あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

死の誕生パーティ

～死の誕生パーティ～ 　　　【殺人予告はリダイヤル】所収

着物学園理事長の十条麗子は、数ヶ月前に子宮ガンで入院し、治療を続けていた
そこで、日頃の感謝の気持ちを込めてか、お世話になった医師や看護婦たちを誕生パーティーに招くことにした

嵯峨野にある麗子の別荘で開かれたパーティーは、ごく親しい内輪ということだったが、交友関係の広い麗子らしく、映画監督やプロゴルファー、推理作家らが出席している
どうやら、今日出席している男性陣は、麗子と親しい間柄にあるようだ
それを知ってか知らずか、麗子の夫の秋彦や、秘書たちはパーティーの手伝いに追われていた
看護婦の代表として来た戸田鮎子は、豪華な別荘や雰囲気に気負いしながらも同僚の看護婦らとパーティーを楽しんでいた
夜も更け、パーティーの参加者たちは別荘の２階にあるゲストルームで１泊させてもらうことにした

翌朝、鮎子は１本の電話で起こされる
それは、近くの竹林で麗子の絞殺死体が発見されたという知らせだった…

～感想～
犯人の動機が今ひとつ不純で、どうも納得がいかなかった
そんな理由で犯行を犯すものかと…
それに、鮎子と恋人で新聞記者の田原陽一が、散々事件に首を突っ込んで推理を働かせた割には、ラストの締め方があまりにも唐突すぎ
もう少し気の利いたラストでもよかったのではないかと思ってしまった

という事で、私的評価は星【★☆☆☆☆】１つです

◆この原作のドラマ化作品◆
平成７年３月２０日放送
月曜ドラマスペシャル
山村美紗サスペンス
『看護婦探偵戸田鮎子２～死の誕生パーティー』
出演／戸田鮎子…斎藤由貴／田原陽一…田中実／今井警部…西岡徳馬／牧夕子…河合奈保子／若木隆…京本政樹／十条麗子…新藤恵美／深沢監督…平泉成／十条秋彦…中島久之／中本真一…黒田アーサー／池亜木子…水原ゆう紀／婦長…塩沢とき／千草…森下涼子／恵子…北岡夢子　ほか

…タイトル前のナレーション
『私たち看護婦も招待された誕生パーティーが思いもかけない死の誕生パーティーになろうとは』

…ドラマの内容
横浜の病院の産婦人科に勤務する戸田鮎子は、治療の為に入院していた着物学園長の十条麗子の誕生パーティーに招かれる
同僚の恵子らと鎌倉にある十条家の別荘を訪れた鮎子は、その贅沢な暮らしぶりに目を見張る
誕生パーティーの出席者は、麗子のごく親しい仲間内ということだったが、映画監督の深沢や、プロゴルファーの中本、麗子の担当医師の若木など、麗子の華やかな交遊録を伺わせる面子であった
パーティーをよそに、麗子の夫の秋彦や学園の秘書の牧夕子は、甲斐甲斐しく働いている
パーティーの最中、猫の死骸が浴室に投げ込まれたり、麗子宛てに白いバラの花束が匿名で届けられたりと、只ならぬ様相を呈してきた
誰かが、傲慢な麗子を妬んでの嫌がらせのようだった

パーティーの参加者たちは、麗子の別荘に泊まった
翌朝、鮎子が邸内を散策していると、麗子の他殺体を発見する
首には、昨夜誕生日プレゼントとして鮎子たちが贈ったスカーフが巻きつかれていた…

…ドラマの感想
短編小説の内容をよく肉付けしてドラマ化したなとは思ったが、如何せん小説に書かれた犯人の犯行の動機が弱い為、結末は呆気ないものとなっていた

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