレモンを置いてくれてあったので、ひと切れいただいた。蜂蜜漬けと思い込んで食べたら、シンプルなレモンですっぱかった…。
東光寺で折返し、松陰神社の前を通り、維新ロード。この辺も全然暑くなく、自販機を余裕でスルーできた。
萩有料道路入口から旧道に入ると、70kmや35kmのランナーとすれ違うようになる。すれ違いざまにほぼ皆さんが拍手してくれる、声をかけてくれる、気恥ずかしいけどとても力になる。
道の駅の手前でN本さんに会った。私がAコースであることにとても感激してくれて、「おにぎり食べる?」と言ってくれたけど、次のエイドでもらうからと辞退した。が、到着した道の駅・萩往還公園のエイドはまだ開いていなかった。これにはかなり落胆した。
自販機で熱いコーヒーを飲み、トイレ休憩でゆっくりして、おもむろに出発した。
往還道はきつい山道、上りは歩いて、下りも無理せず歩く。舗装していない路面はぶよぶよの足の裏に厳しい。
明木市のエイドは意外に早く出現した。
明木市のエイドはランナーや歩け歩けの部の人でいっぱい、今年も萩焼のイベントが行われていたようだ。
明木市エイド名物というお饅頭を3個もいただいた。
ひと峠越えて、佐々並のエイド。昨年は待ち遠しかったエイドだが、ここも思いのほか早く出現した。
ここではお豆腐がいただける。
エイドを過ぎると、永遠に続くかと思われる車道のダラダラ上り。ちょっと日が照ってきて暑くなってきたが、昨年の比ではない。せっかく持ってきたので首筋日除けをキャップに装着した。とても走っては上れないが、まだ早足で歩ける。ストックがなくても早足できる。
昨年唯一の心残りだった上長瀬の草もちエイド。今年は難なく発見したが草もちはなくて、市販の(多分)山口銘菓のお饅頭だった。おばさん方にはお水ももらって贅沢は言えないのはわかっているけど、2年越しの草もち、やっぱり食べたかったですぅ。
夏木原キャンプ場を過ぎ、古道に入る。
石畳の古道がふやけた足の裏に響く響く。なるべく断差の少ない場所を選んで足を運ぶのに、ヨチヨチ歩きになる。
下りになるといっそう辛い。慎重に歩を進める。
石畳がやっと終わった所で、私設エイドの方にフルーツをいただいた。
路面がアスファルトになって走れるようになった。昨年ここからゴールまで恐ろしく長かった記憶があるので、今年は覚悟して時計は見ずに一心に走る。足の裏は痛いが脚は動く。
もうそろそろ瑠璃光寺が見えるころかな、で右折すると、ゴールの瑠璃光寺が見えた。ゴール手前の上り坂もなんのその、ラストスパートはできないがさりとてヨチヨチでなく走れた、と思う。前方にも後方にもランナーの姿はない。今年は遠慮せずにそのままゴールに一直線。
ゴール手前でハリーさんに出迎えてもらい、感動のゴール!
★ゴール後
ゴールしてすぐ、完走証がもらえる。
タイムは43時間05分ほど。
完走賞の金メダルも。
テントに給水と給食があり、存分にただいた。
公園内の水道で塩が吹いた顔を洗い、瑠璃光寺門前に戻り、次々にゴールするランナーを出迎える。道路の縁石に座って、ハリーさんが門前の店で買ってきてくれたビールをいただきながら、ラルムさんのお友達というF田さんと話しながら。
道路を隔てた目の前が幸いに女子更衣室なので、汗まみれのウェアを着替え、サンダルに履き替えて、育児院へ戻り荷物を取りに行く。今まで走れていたのに足の裏の痛みでほとんど歩けない。一歩10cmくらいの歩幅でなんとかこの100mほどを踏破した。
ほどなくアッキーさん、よしだ~さんも帰ってきて、感動の再会。
期待していた通り、ハリーさんが連れて帰ってあげると言ってくださったので、ここはまるで遠慮せずにお言葉に甘えることにする。だってこの足では新幹線の階段を重い荷物を持ってはとても歩けないもの。
ハリーさんのお仲間のゴールを待つ間、GWを利用して下関までランを続けておられて帰宅をご一緒する手はずの進くんさんを待ち、門前に座り続けた。
帰りは湯田温泉の「温泉の森」へ連れて行ってもらって、入浴。
ハリーさんのステキな車の中で爆睡のうちにうちまで着いたかと思いきや、眠いことは確かに眠いのだけど足腰はもちろんあらゆる所が痛くて同じ姿勢がとれず、ジコジコし続けの数時間だった。SAでの休憩で下車しても、ほとんど歩けないのが情けない。こんな風だと、夜行の高速バスで帰ることにしてたらさぞ辛かったろうと推測される。
※ 総括
今まで経験したことのない長丁場、250kmを完踏できた。それだけで感無量なり。
暑かった昨年に比べ曇りがちの天候が幸いした。完走率も昨年よりずいぶんよくて、Aコース55.6%、Bコース49.8%だそうだ。
ふた晩も夜を徹して走ることは、予想通りにきつかった。
2日目の夜は脚がまったく動かず頭もボンヤリしてもう限界かと思われたが、2時間弱の仮眠で蘇れた。仮眠後脚が固まってしまうこともなく、予想以上に走れて、虎ヶ崎から瑠璃光寺ゴールまでは、140kmの昨年より速く到達しているのには、我ながら驚く。
ゴールまでは結構走れていたのに、ゴールしてシューズを脱いだとたんに足裏の痛みでまともに歩けなくなったのは、本当に情けない限りだ。
無事に帰れたのは、とにもかくにも連れ帰ってくださったハリーさんのおかげです、金輪際加古川に足を向けて寝られません。
エイドや沿道でお世話になった大会関係者の皆さま
通りがかりに道を教えてくださったり応援してくださった方々
一緒に走ってくださった方々
すれ違いに声をかけて励ましてくださった方々
すべての方に、篤く御礼申し上げます。
今は考えられないけれど、もし次に萩往還に挑戦するのなら…
無泊三日はあまりに無謀、後泊すべし。
絶対にキャスター付きのバッグを入手すべし。
ストックの使用も考えるべし。
ゴールしてからふやけて浮腫んだ足でも履ける草履か雪駄を用意するべし。
「宗頭での仮眠を充分とってそれからはゴボウ抜き作戦」を実行してみる?
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