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時代背景は、1925 (
大正14 )
年。箕浦は、東京の貿易会社で働いていた。新入社員の初代に恋をした。結婚しようという段階になって、ライバルが現れた。なんと、それは箕浦の友人・諸戸だった。
ところが、初代が何者かに殺害された。箕浦は素人探偵の深山木に犯人の捜索を依頼した。しかし、彼までも殺された。殺害の手口から同一犯の犯行と推測された。
箕浦は、今度は諸戸と一緒に犯人探しを始めた。
本書は、二人が犯人を特定し、事件を解決するまでの物語である。
本書は、推理小説で使われる様々なトリックが盛り込まれている。初代の殺人は密室。深山木の殺害は白昼、衆目の中でおこなわれた。
さらに、暗号の解読とつづく。これは、箕浦が初代から預かった彼女の家の家系図に、お宝のありかを示す暗号が示されていた。この解読にいちばん時間がかかった。
また、時代を反映して、「片輪者 (
不具者 )
」という差別言葉が出てくるが、犯人を捜してゆくうち、諸戸の父・丈五郎が手がかりを握っていることに行き着いた。諸戸の親は両親ともに、背中に大きなこぶがあり、腰から背中が直角に曲っている「せむし」だった。そして、様々な片輪者が登場する。
今から90年以上も前に書かれた作品だが、十分、現代でも通用する内容になっている。
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