LIVING_DEAD

欲望論



 俺は今日も自分から逃げる。ギリギリの所まで追いつめられて、もう駄目だと言うところまできて、ちょっと頑張って余裕を作る。そのわずかな余裕に俺は住んでいる。日本人はその1帖もない場所の住人だ。誰もが今か今かと助けを待っているが、結局、希望は自分以外に求む事はできない。
 俺は今日も中学校へ何かをしに行く。何をしに行く。俺はそこでただ笑い、喜び、怒り、悲しむ。俺はその人口密度の高い部屋でただ過ごす。他に行く所がないからか、それか他の同年代の子供がここに来ているからか、俺は毎日ここに来る。何をしに行く。何かをしに行く。
 その日はテストだった。学年末テスト。みんなが高校へ行くから、俺は高校へ行く。うちは金持ちじゃないから、公立校へ行く。物事には理由があるとよく言うが、まさにその通りだと思う。公立校志望の者として、今回のテストで低得点をとった場合、担任の教師に、高校のレベルを下げるように言われる。言われる。それを聞き、どうでもいいと思う物はレベルを下げる。
 俺はどこの高校へでも行けたらいいかと思っている。ただ、レベルが低すぎると、周りの物に馬鹿にされる、ただそれだけの理由でそこそこの高校を志望している。志望校をはっきりと言ってしまった今、もう変えるなんて出来ない。周りの者に馬鹿にされそうだからだ。そうして俺は今日も、波の中を行く。
 また俺は学校で言われる。俺はもっぱら、笑われるのがいい役だ。俺は昔の俺の役と変わってしまって、毎日に少しの苦痛を感じている。昔は人を笑い、人を馬鹿にし、その人に助けを求め。その代償なのかは知らないが、因果については先程もいったようにこれに関しても当てはまるのではないだろうか。
 本当に、本当に、俺は日本人であることを実感した。

 うちの親父は信念を持っている。その父も同じく、信念を持った勇敢な者として生きた。祖父は相手が何であろうと、大きかろうが最強であろうが、祖父は自分を信じ、信じた事を貫き通した。父は、会社の社長に物申し、解雇になったこともある。それは素晴らしい。素晴らしい。自分の首はうしなったが(勿論、会社での首だ)、魂は失わなかった。そう、魂を失う事こそが、地獄である。そして、身を殺し、魂を活かした時に、人は解き放たれるのではないだろうか。しかし、その父にも自分に殺されている部分を持っている。自分に負けている。何度も言っている自分に負ける事とは、つまり欲望を制御できなくなる事だ。
 欲望、欲望。欲望ほど恐ろしい物はない。欲望を武器のしている企業は儲かっている。儲かっている。恐ろしいほど儲かっている。これほど大きな武器はない。
 欲望とは、本能に含まれる。よく言われる3大欲求とは統べてが本能である。食欲、性欲、睡眠欲。それらは人が人として生きる上であって当然、ない物はない。生まれた時からその欲望の器を持っていない者は決していない。
 器に水を入れておくと、いずれは水は乾く。人は器に水が入っていないとストレスがたまる。欲求だ。器が大きければ大きいほど欲求は大きく、それは無限に広がる。器が小さければ小さいほどすこしの欲求で、少しの事で満足し、我慢も少しですむ。しかし、乾くのは早い。
 究極論、器をなくさなければならない。しかし、器が無くなれは楽しみは無くなる。それが恐くて人は、俺は器を破壊できない。もし器がなくなれば、水の行き場がなくなる。その行き場は他の人の所に行く。これを菩薩の魂という。自を抑し、他を潤す事が菩薩である。それができればもうその人は自分の檻の鍵を手にしている。詳しく言えば鍵は檻の中に落ちている。それを探す事こそ人生だ。自分の檻の鍵を探す事こそ、人生だ。その檻の中で狭い一生を過ごす現代日本人。いや、世界がそうなりつつある。檻の中の世界しか知らないからそれが全てだと思い込んでいる。そうするともう低空をウロウロしてるものだ。気付く事から始める。自分は自分の部屋の囚人やって事を。それに気付いてから始まる。それからが、本当の人生だ。本当に目的を持ち、その部屋の中へ旅に出る。そうなのだ。

 さて、もう時間も経ったから明日のテストの勉強でもしよっと。

最後に、誤字したことに気付いたけど、何処かわからんし、読み直すのめんどいから、見つけたら言ってくれ。



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