本を読めば『道は開ける』

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4.大人のための位相空間練習帳


であった。

が、この「再び」の前というのはいつのことなのだろうか?
かつて、社会人に「数学ブーム」などというものがあったのだろうか。

2,3年前に讀賣新聞で「数学の本が売れている」という記事が掲載されていたことがある。

このことを指しているのであろうか。

この時は小室直樹さんの、主に論理学的な事柄を扱っていた本(タイトル
失念)が何万部も売れていて、その他には翻訳された数学の啓蒙書も売れ
行きが好調だということが載っていた。

数学に関するベストセラーが出ると、いちおうブームということになるの
であろう。

今回は、

「算数の応用問題を、方程式などを使わずに解いて、論理力を鍛える」

という本がベストセラーになっているようだ。

「大人のための算数練習帳」(講談社ブルーバックス)は、

「想定した読者層にとどまらず、高齢者や算数アレルギーが根強い
とされる若い読者層にも広がっている」

らしい。

今回の数学(算数)本はどれもタイトルに
「大人の」がついているのも特徴的ですね。

「大人に役立つ算数」、『大人のための「数学・物理」再入門』など。

これは先行して発売され100万部を突破した公文の
「脳を鍛える大人の計算ドリル」の便乗だと思われる。

余談だが、私はこの「脳を鍛える・・・」を、数学(算数)本のカテゴリーには入れたくないな。

あくまでもこの本は前頭前野を鍛えるための一手段としての「一桁の計算」であって、「数学(算数)の論理性を学ぶ」という数学(算数)本とは別であると思う。

まっ、とにかく、
数学に関する書籍は、一般の人々にとって案外需要があるものだ
ということが、あらためてわかった。

そこで、私が声を出して言いたいことの一つに、算数の応用問題も論理力を鍛えるのにいいけれど、再三私の日記でとりあげた

「位相空間論」も論理力を鍛えるのにいい

ということである。
(フリーページに「位相空間」についての説明あります)

そういう意味では抽象代数もいいのかなと思うが、いかんせん
群にしろ環にしても体にしても、次々と様々な定義が現れる。
それを覚えていくのは結構しんどい。

位相空間論は、最初たった3つの公理から初めていって、抽象代数ほど
いろいろと用語も出てこないのではないかと思う。論理力が鍛えられて、
現代数学の考え方も学べるいい教材ではないでしょうか。

(といっても最初は集合に慣れる必要はあるし、抽象性はものすごく
 高いので、「いったいこれは何なのだ!」状態になるかもしれない)

「大人のための位相空間練習帳」を考えようかな。

いかん、これはタイトル便乗じゃないか! 
そもそも「子供のための」位相空間なんてあるわけないし・・・。

というわけで試行錯誤は続く。(to be continued)


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