ただね、






悲しい雨が降る

しとしとと

さながら泣いているよう


誰かの水たまりを蹴る音に

慈しみを垂らして

無慈悲なモノなど

この世からないことにしたかった



誰かのためとか

誰かのせいとか

もう

そんなこと言いたくなかった


誰かのためにとか

誰かのせいだとか

もう

そうやって己を避ける自分が厭だった

ただ自分のため

自分のために

無慈悲を無くしたんだ





慰めなんていらないし

ましてや揶揄なんていらない

見てほしくもないし

意識すらしてほしくない


ただ

あたしの存在だけ

認識してくれればよかった


我が儘な あたし



我が儘だったから


だから きみはあたしのことを


好きになんてなるはずなかった



なのに

知っていたのに


だから君の無慈悲さを

無かったことにしたかった













ただ君を愛したかったんだよ、













2008/03/06


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