本を読めば『道は開ける』

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無から生まれる宇宙/様々な宇宙モデル


行われた。

佐藤氏はインフレーション理論(命名はアラン・グース)の
提唱者の一人である。

インフレーションとは、

宇宙の初期に真空の相転移(真空の性質が変わること)がおきて、
それまで時間の平方根に比例した速さで膨張していた宇宙が、
指数関数的に膨張を始める、という理論である。

そして真空の相転移が終わってもとの膨張に戻る。

その講演の中で一番驚いたのは、佐藤氏が言うには

なんと、宇宙は「無」から始まった

らしいとのことだ。

宇宙はもともと何もない真空だったのだが、
「無」を量子論的に考えると、ゆらぎをもっており、
トンネル効果というすり抜け現象を起こして、
無から有が生まれてそれが今の宇宙になったというのだ。
(ビレンケンのモデル)

なんだか、信じられませんね。

ホーキングは、ペンローズとともに証明した特異点定理
(一般相対性理論で宇宙の誕生を考えると特異点という
やっかないな点が避けることができないという定理)
を回避するため、

時間は宇宙誕生まで虚時間(時間が虚数。意味はわからん)
という時間の流れになっているという理論を出している。

これは驚くべきことで、時間の次元が2であるということかもしれない。
(ビレンケンの「無から生まれる宇宙」もトンネル効果で無から飛び出す前は虚時間であるとしている)

どっちにしろ、まだ宇宙はどうやってできたのかは、全くわかっていないということだ。
(ただし、現在宇宙が膨張していること、ビックバンとよばれるものはあったと思われる)

そういうわけで、現在まで様々な宇宙モデルが考えられている。

・宇宙はもっと狭い (鏡宇宙)

実は宇宙は、今考えられているよりかなり狭くて、星もそんなにたくさんはない。ただし宇宙が鏡におおわれているかのように、同じ星の光を何重にもうつしているため、あたかもたくさんの星があるかのように見えるだけであるという可能性もあるらしい。
(『宇宙のシナリオとアインシュタイン方程式』竹内薫・工学社)

・ブレーン宇宙モデル(超ひも理論)

超ひも理論から、ひもの境界条件である「ディリクレ境界条件」を考えることででてきたDブレーンは、ひもが1次元であることに対して、Dブレーンは2次元以上の拡がりを持つ。

このブレーン宇宙モデルは、実は我々の存在する宇宙が10次元(11次元)に浮かぶ一つの4次元(時間1次元含む)のDブレーンという拡がりで、この10次元空間の中には別の4次元ブレーン(別の宇宙)も存在する。

我々は自分のDブレーンから脱出することができないのだが、重力だけが別のDブレーンに到達することができる。

現在、宇宙の質量の大部分が不明であるということを前の日記で書いたが、その不明部分は、別の宇宙(別のDブレーン)の重力ではないかというもの。

異なるブレーン同士がぶつかるとビックバンを起こすのではないかとも考えられている。

SFのような話しが飛び交う宇宙モデル。もちろん、結論は全くでていません。

さて、このような夢物語に思われる宇宙の話が

「願望実現」に関係あるかもしれない

ということであれば、どう思われるだろうか。(続く予定・・・)

2004年9月3日


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