海砂のつらつら日記

海砂のつらつら日記

2015/03/22
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カテゴリ: 読書
今日は読書感想文。

読んだのはこちら。。。


【楽天ブックスならいつでも送料無料】テミスの剣 [ 中山七里 ]

昭和五十九年、台風の夜。埼玉県浦和市で不動産会社経営の夫婦が殺された。浦和署の若手刑事・渡瀬は、ベテラン刑事の鳴海とコンビを組み、楠木青年への苛烈な聴取の結果、犯行の自白を得るが、楠木は、裁判で供述を一転。しかし、死刑が確定し、楠木は獄中で自殺してしまう。事件から五年後の平成元年の冬。管内で発生した窃盗事件をきっかけに、渡瀬は、昭和五十九年の強盗殺人の真犯人が他にいる可能性に気づく。渡瀬は、警察内部の激しい妨害と戦いながら、過去の事件を洗い直していくが…。中山ファンにはおなじみの渡瀬警部が「刑事の鬼」になるまでの前日譚。『どんでん返しの帝王』の異名をとる中山七里が、満を持して「司法制度」と「冤罪」という、大きなテーマに挑む。(「BOOK」データベースより)


「贖罪の奏鳴曲」( 感想はこちら )にも登場する渡瀬刑事の若かりし頃の様子が。。。
なんて書いてるけど、刑事の名前なんてそうそう覚えていないので、他の方の感想を読んでようやく気付きました(笑)

昭和59年に起きた不動産夫婦強盗殺人事件。
若き渡瀬刑事は、所轄一の検挙率を誇る鳴海刑事と容疑者楠木を取り調べる。
はなから楠木が犯人だと決めつけ、いためつけるような取り調べをする鳴海。
渡瀬も、その強烈な取り調べにとまどいつつも、示し合わせたとおり楠木を追い詰め自白させる。

控訴審も棄却され、楠木は獄中で自殺する。

この取り調べの様子は本当に恐ろしいです。
県警と所轄の容疑者確保の争い、拘留期限などが、鳴海たちを常軌を逸した取り調べに駆りたてます。
今はさすがにこんなこと起こってないと信じたいですが・・・。

結局楠木の死後、別件で逮捕された迫水が真犯人だと知った渡瀬は苦悩します。
しかし、冤罪事件発覚を恐れた上司はじめ警察・検察は何とかもみ消そうと動きます。

それから20数年後、迫水が出所直後何者かに殺されます。
迫水を殺したのは、20数年前の冤罪事件の関係者なのか。。。
渡瀬は独自に捜査を始めます。


うーん。。。中山七里さんおもしろいわ!!
それほどたくさんの本を読んではないけど、今のところハズレがない。


こう言う小説だと、どうしても警察や検察などの権力側の描写が辛辣になります。
そんな中、高遠寺静判事がとても素敵でした。
控訴審を担当する判事なのですが、彼女は楠木の真剣な無実の訴えに心を動かされながらも、完璧と言える調書と証言から感情に流されることなく理性的に裁くのが、この神のような権限を与えられたものの務めだと考え悩みながらも下級審の死刑を支持します。
そして、楠木の事件が冤罪だと分かった後の身の処し方。
ホント神々しい!!判事がこう言う人ばかりだったら良いな~と思わせます。


題名見ると軽そうな感じですが(笑)今度借りてこようと思います。

他にも中山作品にお約束の登場人物のリンクがあるそうです。
残念ながら記憶力が悪いのでわかりませんでした(^^ゞ
でも、他の作品1冊も読んでなくても、本作だけで十分楽しめます。

重いテーマですが、読後感はそれほど悪くないです。
迫水殺害の真相が「どんでん返し」目的で少し強引だったのがおしいですが、おすすめの1冊です。


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最終更新日  2015/03/22 03:16:03 PM
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