あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

盗まれたエメラルド

ブラックオパールの秘密 ~盗まれたエメラルド~    【ブラックオパールの秘密】所収


浜口一郎は、夏休みをどう過ごすか相談する為に、恋人であるキャサリンの家を訪れていた
2人は、なにげなくつけていたテレビに注目する
それはワイドショー番組で、今人気がある占い師の斎田万希の自宅を訪問するという内容だった
女占い師に興味があったわけではないが、豪華な調度品に囲まれた豪邸に興味を示す
万希は、数年前までは平凡なOLだったが、ふとしたことで占い師として転身し、その占いが当たることが評判を呼び、今ではすっかり人気占い師となっていた

万希は、石を使って占いをしており、色々な石の収集を趣味としている
当然のことながら宝石も数多く所有していて、ダイヤモンドやエメラルドといった高価な宝石のコレクションの一部はテレビに放映された
それから数日後、各テレビ局宛に、万希が所有しているエメラルドの指輪を盗むという犯行の予告状が届く
その騒ぎはマスコミによって報道され、キャサリンも事の成り行きに興味を示していたが、結果的には、万希が自宅で保管していたエメラルドの指輪は予告状どおりに盗まれてしまう

エメラルドの盗難騒動に対するマスコミの報道は、日に日に過激さを増していた
占い師ならば、誰が盗み、どこに指輪があるのか占えば判るのでは?と、連日、万希の元に報道陣が押し寄せるが、肝心の万希は、「占えば不吉なことが起きる」の一点張りで、沈黙を押し通していた
しかし、とうとう言い逃れできなくなってしまい、テレビの生放送で、事件について占うこととなる

その生放送を、キャサリンは浜口と一緒に見ていた
万希は、盗まれたエメラルドの指輪がある場所として、一軒の家を絵に描き始めた
普通の建売住宅だが、特徴的なベランダである
その絵を元に、テレビ局は家を探し始めると、なんと放送中に、万希が描いた絵とソックリの家を発見する
その家の持ち主は霧山という人物だが、インターホンを鳴らすものの、家人の応答は無く、そこで生放送は終わってしまった

キャサリンは、一連の騒動は、女占い師が仕掛けたヤラセではないか?と疑いの目を向けながらテレビを見ていたが、万希が占って訪れた家の住人の名が霧山ということを知って、疑問に思った
というのも、万希は恋多き女で、今までに何度か週刊誌を賑わせたことがあったのだが、占い師になる前のOL時代に、霧山和也という男と交際していたことを思い出したからである
これは、ただの偶然だろうか?

浜口と夕食の買出しに出かけて帰ってくると、テレビではニュースを報じていた
画面には、さきほどのワイドショーで映っていた霧山邸が映し出されている
なんと、その家から、住人の霧山和也の死体が発見され、さらには、エメラルドの指輪も発見されたという
万希の占いは当たっていたのだ!
その報道に、キャサリンはただただ驚くのであった

昔万希と恋仲にあり、復縁を迫っていた霧山が、エメラルドの指輪を盗み出し、そのことを万希に占いで良い当てられてしまい、覚悟の上で自殺したのだろうか?
そんななか、霧山の知人で、万希とは犬猿の仲にある女占い師のソニアが、事件を占うためにテレビ番組に出演し、そこで犯人が万希であるようなニュアンスを言い放つ
それを受けての万希の反応は!?

エメラルドの盗難騒ぎ
疑いをかけられた男の謎の死
二人の女占い師による事件の真相を追究する占い
キャサリンは、一連の騒動を報じるワイドショーを見ながら、自分なりに推理を展開していく…



~感想~
冒頭から中盤あたりまでは、展開が謎めいていて面白かったのだが、事件の顛末がアッサリとしていて拍子抜けしてしまった

という事で、私的評価は星【★★★☆☆】3つです



◆この原作のドラマ化作品◆
ありません




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